うつ病を患えば、仕事は辞めるべきなのかとても迷うところですよね。いくら精神的につらいとはいえ、いきなり仕事を辞めるといった決断はなかなかしづらいもの。そのまま収入が途絶えて路頭に迷ってしまうかもしれない不安もありますし、そもそも家族がいる人にとっては責任もあるため簡単に辞めるという選択肢は取れないものです。
うつ病で仕事がつらいときは、退職する以外には休職するという方法があります。いずれは仕事をしなければ生活していけませんし、今後のことを考えるなら、仕事を辞めるのではなく休職することも選択肢の一つとして考えておきたいところです。
そこで今回は、うつ病で仕事がつらいときは仕事を辞めるべきなのかという点を踏まえながら、今後考えたいことや取るべき行動を解説していきたいと思います。
うつ病になったら仕事は辞めるべきか
うつ病になれば、多くの人が仕事をつらいと感じるようになるものです。不眠気味になって仕事に集中できなかったり、人とコミュニケーションを取ることが嫌になったり、満員電車で過剰なストレスを抱くようになったり……そんな状態になれば、仕事を続けていくことはかえって体に毒にもなります。
では、うつ病になった場合は、仕事は思い切って辞めるべきなのでしょうか。取るべき行動・選択肢から見ていきましょう。
選択肢①仕事を辞める
一つ目の選択肢としては、仕事を辞めることが挙げられます。実際、うつ病を発症したことで、仕事を辞めてしまう人はたくさんいます。うつ病の症状が見られれば、不眠による集中力の低下、対人関係に対するストレスなどに悩まされるようになり、仕事を続けていくことがやはり難しくなっていきます。
うつになったからと言って、もちろん仕事を辞めなければならないわけではありませんが、自分自身で辞めるという選択をしてしまうほど、うつ病をつらいと感じている人は多いということです。うつ病になれば、特に仕事には影響が出やすいものです。
どうしてもうつの症状がつらい、仕事にも行きたくない、しばらく働ける気がしない…という
選択肢②仕事を休職する
次に選択肢の一つとして挙げられるのは、仕事を休職することです。辞めるとまではいかないにしても、正直しばらく休みを取りたい……という心理になる人は多いでしょう。うつ病と闘いながら仕事を頑張ることは簡単ではありません。だからこそ、一度しっかり休んで、心身のバランスを整えてから復帰したいという人は多いはずです。
仕事を休職すれば、いったんは休みという形で扱われるため、職を失うという形にはなりません。これは社会人としてとても安心できるポイントになります。正直仕事はつらいけれど、さすがに辞めるのは不安要素が多すぎて厳しい……というときは、いったん休職することも考えることができるものです。
選択肢③経過を見ながら仕事を続ける
仕事を休職すれば確かに休息は取れますが、やはり収入が減少してしまうといったデメリットはつきものです。
そのためうつ病に悩む人でも、経過を見ながら頑張って仕事を続けていく人もたくさんいます。実際、うつ病と一口に言っても、症状の重さは人によって全然違います。普段は基本的に問題なく、たまに不眠やストレスに悩まされることがある、という人もいるでしょう。そういったタイプの人は休職は特にせず、本当に体調を崩した時は1日仕事を休むことなどを考えながら、仕事を続けていくものです。
なんとかまだやれそう…と無理していない範囲で思えるなら、慎重に経過を見つつ仕事は続けていきたいところです。
うつ病で仕事を辞めるときに考えたいこと
うつの症状に悩み、仕事を辞める選択をする人はたくさんいます。うつ病で悩まされ、仕事を辞めるべきか悩んだときはどうすれば良いのでしょうか。考えたいこと、取るべき行動を解説していきたいと思います。
どれくらい今の仕事が嫌かどうかを考える
まずは、どれくらい今の仕事が自分にとって続けるのが困難なのかを考えてみましょう。
毎日仕事に行こうとするだけで吐き気がする、上司や先輩の顔を見たくないなど、仕事の業務内容や人間関係で嫌な印象がとにかくたくさんあるなら、自分にとって仕事はかなりつらいものの状態になっている可能性が高いです。
多少生活に困ったとしても辞めたい、辞める方が全然マシ…と思えるなら、確かに辞めた方が自分自身の精神安定につながるのかもしれません。
まずは自分だけで悩むのではなく上司に相談する
うつの症状に悩み、仕事を続けるべきか辞めるべきか困ったときは、まず自分だけで悩むのは避けたいところです。上司に相談し、何がつらいのか、解決策はあるかどうかも含めてたくさん話を聞いてもらいましょう。
そのうえで上司もまずいと判断すれば、退職や休職を勧めてくれるかもしれません。もしくは、自分自身は仕事をできれば続けていきたいと思っているのなら、今のまま仕事を続けていくための対策を考えてくれる可能性もあります。
うつ病になったら仕事は辞めるべき?それとも休職?
