日本には昔から謙遜の美徳というものがあり、自己PR をするのはなんとなく恥ずかしいという風潮がありますが、第二新卒で転職に成功するためには上手な自己PR をすることも大切です。
就職を希望する企業の面接官というのは自分の長所も短所もまるきりわからないわけですから、その会社で働きたいという意欲を見せるためには自己 PR をして会社にとって自分がメリットになるということをわかってもらわなければなりません。
第二新卒で有名企業に転職したいと考えているのなら、特に自己PR 術を磨いて書類審査や面接に臨むことが重要です。
どんな風に自己PR したら転職で有利なのか、どんなところにポイントを絞ればいいのかを順を追ってみてきましょう。
第二新卒で要求される自己PR
人間の長所というのはいろいろありますが、第二新卒で上手に転職したいと考えている場合に重要になる長所と日常生活で評価される長所とはかなり違いがあるものです。
例えば「お年寄りや子供に親切」という長所は日常生活では大切ですが、第二新卒の就活の際に特に重視される長所というわけではありません。
第二新卒で転職するということは新卒で就職した会社での体験を活かしながら失敗のない就職をしたいということですから、「自分がいかにその企業に役に立つか」「どんな形で企業に貢献できるか」を強調した自己PRが必要になってくるわけです。
第二新卒の就職活動においては様々な時点で自己PRをしなければなりませんが、ここではどんな場合に自己PRが必要なのかを見ていきたいと思います。
書類審査での自己PR
まず、第二新卒で就職を成功させるためには希望する企業に履歴書と職務経歴書を送って書類審査に合格しなければなりません。
職務経歴書には自己PRを書く欄がありますので、この欄に記入する妻のポイントをしっかり押さえておかないと書類審査にも通りにくくなってきます。
第二新卒の人は在学中に就職活動をしただけですから職務経歴書の書き方にはあまり慣れてないはずですが、職務経歴書のテンプレートなどを参考にしてできるだけ自分の言葉で書くようにすることをおすすめします。
どうしても自己PRがうまくできない、職務経歴書の書き方がよくわからないという人は転職エージェントに登録してみるのもひとつの案です。
転職エージェントというのは第二新卒や中途採用者がうまく転職できるようにサポートしてくれるプロの集団で、求人を紹介してくれるだけではなくて職務経歴書の書き方を指導してくれたり、添削などもしてくれたりします。
転職エージェントに在籍するキャリアアドバイザーはどういう企業にはどういう職務経歴書が向いているかなどのノウハウも熟知していますから、サポートを受けながら職務経歴書の自己PR欄を作成すれば失敗がありません。
面接での自己PR
職務経歴書と履歴書を提出して書類審査に通った場合にはいよいよ面接に進むことになりますが、面接の場でも自己PRが要求されますので、文章でまとめるだけではなくて口頭でも自己PRがきちんとできるように練習しておくことが大切です。
口頭での自己PRは職務経歴書に記入した内容と同じでかまわないので、面接官に質問された時のことを想定して職務経歴書に書いた内容を口頭で説明できるようにしておけば万全です。
志望就職先がたくさんあって企業ごとに自己PRの内容が少しずつ違う場合などは、面接の日にその企業に提出した職務経歴書を持参しておくと戸惑いません。
面接官は職務経歴書を参考にしながら質問をしてくるわけですから、自己PR欄に記入した内容と違わないような回答をすることが大切です。
思い違いや混乱を避けるためには各企業毎に提出した職務経歴書をコピーして面接前に自己PR欄を確認しておくのが一番です。
第二新卒の自己PRの書き方
第二新卒の自己PRを作成するにあたっては、企業が自分に何を求めているのかを把握しておくことも大切です。
どんな点に留意すれば企業が受け入れてくれやすいのかをまとめてみましたので、それを参考にして自己PRをまとめてみるといいでしょう。
しっかりと腰を据えて働く意思があることを表明する
第二新卒というのは大学や高校・専門学校を卒業してすぐに新卒として就職したにもかかわらず、3年以内でその職場を辞めて転職しようとしている人のことをいいます。
つまり新卒で就職したのにわずか3年働いただけで辞めてしまうわけなので、企業としては第二新卒のことを「一箇所で長い間働き続ける辛抱がない」「困難があってもそれを乗り越えて仕事を続ける意思がない」とネガティブにみなす傾向がないわけではありません。
たとえ書類審査で通ったとしても、面接では「この人はうちの会社に就職しても2〜3年で辞めてしまうのではないか」という目で見られますから、しっかりと腰を据えて働く意思があることを表明することが重要な自己PRとなってきます。
自己PRでは自分の長所をアピールすると同時に短所をポジティブに言い換える必要があります。
