パートを辞める時には、いくつか確認しておくべきポイントがあります。辞める寸前、もしくは辞めた後に「〇〇しておけばよかった」と後悔することは、実際に多々あるものです。また、そのせいでトラブルになることも中にはあるため、確認は徹底しておきたいところ。
そこで今回は、パートを辞める時に確認すべきことを解説しながら、万が一パートを辞める時に引き止められた場合はどうすれば良いのか、整理していきたいと思います。
パートを辞める時に確認したいこと
パートを辞める時には、以下のようなことに注意することが大切になります。トラブルや後悔を少なくできるよう、確認すべきことは事前に理解しておきましょう。
借りているものはすべて返したか
パートを辞める時は、当然ながら借りていたものは全て返すかたちになります。パートで使っていたものをそのまま自分の私物にできてしまうパターンも中にはありますが、基本的には全て返すことになるため、貸与物のチェックは忘れないようにしましょう。
特に制服類は、洗濯して返却する必要がある場合が多いです。家の洗濯機で洗う程度でいいのか、それともクリーニングに出した方がいいのかは、パートを辞める時によく確認しておきましょう。
有給休暇はすべて消化したか
人によっては、有給休暇が消化しきれておらず、そのままパートを辞めてしまうと非常に損をしてしまう可能性があります。
有給休暇と言うと正社員が取得できるイメージが強いですが、実は働き方次第では、パートやアルバイトでも有給休暇を取得することは可能です。有給休暇を取れるのにも関わらず、知らずにそれを放置しているという人も意外と少なくないため、最後にもったいない思いをしないよう、辞める時には全部消化できているかどうかを確認しましょう。
他の従業員への挨拶は済ませたか
パートを辞める時は、他の従業員への挨拶はしっかり済ませたかどうかをよく確認しましょう。
必ず必要なこと…というわけではないかもしれませんが、やはりお世話になった職場ですから、気持ちよく辞められるよう、周りの人には挨拶を済ませておきたいところです。シフト制の場合は他の人のシフトをよく確認して、辞める前に挨拶できるタイミングを逃さないようにしましょう。
パート先に置いてあるもので持ち帰るものはないか
パート先に置いてあるもので持ち帰るものはないかどうかも、辞める時はしっかり確認するべきです。意外と忘れていってしまう人は多いので、そのままにしておくと迷惑にもなってしまいます。不要なものでも、そのまま置いて帰ってしまうのはマナー違反ですよね。
靴や着替え、上着、文房具、バッグなど、置きっぱなしになっているものは忘れずに持ち帰っておくようにしましょう。
引き継ぎが必要なものはないか
仕事内容によっては、辞める時に引き継ぎが必要になるパターンがあります。知らせておくべきことはないかをよくチェックしておきましょう。
自分にとっては当たり前のことでも、次に仕事をする人にとってはわからないことはたくさんあるかもしれません。また、引き継ぎをする必要はあるかどうか迷ったときも、責任者には確認しておきましょう。
パートを辞める時はこんなトラブルに注意!
では次に、パートを辞める時にありがちなトラブルについて解説していきたいと思います。パートを辞める時には、以下のようなトラブル・問題には注意が必要です。
強引な引き止めにあって辞められなくなる
人手不足な職場や離職率の高い職場は、パートやアルバイトを辞める時に引き止めるケースは意外と多いです。自由にやめられると思っていたのに、まさかの引き止めに遭って辞められない……と悩んでしまう人は結構たくさんいます。
もちろん、実際のところは本人の意思一つで辞めることはできます。どんなに強い口調で辞めさせないとパート先が言ってきたとしても、それに従う必要はありません。辞めることは可能です。
ですが実際、パワハラめいたことを言われれば、怖くてそれに従ってしまう人もたくさんいます。そうなるとなかなか辞めることができず、いざ辞める時に困ってしまうことは多々あるものです。
辞める時に借りていたものの紛失が発覚する
辞める時に貸与物の紛失が発覚するケースも、意外と多いので気をつけましょう。そこまで使用頻度の高くないものは、知らない間に紛失してしまっているパターンがあります。
借りていたものは、当然ながらパート先にしっかり返却しなければなりません。ですが紛失してしまってどうしても見つからないのであれば、どうしようもないのは事実。そのままごまかして辞めるようなことはせず、必ず紛失してしまったことを責任者に伝えましょう。
実際のところは、素直に謝れば、弁償とまで話が深刻化することはあまりありません。大事なのは真剣に謝ることなので、嘘だけはつかないように気をつけましょう。
辞める時に私物をパート先に置きっぱなしにしてしまう
パート先に私物を置きっぱなしにして忘れてきてしまう、といったトラブルにも注意しましょう。辞めた次の日ならまだパート先に私物は残っている可能性は高いですが、辞めた1ヶ月後や2ヶ月後の場合は、取っておいてもらっている可能性は低いです。
例えばパートの時に履く靴を置きっぱなしにしてきてしまって、次のパート先で使おうと思っていたらなかった……といったことにはならないよう気をつけてくださいね。
辞めた後に給料が振り込まれない
給料に関して管理がずさんな会社やお店で働いていたり、もしくは辞め方に少し問題があったりした場合は、パートを辞めた後に給料が振り込まれないことも中にはあります。
給料の未払いは、どんな理由があったにせよ、パート先に非があるNG行為です。稼いだ分の給料は受け取る権利があり、パート先には支払う義務があるため、もし支払われなかった場合はしっかり問い合わせする必要が出てきます。
ただ、こちらが明らかに迷惑をかけるかたちで辞めた場合(無断退職など)は、給料を受け取る権利があるとはいえ正直問い合わせはしづらいものです。そのため給料を受け取らずあきらめてしまう人も少なくありません。
パートを辞める時に引き止められたら?
