「第二新卒」という言葉が使われだしたのは比較的最近のことですが、第二新卒を積極的に採用しようとする企業なども増加しており、第二新卒の株が上がっています。
第二新卒というのはいったん高等学校や専門学校・大学を卒業してすぐに新卒として就職した後、3年程度で新しい職場に転職しようとしている人のことを言います。
2020年3月卒業の大学生・大学院生の新卒生に対する求人倍率は1.83倍という数字が出ていますが、これはつまり学生一人に対して1.83件の求人があるということです。
つまり企業側はいい人材を得ようとしても完全な売り手市場のため、十分な新人を採用できていないということです。
つまり、就活方法さえ間違わなければ第二新卒でも大企業や有名企業に就職できるということですから、履歴書や職務経歴書などの書き方をよく研究して有利な就活を進めていくようにしたいものです。
新卒だけではなくて第二新卒も売り手市場
新卒だけでは満たしきれない採用枠を第二新卒で埋めようという企業が増えています。
第二新卒は社会人として3年程度の経験を積んでいますので、多額の費用をかけて新人研修を行わなくてもビジネスマンとしての最大限のマナーが身についています。
しかも新卒で入った会社のカラーに染まりきっておらず、フレッシュな面が残っていますから企業側としては上手に活用して即戦力になってもらいたいと考えているのが第二新卒なのです。
新卒の現状と第二新卒に寄せられる期待
厚生労働省の発表によれば、卒業してから3年以内に新卒で入社した職場を離職している人の割合は大卒者で31.8%、高卒者では何と39.8%にも上ります。
大卒者では3割、高卒者では4割がせっかく就職しても3年以内に仕事を辞めているわけですが、離職する理由としては「給与が不満」「仕事上のストレスが大きすぎる」「労働時間が長すぎる」「求められるノルマが厳しすぎる」などが挙げられています。
また、「仕事が面白くない」「職場の雰囲気が合わない」「キャリアアップができない」「悩みを相談できるような上司がいない」といった個人的な理由もかなり見受けられます。
雇用側としては新卒社員に数百万円、時には1,000万円の費用をかけて新人研修を行い、ビジネスマナーを身につけさせたのに3年で辞められてしまっては採算が合わないというのが正直な感想です。
こういう現状があるため、すでに社員教育を済ませている第二新卒を率先的に採用しようという企業が増えてきているわけです。
第二新卒の人はこのチャンスを逃さずに、上手に就活をして希望通りの企業への就職にこぎつけたいものです。
第二新卒が履歴書を書く上で注意したいポイント【転職で失敗しないためには】
新卒で一度失敗している人は採用段階でのミスマッチがいかに良くないかを痛感しているはずですから、第二新卒として転職活動をする際には自分に合う職場を見つける努力をすることが大切です。
第二新卒で転職をする際には履歴書や職務経歴書などの提出の作成にも十分に留意して就活を進めていくようにしましょう。
履歴書は書類審査を通過して面接まで取り付くための重要なポイントですから、審査に通りやすい作成方法を心がけるようにしたいものです。
履歴書では顔写真が決め手
大企業の場合、採用担当者が一人の履歴書を見る平均時間は約6秒だと言われています。
わずか6秒の間に採用担当者に「ダメ」と判断されればそこでおしまいですし、「この人は良さそうだ」という印象を与えるのに成功すれば履歴書をもっと詳しく見てもらうことができます。
つまり、履歴書で最も大切なのは「どんなことが書いてあるか」ではなくて「顔写真」と「字がきれいかどうか」、そして「学歴」と「職歴」です。
「人間は容姿ではなくて中身だ」とはよく言われる言葉ですが、履歴書の審査においては想像以上に写真が重要な役割を果たすことを忘れてはいけません。
同じ人でも髪型や洋服を変えただけでイメージがかなり変わるものですから、就活で写真を撮る際には証明写真では腕が良いことで有名なプロに撮ってもらうことをおすすめします。
プロの写真家は前髪のちょっとしたはね方や両肩の上げ下げにも細かく気を配りますが、こうすることによって採用担当者に好印象を与える写真を撮ることができるのです。
スピード写真で撮った写真を履歴書に添付するのは「ズボラな人」「写真一枚にも手間暇をかけない人」と判断されることにもなりかねませんのでNGです。
履歴書は読みやすいようにはっきりと鮮明に書く
当たり前のことのようですが、履歴書を書く際には濃い黒のボールペンか万年筆を使って読みやすい字で鮮明に書くように心がけましょう。
字の上手下手とは関係なく、相手にとって読みやすいように心がけているかどうか、その心配りが感じられる履歴書を書けることが書類審査では高く評価されます。
