第二新卒で転職する人の数は増加の一途にありますが、就活で成功するためには転職の理由を明確にしておくことが大切です。
いくら立派な職歴があって優れたスキルを持っていても、転職理由が悪いと採用されない可能性もあるということを頭に入れておきましょう。
第二新卒というのは大学や短大・専門学校を卒業してすぐに就職し、1〜3年経った時点で転職する人のことを言いますが、企業の中には第二新卒専用の枠を用意して採用を積極的に推進するところも増えてきています。
新卒で就職はしてみたものの、自分の想像していた職場とは違った、このまま働き続けていても会社の中に自分の価値を見いだせないと感じる人は思い切って第二新卒で転職してしまうのも悪くありません。
第二新卒の面接では転職理由が大きなポイント
一つの企業でじっと我慢して働き、無事に一生を終える終身雇用制度は日本においても過去のものとなってきています。
とはいえ、ただ単に「今の仕事が嫌だから」「上司が嫌いだから」といって会社を辞めていると、結局はあちこちを転々としてまともな業績を一つも残せなくなってしまいます。
第二新卒の転職理由として採用担当者に評価されないもの、面接で言ってはいけないことをまとめてみましたので参考にしながら上手な就活プランを立ててください。
残業が多すぎる
前の職場の悪口は転職理由としてはNGとなっています。
「残業が多い」という理由で転職に踏み切る第二新卒の人は多いのですが、では具体的にどのぐらいの残業時間だったのですかと訊かれた時に「50時間」と答えたのでは採用担当者に「甘い」と思われてしまいます。
月に50時間といえば平均して毎日2時間の残業ということになりますが、リサーチ会社が調査したところによると20代の会社員の平均残業時間は50時間強です。
ですからその程度の残業時間を退職の理由にするのでは自分の会社に来てもまたすぐに辞めるだろうと判断されてしまいます。
過度の長時間労働によって過労と認定される残業時間は80〜100時間ですから、「残業が月に90時間あり、勤務を続けるのが困難だった」と説明しないと内定までこぎつけることができません。
相性の悪い上司がいた
企業というのはチームワークで仕事を達成していく場ですから、同僚や上司とは良い人間関係を築いていくことが大切です。
人間同士ですから職場には相性のいい人、ウマの合わない人などがいるはずですが、人間関係に煩わされたから会社を辞めたというのはかなりマイナスに見られます。
上司との相性が悪いにしても、それを乗り切れないということは別の会社に転職してもまた同様のことが起こる可能性が大きいと判断されてしまいます。
過度のパワハラやセクハラを受けた場合でもどのくらいの程度だったかを理解してもらうのは困難なことですから、人間関係が原因で退職したとしても就活では別の理由を用意しておく方が無難です。
給与・福利厚生の面で不満があった
退職理由として最も多いものの一つが「給与が安い」「福利厚生に不満がある」ですが、就活ではこの理由はできるだけ使わない方が採用されやすいことを覚えておきましょう。
給与が安いことは入社前からわかっていたはずですし、日本社会の風潮として「お金の事しか頭にない人」とネガティブに見られかねません。
第二新卒を採用する企業は「自社に仕事上の利益をもたらしてくれる人」を探しているわけであって、「会社からどんな利益を得られるか」ばかり考えている人は必要としていません。
採用してもらえれば会社のためにどのように貢献できるかについて熱心に語ることのできる人を企業は探しているのです。
自分のやりたい仕事ができない
自分のやりたい仕事ができないから辞めたというのも第二新卒の転職理由としては受け付けられません。
新卒というのは企業からすればよちよち歩きの赤ちゃんのようなものですから、よほど小規模の会社でもない限り入ってすぐに自分のやりたい職務に就けることはまずありません。
最初に数年間、然るべき教育を受けて少しずつ経験を積み、だんだんと要望通りの仕事ができるようになるのが普通なわけで、入社してすぐにいきなりやりがいのある仕事を任されないことに不満を感じるのは常識がないからだとみなされてしまいます。
本当に自分のやりたいことだけをやって生きていきたいのであれば独立起業するしかありません。
教育体制に不満がある
会社の教育体制に不満がある、研修の内容が充実していないという転職理由は会社をけなしていることにもなりますので、使ってしまうと採用担当官に好印象を与えられません。
この人は会社に貢献するためではなくて、会社から与えられるものだけに興味を持って入社したのだろうかと思われてしまいます。
企業に採用されたいからといって嘘の転職理由をでっち上げるのはよくありませんが、自分の価値を半減させるような独りよがりの身勝手な転職理由は避けておくことで上手に就活を進めることができます。
