第二新卒で転職を考えているけれど、新たに就活を始めてもうまく採用されるかどうか心配という人は多いのではないでしょうか。
就活で成功するためのポイントは「志望動機」にあります。
一生懸命就活をして憧れの会社に新卒で入社できたのはいいけれども、入ってみたら予想していた環境とは全然違ったから転職したいという人は珍しくありません。
ですが企業からすれば「せっかく採用してもまた3年程度で辞められるのではないか」という危惧があるため、第二新卒の採用を見合わせることがあるのです。
このような危惧を採用担当者に抱かせないためには志望の動機をはっきりとさせておくことが大切です。
納得のできる志望動機を持っている人であれば、企業としては新卒であろうが第二新卒であろうがかまわずに採用してくれます。
第二新卒の就活は難しい? 説得力のある志望動機が成功のポイント
厚生労働省が発表しているデータによると、2020年の有効求人倍率は1.83倍となっています。
有効求人倍率というのは就職を希望する学生に対して何倍の企業が求人を提供しているかというパーセンテージのことですから、学生一人に対して1.83の企業の求人案件があるということになります。
つまり、新卒に関しては完全な売り手市場なわけですが、この傾向は第二新卒にも当てはまります。
第二新卒のメリット
ひところまでは第二新卒というとあまり積極的に採用しない企業が多かったのですが、最近になって第二新卒用の枠を別に設けて募集するところが増えてきました。
これは第二新卒の持っているメリットが高く評価され始めたからです。
第二新卒は新卒として一度入社し、社内教育や研修を受けてきていますから、ビジネスマンとしての基本的なマナーや最低限のスキルはすでに身につけています。
このため、企業側にとっても多額の費用をかけて社員教育をしなくてもすぐに働き始めることのできる第二新卒は貴重な存在なのです。
一度他の職場で経験を積んでいるといっても年齢的にはせいぜい25歳とまだ若く、働く意欲と新鮮味があるという点も第二新卒のメリットです。
ですから第二新卒だといって悲観せずに、新しい職場で自分のキャリアスキルを積み、企業に貢献できるという確信がある人は迷わずに転職に踏み切るのがおすすめです。
第二新卒で就活に成功するカギは志望動機
第二新卒を採用するにあたって、採用担当者が最も重視するのが志望動機です。
志望動機さえきちんとしていれば有名企業へのステップアップも夢ではありませんから、時間をかけて「自分がなぜ第二新卒で転職したいのか」「どうしてその企業に就職したいのか」「どういう理由で新卒で入った会社を辞めたいのか」をリストアップしていくことが大切です。
第二新卒の就活【志望動機をまとめる際の注意点】
志望動機をまとめる際には自分を客観的にみることも必要です。
志望動機は履歴書に書く欄がありますが、面接の際にも必ず聞かれる事柄ですから、まずはメモに書き出しながら内容を練っていくようにしましょう。
志望動機について真剣に考えていくと、「自分はただわがままなだけなのではないか」「本当に転職したいと思っているのだろうか」といった疑問が浮かんでくるかもしれませんが、かまわずにまとめていくことが重要です。
志望動機をまとめることによって自分の性格や弱み、欠点なども明らかになっていきます。
つまり志望動機を作成するということは自分をよく知るということにもつながるわけです。
自分の気持ちをよく知った上で就活に臨めば「どんな企業でどんなことを実現したいのか」「どういうキャリアを積んでいきたいのか」が明確になってきますから、失敗のない転職をすることができます。
志望動機をまとめる前に今の会社を辞めたい理由を箇条書きにしてみる
第二新卒というのは新卒で入社して1年から3年程度働いた人のことですが、わずか3年足らずで会社を辞めたいという場合、その理由をチェックし直すのも志望動機を作成していく上で重要な作業です。
辞めたい理由としては「お給料が安い」「残業が多い」「同僚や上司と肌が合わない」「ノルマがきつすぎる」「研修体制が整っていない」などが挙げられるでしょう。
これらの会社を辞めたい理由というのは、再就職を希望する企業への志望動機と背中合わせになっています。
つまり、最初の会社を辞めたい理由の正反対の要素である「お給料が高い」「残業がほとんどない」「職場の環境が良い」「ノルマのない仕事である」「研修体制がしっかりとしている」ことが志望動機になっているわけです。
「高年収」が志望動機
履歴書の志望動機欄に「お給料がいいから」と書くのはマイナスではありませんが、それだけでは「利に聡いだけの人」と評価されてしまっても仕方ありません。