履歴書は空白をなるべく残さずに書くのがマナーですが、小さくて読みにくい文字で空白を埋め尽くすのも採用担当者に読みにくいを印象を与え、マイナスポイントになってしまいます。
誤字や脱字がないことも最低限のマナーですから、書き損じた時には修正液を使わずに新しく書き直すぐらいの心意気がなければ書類審査に通ることはできません。
第二新卒向けの転職エージェントなら履歴書も添削してくれる
履歴書を書くのは苦手という人は多いはずですが、これまでに転職サイト経由で多数の企業に履歴書と職務経歴書を送ったにも関わらず面接までこぎつけなかった人は転職エージェントでサポートを受けることをおすすめします。
書類審査に通りにくい人は履歴書の書き方を心得ていないことが多いものですが、転職エージェントに登録して専任キャリアコンサルタントのサポートを受けながら履歴書を作成すれば合格率も上がってくるはずです。
履歴書の書き方を懇切丁寧に指導してくれる転職エージェントとしては「リクルートエージェント」や「パソナキャリア」などが人気ですから、第二新卒で転職を思い立ったらすぐに登録しておくと便利です。
手厚いサポートが評判の「パソナキャリア」
「パソナキャリア」は利益よりも社会貢献を重視している転職エージェントとして有名ですが、履歴書作成の面でも手厚いサポートを行なってくれます。
転職エージェントの中は専任コンサルタントの良し悪しで受けられるサポート内容が全く違ってくるところもありますが、パソナキャリアはどの専任コンサルタントでも安定した懇切丁寧なサポートが受けられる点が高く評価されています。
外資系の転職エージェント「JACリクルートメント」もおすすめ
「JACリクルートメント」は外資系の求人案件を数多く取り扱う転職エージェントとして知られていますが、納得のいくまで履歴書や職務経歴書の添削をてくれますから、後悔のない就活をしたい人にはおすすめです。
第二新卒で合格しやすい履歴書【例文】
第二新卒で書類審査に合格しやすい履歴書を書く際には(株)などの略称を使わずに「株式会社」と正しく表記する、鉛筆で下書きをした場合には消しゴムで丁寧に消して跡が残らないようにするといった常識的なポイントを外さないようにすることが一番です。
【趣味・特技】の欄には実用的なことを書いて自分をアピールする
【趣味・特技】の欄には学生時代に打ち込んだスポーツなどを書いておけば面接で会話が広がっていくこともありますので、できるだけボリュームを持たせて書くようにします。
【趣味・特技】例文
ーーーーー
趣味:サッカー
中学生の頃から部活動でサッカーを続けており、社会人になってからも地元のフットサルチームに所属して活躍
特技:英会話
大学時代に3ヶ月間のオーストラリア留学をした経験があります
ーーーーー
運動部で長年活躍してきた実績のある人は粘り強く、しかも体力面では何の心配もないことが予想されますから、採用担当者の間では根強い人気があります。
語学ができることも企業にとってはプラスになることが多いので、3ヶ月間だけの留学でも必ず明記しておくようにしたいものです。
パソコンスキルがあることも大きなメリットになることを覚えておきましょう。
ダンスやものまねが趣味あるいは特技の人もいるかもしれませんが、仕事の上ではあまりメリットがありませんので、書いてもそれほどの効果はありません。
政治や宗教に絡んだ趣味や特技も書かないでおいた方が無難です。
【職歴】はたとえ短くてもきちんと書いておく
第二新卒で転職活動している人は「職歴」といっても大して書くことはありませんが、新卒で就職した会社の会社名と一緒に簡単な仕事内容を添えておくのもいいアイディアです。
職場をすでに退職した後で就活をしている場合には職歴の欄に「◯◯年◯月 株式会社△△退社」または「◯◯年◯月 株式会社△△を一身上の都合により退社」と書きます。
【志望動機】は採用担当官が注目するポイントの一つ
志望動機の欄は採用担当官が最も注目するポイントの一つですが、冗長にならないように結論を最初に書いておくことをおすすめします。
志望動機には「貴社の経営理念に感銘を受けたため」などといったおざなりの内容を記入するのは避けておかないと、面接の際に「では当社の経営理念について説明してください」と突っ込まれることがありますので注意したいものです。
まとめ
第二新卒で転職する際に知っておきたいのは、第二新卒は決してマイナス条件ではないということです。
第二新卒が持っているマナーとやる気に期待している企業は多いのですから、自信を持って書類審査や面接に望むことが転職への成功につながります。