今すぐにでもアルバイトを辞めたいとお考えの皆さん、「無断欠勤してそのままやめてしまおう」なんて考えてはいませんよね?
アルバイトとはいえ仕事は仕事です。したがってそれなりの責任も伴います。
もしも無断欠勤してバックレてしまえば最悪の場合あなたは損害賠償請求をされてしまいかねません。
そうならないためには適切な方法でバイトを辞める必要があります。本来は早い段階での申し出がマナーですが、今回はどうしても即日バイトを辞めたいという方へ向けて適切な方法をいくつかご紹介します。
そもそもバイトを即日辞めることは可能なのか
ここではおもに法律面からバイトを辞めることが可能なのかという点について見ていきましょう。
合意の上ならバイトを即日辞めることは可能
アルバイトに限らず働く人に適応される法律は「労働基準法」と「民法」からなります。そして結論から言うと、契約期間中であろうがなかろうが双方の合意の下でなら即日退職は可能です。
ただし、バイト先の会社側が「申し出は1か月以上前にしなければならない」などの規則を設けている場合もあるのでトラブルを防ぐためにも、退職を決めた段階で相談するようにしましょう。
法律と会社の規則であれば優先されるのは法律です。しかし、会社の規則が設けられているということはそれに背くと会社側になんらかの損失が出てしまう可能性があるということ。
もしあなたが辞めたことでバイト先に業務上の損失がでた場合には損害賠償請求をされる恐れもあるので注意してください。
しかし、雇用期間が定められていない場合であれば退職の2週間以上前の申し出により退職することが認められているので、2週間以上前に申し出をした場合であれば気にしなくても大丈夫です。
一方で、雇用期間が明確に定められている場合は原則としてその期間内は働く必要があるので、合意が得られなければ即日退職は難しいでしょう。
法律上はバイトを辞める意思表示は2週間以上前に言うべき
先ほど触れたように、雇用期間が特に定められていない場合、法律ではバイトを辞める意思は退職の2週間前に申し出るように定められています。
実際の条文は以下の通りです。
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」(民法627条)
また雇用期間が定められている場合の規定は以下の通りです。
「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。」(民法627 条)
この「やむを得ない事由」は法律では明記されていませんが、産休や育休、健康上の問題などが相手をすると考えられます。
法律上は2週間前に言えば OK ですが、一般常識的に言うと2週間前はやや遅い印象です。少なくとも1か月以上は前に申し出るのが最も良いタイミングでしょう。
あなたはやめた分の穴は誰かが埋める必要があるので、新たな人材を雇ったり育てたりする時間が必要です。したがって、なるべく余裕を持って早めに相談することでバイト先にかける負担を最小限に抑えることができます。
即日退職をしたい理由はさまざまだと思いますが、まずは早めにバイト先に相談することをお勧めします。
バイトを即日辞めることが法律で認められている場合も
一方でバイト即日辞めることが労働基準法で認められているケースもあります。それは労働条件がはじめに聞いていた内容と実際の内容で異なる場合です。
具体的には「希望していた労働時間より長く働かなければならないと言われた」「契約内容に書いてあった時給よりも低く設定された」おいた場合が挙げられます。
これらのバイト先は今後無理して働き続けたとしても、あなたにメリットは何もありません。 あなたの希望する条件にあった別のバイト先に早めに出会うためにも、即日退職をきりだしましょう。
このようなケースでは例外的に即日の退職が認められているので恐れることなく退職の意思を伝えても大丈夫です。
バイトを即日辞める際は誰にいつ伝えればいい?