パートを辞める時に引き止められることは、意外とよくあることです。ブラック企業が取り沙汰される昨今では、パートやアルバイトを辞められず困っている人は多いもの。もしパート先に引き止められた場合は、どんな対処を取っていけば良いのでしょうか。対処法を解説していきたいと思います。
退職の話が進んでいるなら引き止めに応じる必要はない
辞める時に引き止められた場合、先ほどもお伝えしてきましたが、基本的に応じる必要はありません。強い口調で言われたり脅されたりするようなことがあれば、確かにこちらもひるんでしまいますが、毅然とした態度で退職の意思を主張することが大事です。
人手不足が深刻な問題になっている職場やブラックなパート先の場合、残念なことに責任者はうまいこと従業員を言いくるめて辞めさせないように仕向けてくることが多いです。脅されないにしても、「本当に人手不足で大変なんだ。周りのみんなを困らせるのは嫌だよね?」と言われたら、正直ためらってしまう人も多いでしょう。
ただ、基本的に退職は本人の自由ですし、前もって退職の話をしたうえで手続きを進めていたのなら、こちらには何も非はありません。パート先におびえたり同情したりする必要はないのです。
訴えるなどの言葉もほとんどはただの脅し文句
中には「訴える」などの言葉を使って脅してくるパート先もあります。辞める時にそんなことを言われたら、確かに辞めるに辞められないものです。
ですが結論から言えば、訴えることや違約金を請求することなどは、ほとんどの場合においてただの脅し文句にすぎません。なぜなら、少し退職のことでもめたくらいでパート従業員を訴えていたら、会社は時間もお金もかかってコスパが悪いからです。そんな手間もお金もかかるようなことを、わざわざやってくるとは考えにくいでしょう。
しかも万が一訴訟になったとしても、こちらがルールを守って退職しようとしている以上は、何の非もないためパート先は明らかに不利になってしまいます。そういった点を冷静に考えれば、脅し文句にすぎないこともわかってくるでしょう。
パートを辞める時の引き止めにどうしても困ったら…
辞める時に引き止めに遭い、どうしても辞められず困った…という場合は、以下のような対処を考えていきましょう。
本社や労働基準監督署に辞められないことを相談する
まず対応としては、本社がある企業の場合は本社に直接相談してみてください。辞めさせてもらえないこと、脅しめいたことを言われたことなどを伝えて、間に入ってもらいましょう。
また、間に入ってもらうなら、労働基準監督署のような第三者機関に相談することも大事です。辞めさせてもらえないことやパワハラされたことなどを相談すれば、対処してくれるはずです。
ブラックなパートは退職代行で辞めるのもあり
パート先がブラックすぎて辞められない、辞めさせてもらえない……という時は、退職代行サービスを使って辞めるのも選択肢の一つです。有料なのでお金はかかりますが、自分の代わりにパート先には辞める旨を伝えてくれるため、「パート先ともめていて話にならない」「もう店長と話したくない」という人にはおすすめです。
退職代行を利用した後は、パート先に退職届を送ったり、宅配などで貸与物を返却したりするだけで済みます。どうしても退職届がうまくいかない……という人は利用を検討してみても良いかもしれません。
まとめ
パートを辞める時は、お伝えしてきたような確認ポイントやトラブルに注意が必要です。貸与物など、意外なところを忘れてしまっている人も多いため、辞める直前になって大きなトラブルにならないよう気をつけてください。
また、パートを辞められない時、辞めさせてもらえない時は、本社や労基署などに直接相談することも大事です。その他は退職代行を利用して辞めることなどを考えつつ、できれば気持ち良く次のパートに行ける対処法を見いだしていきましょう。