バイトを辞めたいとお考えの高校生の皆さん、バイトを辞める際に伝える理由についてお困りではありませんか?
バイトを辞めると言ってもその理由はさまざまですよね。今回はそんな多くの理由の中からどのような理由を伝えるのが最適なのか、また、その伝え方についてご紹介します。
高校生がバイトを辞める理由を伝えるタイミングや手段は?
まずは高校生がバイトを辞める理由を伝える方法を「誰に」「いつ」「どのように」という観点から見ていきたいと思います。
また、ここで述べる内容は高校生に限らずバイトを辞めたいとお考えの全ての人に通ずる考え方ですのでぜひ参考にしてみてください。
誰にバイトを辞めることを伝えるべき?
まずは「誰に」バイトを辞める旨を伝えるべきかということを押さえておきましょう。もちろん最終的にはバイト先の全員に伝わることになりますが、一番初めに伝えるべき人はあなたのバイト先の責任者です。
あなたが飲食店やスーパーで働いているのであればそのお店の店長に、一般の企業でアルバイトをしているのであればあなたの直属の上司にあたる人に伝えるようにしてください。
なぜ一番初めに身近なバイト仲間や先輩に報告してはいけないのでしょうか。それはあなたがバイトを辞めることが噂として広まってしまった場合、第三者を介してあなたのバイト先の店長や上司の耳に入る可能性があるからです。
あなたの口からではなく相手側から「〇〇さん、バイト辞めるって聞いたけど本当?」などと聞かれるのは言うまでもなく良い伝え方とは言えないですよね。むしろ相手にしてみれば不誠実に捉えられてしまうかもしれません。
したがって退職の旨をバイト先の人に伝えるときにはまずは責任者の耳に入れることをお忘れなく。
どのタイミングでバイトを辞めることを伝えるべき?
続いては「いつ」バイトを辞めることを切り出すべきなのか、そのタイミングについてお話しします。
結論から言うと、一般的な社会常識を考慮した場合、退職予定日の1か月以上前には申し出るのがベストです。
もちろんバイト先によって状況はさまざまですが、あなたが辞めるにあたり、あなたが担っていた分の仕事は他の誰かがやらなければならないことに変わりはありません。
そんなとき、人員不足のバイト先だと新たに広告を出して働いてくれる人を募集する必要があります。また、人員が足りているところであっても、他の誰かがあなたの穴を埋めるべくシフトや業務内容の変更をしなければならないでしょう。
もし新たに人を雇った場合は、その新人の教育する時間と労力も必要なので余計にバイト先の負担は増えることになります。
したがって、それらの時間を確保するという意味でもバイト先に迷惑をかけないように、なるべく早い段階での申告を心がけましょう。
ちなみに法律上の規定ではどのようになっているかというと、雇用期間が特に定められていない場合は民法第627条に以下のように定められています。
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」
つまり、法律上は退職予定日の2週間以上前に申し出ればOKということですね。
もし2週間を切ってしまっている場合であってもあなたとバイト先の会社の双方の合意さえあれば退職は可能ですので、どうしてもすぐに辞めたい場合はバイト先の責任者に相談してみましょう。
また、雇用期間が定められていない場合はどのようになっているかというと、同じく民法第627条に以下のように定められています。
「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。」
雇用期間が定められている場合は定められていない場合に比べるとやや厳しめで、原則としてはその期間内は働かなければなりません。
ですが、上記にもあるようにやむを得ない事情(産休や育休、健康上の問題などが考えられる)がある場合は即日辞めることが認められています。
しかしどちらにせよ途中退職の場合はあなたが辞めたことでバイト先の業務に支障をきたしたと判断されれば損害賠償請求をされる恐れもあるので、できる限りは期間終了まで働くようにしましょう。
なお、雇用期間が定められていても双方の合意があればそのような心配はなく退職することが可能ですので、トラブルを防ぐためにも事前の話し合いが重要です。
バイトを辞めることを伝える手段は?