ですから自分の長所だけを羅列するのもいいのですが、「なぜ第二新卒で転職したいか」という質問に対してもきちんと答えられる準備をしていくことが転職の成功につながります。
基本的なビジネスマナーを身につけている
第二新卒の強みは何といっても基本的なビジネスマナーを身につけていることにあります。
新卒を採用するとなると多額のコストをかけて一から社員研修を行わなければなりませんが、第二新卒の場合には前の会社で研修を済ませてきていますのでコストを大幅に削減できるというメリットがあります。
大企業が新卒社員の教育にかけるお金は1,000万円とも言われていますが、第二新卒を採用すれば社員研修のコストも500万円で済むので、一人あたりなんと500万円の節約になるわけです。
基本的なビジネスマナーには電話の応対や名刺交換、書類の作成などがありますが、「書類の作成が速くしかも正確であるということで上司からも評価されました」などと自己PR欄に書いておけばより好印象を持たれる可能性が大です。
やる気があることを強調する
第二新卒といえば大学卒業としても25歳が上限ですから、まだまだ若さを売り物にできる年代です。
企業側としても第二新卒に熟練した経験やスキルを望んでいるわけではないので、自分にはやる気があってどうしても応募先の企業に入社したいのだという熱意と意気込みを見せることも大切な自己PRの一つです。
重要なポイントとしては「なぜ他の会社ではなくて自社に入社したいのか」という点に面接官がこだわっていることです。
ですから希望する会社の基本的な事業内容などは研究した上で自己PR案を練らなければなりません。
ただ単に「熱意と意気込みでは誰にも負けません」と言っても説得力がないので、具体的に入社できた暁にはどういった仕事をしていきたいか、会社でどんな役割を果たすようになりたいかという意気込みを説明できれば面接官も納得するはずです。
明確なキャリアプランを示すことも自己PRの一つ
企業というのは長いスパンで動いているものですから、入社してくる第二新卒にも明確なキャリアプランを求めています。
現在の職場よりもお給料が良いからといったような目先のことだけで転職する人だと見抜かれてしまうといくら自己PRをしてもあまり真剣に受け取ってもらいません。
ですから入社してすぐはどんなことをしたいのかを明確にすると同時に5年後にはどんな働き方をしたいのか、さらに10年後・20年後にはどんなキャリアプランを積んだ自分になりたいのかといった長期的な視野思っているということをPRすることも合格への大きなカギとなります。
現在どんな勉強しているかを伝えるのも自己PRの一つ
就職を希望している企業と関連性のある資格を取得する勉強している場合にはこれも明記しておけば立派な自己PRになります。
例えば外資系の企業に就職したいと思っている第二新卒の場合には「現在、国連英検の資格試験を取るために勉強中です」と言えばそれだけで自己PRができます。
第二新卒の自己PRでNGなポイント
第二新卒の自己PRでやってはいけないポイントというのもいくつかありますから、注意しながら転職活動を進めましょう。
転職先に自分が成長できる環境を求めている
第二新卒で転職する人の中には野心的な人も多いのですが、就職先が自分を成長させてくれる場所だと思い込んで「どんなことでも積極的に学ぶ意思があります」と自己PRしてしまうのも考えものです。
これではスキルを得るために転職をしたいのかと思われてしまうので注意しましょう。
表現に気をつけたい自己PRの例
自己PRとしてあまりおすすめできない例文を紹介しますので、NGなポイントに気をつけながら自己PR文を作成していくことをおすすめします。
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「銀行のフロントセールスとして3年間勤務して参りましたが、厳しい上司と先輩のご指導のもとでさまざまな工夫を行ってきました。
子供の頃から粘り強く、何事にも一生懸命に打ち込む性格です。
御社の事業に関しましては右も左もわからない状態ですが、一日でも早く戦力になりたいと考えております。」
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「さまざまな工夫」という表現は抽象的で、具体的に何をしたのかがわかりませんし、「右も左も分からない」というのも第二新卒としては頼りない印象を与えてしまいます。
まとめ
内気な人にとって自己PRというのはなかなか難しいものですが、企業というのは様々な価値観を持った人の集まりですから、自分がどういう人間であるか、どんな形で会社に貢献できるかを言葉で表現できないようでは雇用側としてもなかなか採用に踏み切ってくれません。
第二新卒といえばまだまだ社会人としてのスタートを切ったばかりなわけですから、フレッシュな意気込みを自分の長所として最大限にPRしていくことが転職に成功するためのポイントとなります。