お給料が良いことの他にプラスアルファの要素を加えることで採用担当者に与えるイメージが全然違ってきますので、「御社が展開されているWEBサービスに興味があります」「営業の仕事がしたくて応募しました」なども志望動機に入れておきましょう。
「WEBサービスに関連する営業の仕事を希望しておりますが、この条件に合う企業の中では御社が最も高年収なので応募させていただきました」とはっきり言ってしまうのも悪くはありません。
この場合、「新卒で入社した会社の年収が低い」とネガティブな表現は使わないようにしましょう。
志望動機では「その企業でなければならない」ことを明確にする
採用担当者が最も知りたいのは、数ある企業の中からなぜうちを選んだのかということですから、志望動機ではその企業でなければならない理由を明確にしておかなければなりません。
「貴社が行っている◯◯プロジェクトにぜひ貢献したいと考え、応募しました」などと説明するのがおすすめですが、面接だと「では◯◯プロジェクトについて説明してください」と突っ込まれる可能性があるので、企業の研究は綿密にやっておかなければなりません。
「勤務地が東京」という志望動機も悪くありませんが、「勤務地が東京で、しかも自分がキャリアを積みたい分野で幅広い仕事を展開している」と言ったように、必ず動機を組み合わせていくことで自分の意欲を強調することができます。
自分のスキルを活かせる最適な職場であることを強調する
学生時代にオーストラリアに2年間留学していて英語が堪能な場合などは、「貴社が手がけられている海外部門のプロジェクトで必ずお役に立てると思い、応募しました」という志望動機も説得力があります。
自分の持っているスキルを活かしたい、会社の役に立ちたいという熱意が伝われば採用の可能性は高くなります。
第二新卒の志望動機としておすすめできないポイント
第二新卒で転職する志望動機としてはあまり使えないものもありますので注意しましょう。
志望動機に具体性がない
例えば「貴社の理念に感動しました」という志望動機を使う人がよくいますが、漠然としすぎて説得力がないのであまりおすすめできません。
会社の理念に言及したい場合には創立者の生き方や信念、具体的にどんなことをやって企業をここまで育て上げたかなどを研究した上で、「創立者がコツコツと戸別販売をしながら企業を今の規模までに築き上げたその姿に感動しました」などと書けば納得してもらえます。
「大企業だから」という志望動機もあまり歓迎されない
「大企業で大きな仕事をがしたいと思い、応募しました」というのも採用担当者からはあまり好感を持たれません。
「大企業だったらどこでもいいのでは」と思われますので、もっと具体的な動機を添えるようにしましょう。
第二新卒で成功できる志望動機【例文】
履歴書に書く志望動機の欄は多くてもせいぜい8秒程度ですから、何度か書き直して十分に推敲してから清書するようにしたいものです。
例文
ーーーーー
御社では中小企業向けのWEBサービスを提供されていますが、少人数チームでの営業ができると知り、大変興味を持ちました。
現職でもIT系の企業で営業担当しておりますが、20人ほどのメンバーとの協業であるため自分の提供価値が見えにくいことが悩みになっています。
現場での自分の価値を見据えながら貴社に貢献したいと思い、応募させていただきました。
ーーーーー
書類審査に通れば次は面接ですが、面接でも必ず志望動機は訊かれますので、口頭でも淀みなく答えられるように家で練習しておくようにしましょう。
第二新卒向けの転職エージェントの中には専任のキャリアコンサルタントが模擬面接をやってくれるところも多いので、登録して面接で失敗しないように訓練してもらうのもおすすめです。
履歴書に記入する志望動機に関してもキャリアコンサルタントが指導や添削を行ってくれますから、就活が苦手で志望動機の作成に難航している人はぜひ活用するようにしたいものです。
複数の企業に履歴書を出していてそれぞれ違う内容の志望動機を書いている場合、面接当日になってどんな志望動機を書いたか忘れてしまうことがあります。
面接官は履歴書を元にして質問をしてきますから、とんちんかんな答えをしないように提出する履歴書は全てコピーを取っておくように心がけましょう。
まとめ
仕事というのは自分の一生を左右する大切な要素ですから、新卒で入社しても「どうしても合わない」と思ったら第二新卒で転職してしまう方がストレスも溜まりません。
志望動機をまとめるということはなぜ転職したいのか、今の仕事のどこが気に入らないのかを再発見する良い機会でもありますから、何日かかけてじっくりと取り組むといいでしょう。