続いて、バイトを「どのように」辞めればよいか、つまりバイトを辞める旨を伝える手段についてご紹介します。
バイトを辞める手段と一口に言っても、その方法はさまざま。具体的には「直接会って伝える」「電話で伝える」「LINEやメールなどの文面を介して伝える」「退職届を郵送する」といった方法が挙げられます。
結論から言うと、この中で最も適切な手段は「直接会って伝えること」です。
直接会うという手段をとることのメリットは多く、たとえば「誠意が伝わる」「表情や声のトーンで気持ちを伝えることができる」「不安な点や疑問点はその場で解消できる」「誤解が生じにくい」といったものがあります。
一方で電話やメール・LINEといった間接的な手段をとってしまうとそれらのメリットを得ることは難しいでしょう。
特にメールやLINEはすばやいレスポンスができない場合もあり、声のトーンも伝わらないためトラブルに繋がりやすくなってしまいます。
しかし特にバイト先の責任者は忙しいため、仕事終わりに切り出しても直接話し合う時間を設けることが難しいというケースもあるかと思います。そのような場合はあらかじめ電話やメールなどで相談日時を決めておくと良いでしょう。
また、これらのほかにも退職届を郵送するといった手段もありますが、この手段はバイト先がブラックでなかなか辞めさせてもらえなかったり、精神的・肉体的に問題があって直接会うことが難しい場合などに限り、最終手段として使うようにしてください。
このような特別な場合は親や弁護士といった第三者の介入なども有効ですので、自分の状況に合わせて最適な手段を選びましょう。
バイトを辞める理由を伝える時の注意点は?
バイトを辞める理由を伝える際に注意しておきたいのは、退職理由をあらかじめ明確にしておくということです。
もしも退職理由を言わなかったりごまかして曖昧にしてしまうと、かえって根掘り葉掘り聞かれてしまったり、引き止められやすくなってしまったりといった問題が生じることがあります。
また、相手が納得していない状態だと余計なトラブルも生みやすく、円満退職からは遠ざかってしまいかねませんので、スムーズに自分の希望通り退職するためにも理由をはっきりさせておきましょう。
もしも辞めると伝えただけでアルバイト先から不当な損害賠償請求されたときには、 労働基準法16条によりアルバイトを辞めた人に対しての損害賠償請求を盛り込む行為は禁止されているので、その支払い義務はありません。
したがって、何かしら不安なことがある場合は必ず公的機関に相談するようにしてください。無料で相談できるところもあるので安心して利用することができます。
高校生におすすめのバイトを辞める理由
高校生がバイトを辞める際に最もおすすめしたい理由が「学業に専念したいから」という理由です。
これは高校生にとって将来を見据えたまっとうな退職理由だと捉えられやすく、むしろ応援してもらえることもあります。
また、「部活に専念したいから」「生徒会の活動を本格化させたいから」といった理由も高校生らしいポジティブな理由であるため受け入れられやすいでしょう。
一方で「給料が低い」「仕事がキツイ」「拘束時間が長い」「リーダーの〇〇さんが苦手」といったバイト先にとってネガティブな理由はおすすめしません。
だれだって自分たちを批判されたらいい気はしないですよね。あなたが円満に退職したいのであれば、これらのネガティブな理由は隠してポジティブな理由のみを相手に伝えるようにしましょう。
さらに、家庭の事情や金銭的な事情などデリケートな問題を理由にすれば第三者の介入は難しくなるのでおすすめです。
身近な人から紹介されたバイトを辞める際には特に気を付けよう
高校生であれば特に親や親戚、学校からの紹介などでバイトを始める人も多いのではないでしょうか。
このような紹介によって入ったバイト先だと顔見知りがいてなじみやすかったり優遇してもらえやすかったりといったメリットもたくさんあります。
しかし一方でバイトを辞める際には、もしあなたが無断欠勤してそのままバックレるといった不誠実な辞め方をした場合、あなたのことをバイト先に紹介した親や学校の信用問題に関わります。
親しくしてもらった人にバイトを辞めることを言い出しづらい気持ちはあると思いますが、周りへの影響なども配慮した適切な行動を心がけるようにしましょう。
まとめ
今回は高校生がバイトを辞める場合の理由や手段についてご紹介しました。いかがだったでしょうか。
高校生であっても仕事をする以上その立場や責任は同じくアルバイトとして働いている大学生や大人とかわりません。
バイトを辞める際はけっして「高校生だから許される」という身勝手な思い込みで行動するようなことなせず、会社を支える一従業員として常識のある行動をするようにしましょう。