第二新卒で有利な就職をするための転職理由
では、どんな転職理由であれば採用担当者を納得できるのでしょうか。
基本的には会社側の都合でやむを得ず転職をしなければならない、あるいは採用時に提示された条件と明らかに違う環境で働くことを余儀なくされたといった、常識で判断しても正当に思われる理由がおすすめです。
倒産や買収など会社都合の理由
第二新卒の転職理由として問題がないのが会社都合の理由で辞めたというものです。
例えば新卒で入社した会社が倒産してしまった、または買収によって人事に大きな異動があり、入社した時の条件で働き続けられなくなったと言うのであれば採用側も問題なく受け入れてくれます。
長短期で退職した場合は自分の非を認めるのもあり
第二新卒というと一般的には新卒で働き始めてから3年程度で転職する人が多いのですが、中には働き始めて1年も経っていないのに会社を辞めてしまうケースもあります。
こんな場合には下手な言い訳を考えずに、「社会人としてやっていくことの厳しさに対する自覚が足りなかったと反省しています」という風に自分の非を認めてしまう方が採用担当者の共感を得ることができます。
最初の失敗を糧にして、第二のチャンスを得たいと思い求人に応募したという姿勢を理解してもらうことで道が開ける可能性があります。
自分の採用職種と違う職種に配属された
事務職の募集に応募して入社したのに、最初から営業部に回されて多大なノルマを押し付けられ、しかも今後も事務職に就ける可能性がないと見込まれた場合には転職をするのも当然の権利です。
単なるわがままで第二新卒として転職するのは本人のためにも採用する企業側にとってもよくありませんが、だからといって自分の要望を押し殺してまで他の企業に転職しようとしてもまた失敗してしまうことが目に見えています。
第二新卒の転職では最初に入った会社での失敗を繰り返さないことが大切ですから、自分のやりたいこと、できないことははっきりと採用担当者に伝え、合意が得られなければ他の会社を探すぐらいの心構えを持って就活に勤しみましょう。
第二新卒で好感を持たれる転職理由【例文】
残業が多すぎるという理由で転職を決意した場合
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1ヶ月の残業時間が80時間を超え、土日出勤なども多かったため、心身ともにリフレッシュして翌週の業務に臨もうという準備もままならない日が続いていました。
家に戻ってから仕事の反省点をチェックしたり、より良い仕事ができるように業界の研究をしたりする時間も取れず、効率的に仕事を行うことができないという悪循環に陥ってしまっていました。
平均的な残業時間の職場であれば仕事にメリハリもつきますし、顧客獲得のための勉強などにももっと時間を費やせるのでより良い仕事ができると思い、転職を決意しました。
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残業が多いためにより良い仕事をするための勉強時間を作れない、つまり残業の少ない会社に転職すれば、もっと研究に勤しんで企業の役に立てるというポジティブな姿勢を伝えることが大切です。
社風が合わないというわけで転職を決意した場合
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前職の企業は社員が働きやすい職場づくりを最優先にしており、せっかく売上拡大のための新しい提案をしても受け入れてもらえない、聞いてもらえない雰囲気でした。
御社では新規事業で目覚ましい活躍をされており、新しいサービス等も積極的に導入されていることを知り、ここなら微力ながら自分も力を発揮してお役に立てるのではないかと思い、応募させていただきました。
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社風が合わないという理由であっても、「自分はもっと企業に貢献したかったのに、それができない雰囲気があった」というように前向きに説明できれば立派な転職理由になります。
企業の社風を非難するような言葉は使わないようにすることがポイントです。
まとめ
第二新卒での転職にあたっては新卒時の就活よりも慎重に行うことが大切です。
第二新卒の転職の理由なかなかまとめられないという場合には、転職エージェントのキャリアコンサルタントに相談するのも悪くないアイディアです。
キャリアコンサルタントは企業がどのような人材を必要としているのかを熟知していますし、客観的なものの見方ができますから、転職理由が独りよがりにならないように適切なアドバイスをしてくれます。
ほとんどの転職エージェントは無料で登録することができ、就職相談や履歴書の書き方なども無料でサポートを行っていますから、無駄なく活用してより良い転職ができるようにしたいものです。