うつ病になったときは、必ず仕事を辞めなければいけないわけではありません。中には辞める人もいますが、辞めることを決断するのは正直勇気が要ります。辞めたことで、さらに心理的に余裕がなくなって追い詰められてしまう人も多いでしょう。
辞めるべきかどうか迷ったときは、休職する選択肢についても柔軟に検討したいところです。
休職すれば仕事は辞めないで済む
休職なら、今すぐ退職という形にはなりません。いったん休みを取る形になるため、会社に所属した状態で長期的に休むことができます。
うつ病で仕事がつらいと思えば、確かに「辞めるべきかも」といった思考回路になるものです。ですが仕事から距離を置くという意味でいえば、休職することも十分選択肢の中に入るはずです。できることなら仕事は続けたい、辞めるのは怖いからなんとかしたい…と思っている人もたくさんいるでしょうし、そんな人にとっても休職は非常に有効な手段になります。
しばらく休職という形になれば、休職中は普通に仕事に向かう必要がなくなります。普段の休みと同じなので、家でゆっくり休養を取ることができます。その結果うつ病の症状が改善すれば、その後はすんなり復職できる可能性もあります。
いったん休職で様子を見るなら心理的負担も少ない
いったん休職をして様子を見るなら、自分にとって心理的負担は少ないはずです。
仕事を辞めれば、仕事のストレスからは解放されてとても気持ちは楽になるかもしれません。ですが辞めた後は、さらに別の悩みやストレスと闘っていかなければいけなくなります。今後仕事はどうするのか、もし無収入状態になってお金に困ったらどうすれば良いのかなど、心理的に余裕がなくなる原因はたくさんあります。
ですが休職という形を取れば、仕事に困ったらどうしようといったストレスはひとまずなくなります。症状が改善すれば安心して仕事に戻ることがきるため、心理的負担が減るのは間違いないでしょう。
うつ病で仕事を辞めるときは今後どうするべきか
では、うつ病で仕事を辞めるときは、今後どのような行動を取っていくべきなのでしょうか。取るべき行動や大事なポイントを解説していきたいと思います。
まずは心身を休めることを心がける
まずは心身を休めることを心がけていきましょう。辞めてすぐに転職活動をすることも大事ですが、うつ病が原因で仕事を辞めるという選択をしたのですから、無理は禁物です。
疲れている心と体を休めるため、まずは何も気にせずたくさん睡眠を取って、ストレスをとことん減らしていくことが大切です。太陽の光を浴びて気持ちをリラックスさせながら、調子の良いときは散歩をするなどの心がけも大事にしつつ、リフレッシュの時間をたくさん取っていきましょう。今まで気持ち的に余裕がなかったからこそ取れていなかった、趣味の時間をたくさん取るようにすることも大事です。
働く意欲がわいてきたら医師とも相談しつつ社会復帰を目指す
働く意欲がわいてきたら、医師とも相談しつつ、自分のペースで社会復帰を目指していきたいところです。
はっきり言って最初はいきなりフルタイムで働くことは厳しい場合もあります。働きたい意欲はあっても、ストレスに負けてしまい心がついていかない……といった状況に悩んでしまうということです。
そのため働く意欲が戻ってきたときは、最初は短時間からでも働けるアルバイトから始めるのも大事な手段です。少しずつ働く感覚を戻していくことで、ストレスに負けない心ができあがってくるものです。焦らないことをぜひ心がけていきましょう。
うつ病で利用できる各種公的支援も知っておこう
うつ病になったときは、仕事を辞めることでいろいろな不便が生じるものです。公的支援などの役立ちサービスについては、積極的に理解を深めておきたいですね。いざというときに利用できると、とても役立ちます。
例えば有名なものだと、「自立支援医療」という公的支援があります。自立支援医療では、精神疾患を抱える人は医療費が3割負担から1割負担になるなどの支援が受けられます。もちろん条件はさまざまありますが、医療費がかさんで困っているときにはとてもありがたい制度です。各自治体の役所などで、利用の申請をすることができます。
その他には、生活が困窮している世帯を支援する生活保護や、病気やケガで退職した人が受け取れる傷病手当金(休職中でも傷病手当金は受け取れます)などが挙げられます。こういった支援サービスは、積極的に利用するようにしたいところです。
まとめ
うつ病になれば、仕事を辞めるべきかどうかは悩むところです。仕事を辞めれば収入が途絶えてしまいますし、その後の再就職の心配もあります。結果として、辞めたことで心配事を増やすだけになってしまったということも正直あり得るでしょう。
仕事を辞めるべきか悩んだときは、今のまま頑張って仕事を続けること、もしくはしばらく休職することなども含めて考えていきたいところです。ただいずれにしても無理は禁物なので、自分にとって負担にならない選択をぜひするようにしてくださいね。