では実際に即日退職を決めたら誰にいつどのように伝えるべきなのでしょうか。
バイトを辞める意思は即日責任者に伝える
まず退職の意思はバイト先の責任者に伝えるようにしてください。スーパーや飲食店であれば店長に、企業であればあなたの直属の上司にきりだしましょう。
もしも責任者以外に先に伝えてしまって噂が広まれば「〇〇さん、やめるって本当?」と反対に切り出されてしまう可能性があるからです。
もしどうしてもバイト仲間や親しい先輩に相談したい時にはしっかり口止めをしておくことをお忘れなく。
また切り出すタイミングは早ければ早いほど望ましいです。悩めば悩むほどきりだしづらくなる一方なので、バイトを辞める意思が固まった段階で思い切って伝えるようにしましょう。
バイトを辞める意思は直接伝える
続いては退職の意思をどのように伝えるかについてです。最も望ましいのはバイトの責任者に「直接会って会える」という方法です。
電話やメール LINE などでは、相手の表情を読み取ることができないため、あなたの意思は伝わりづらいですし、場合によっては不誠実にとらえられてしまうかもしれません。
また、制服の返却や必要書類の提出などでバイト先に訪れなければならない可能性はバイトを辞めた後でも十分にありますので、特別な事情がない限りは直接会うことをお勧めします。
ちなみにこの特別な事情というのは、健康上の問題があってバイト先に直接訪れることができない場合や、バイト先がブラックでプレッシャーをかけられるといった場合です。
このような場合は電話やメールでのやり取りでも構いません。また退職届を提出したり親や退職代行のサービス業者に代行してもらったりすることも可能です。
しかしながら電話やメール LINE などを使うべき状況もあります。それはバイト先の責任者が忙しくなかなか時間を取ることができない場合です。
そんな時には予め電話やメールでアポイントメントを取るために、簡単な要件(バイトを辞めるということ)と自分が都合のつく日時などを伝えましょう。
そうすれば相手側の都合のよい時に相談することが可能なので、落ち着いて話し合いをすることができます。
バイトを即日辞める理由は何て言えばいい?
「バイトを辞めたい」を言ってもその理由は人によってさまざまです。ここでは即日バイトを辞める理由として適切な例をご紹介します。
バイトを即日辞める時の理由は明確に
まず、バイトを辞める理由を伝える時はその理由を明確にしておくほうがスムーズに事が運ぶことが多いです。
法律上、その理由を伝える義務はないのですが相手が納得しないままこちらの要求を押し付けてやめるというのは、やはりトラブルの原因になりますので、相手が納得するような理由をはっきりと伝えることが大切です。
もしもここを曖昧にしてしまうと余計な詮索をされたり引き止められたりする可能性が高くなるので、相手にバイトをやめることを伝える前に理由は明確にしておきましょう。
良い例①家庭の事情
まず良い例として挙げたいのが家庭の事情による退職です。
「親の介護が必要になった」「実家の家業を手伝わなければならない」といった家庭の事情であれば、第三者の介入は難しく余計な詮索もされづらいです。
ただし、家庭の事情を理由にする時には嘘をつかずに本当のことを伝える必要があります。後につじつまを合わせるのは大変ですし、もしばれてしまえばお互いに気まずい思いをすることになりかねません。
良い例②学業・部活などの事情
続いて良い理由として挙げられるのは「学業に専念したい」「部活で全国を目指したい」といった学業・部活などの事情です。
これらは未来に向かって成長を続けたいという前向きな気持ちの表れなので、バイト先の人たちからも応援される可能性が高いです。
また大学生であれば「卒業論文に集中したい」「就活に専念したい」などの理由も良いでしょう。
職場に対する不満を理由にするのは避けるべき
バイトを辞める際に述べる理由として NG なのは、「 時給が安い」「仕事がきつい」「人間関係が嫌になった」といったネガティブな理由です。
このような理由は双方良い気はしないですよね。改善の意味でこれらを提案する場合は必ず前向きな理由を述べたうえで、それに付け加える形で伝えるようにしましょう。
入ったばかりでバイトを即日辞めたい場合はお早めに
基本的にはバイトの即日退職は歓迎されませんが、逆に早めに言った方が助かるというバイト先もあります。
それは新人教育に時間がかかるような職種でよく見られます。新人教育は時間も労力もかかるのでこの段階ではお店にとってはマイナスで、一人で仕事ができるようになって初めてプラスとなりバイト先に貢献できるようになります。
そのようなバイト先で最も痛いのは、仕事を覚えたてで辞められてしまうこと。最近は特に飲食店における人員不足は顕著になっており、人一人集めるにも広告を出し募集をかける時間が必要です。
したがって、まだあなたが仕事を覚える前の段階であるならば、バイト先に余計な負担をかける前に辞めるのも一つの方法でしょう。
まとめ
今回はバイト即日辞めるにはどうすれば良いかについてお話ししました。
バイト即日辞めるのがありかなしかというのは正直バイト先によって異なるので一概に言うことはできません。
何はともあれバイト先の責任者にすぐにでも相談してみてください。そうすれば何らかの指示を与えてくれることでしょう。
もしもその際にトラブルが起こりそうなことがあれば、労働局や弁護士に相談したり退職届を郵送したりするなど直接会わなくて済む方法もありますので、様々な手段を検討することをおすすめします。