パートを辞めるとき、「直接言った方が良いのかな。電話じゃダメかな……」と思ったことがある人は多いのではないでしょうか。確かにパートを辞める際に、電話で話を済ませることができれば、それは楽なものです。
ですが結論から言えば、電話で辞めることは望ましいことではありません。直接責任者に話をして辞めることを伝えるのが、退職の一般的なマナーなのは確かです。
そこで今回は、パートを電話で辞めるのはダメなのかという点について触れながら、直接話をするべき理由をご紹介していきたいと思います。
パートで辞める時電話で伝えるのはダメなもの?
ではまず、パートを辞めるとき電話で辞めたいという話をするのはいけないことなのかという点を、詳しく整理していきたいと思います。
厳密に言えば電話で辞めること自体は可能
まず、厳密に言ってしまえば、電話でパートを辞めること自体は可能です。
直接会って話をしなければならない、電話で伝えてはならないと会社の就業規則で具体的に定めているところは少ないので、そんな点を踏まえれば電話で辞めることは可能という話になります。実際に何か事情があれば電話で辞めることを伝えても、パートを辞めることを了承してもらえる場合はありますし、電話で伝えたら100%辞められないと決まっているわけではないのです。
マナー違反にならないためには直接会って伝えるのが一番
ここからはマナーの話になります。電話でパートを辞めることは確かに可能ですが、マナーのある辞め方をするなら、基本的には直接責任者に会って伝えるのが一般的です。
パートに限らず、バイトも派遣社員も、契約社員も、そして正社員も、基本的に仕事を辞めるときには責任者と直接話をするものです。そういった暗黙の了解的なマナーを守ることは、社会人として大事なことです。
パートを電話で辞めるのは無し?直接伝えるべき理由
パートを電話で辞めることは、基本的には「無し」です。なるべくであれば、直接責任者に伝えることを心掛けましょう。ではここからは、直接対面でパートを辞めることを伝えるべき理由を見ていきたいと思います。
お世話になった挨拶も込みで伝える必要があるから
パートを辞めるときは、ただ辞めるという意思を伝えるだけではありません。お世話になったパート先に感謝を伝えるなどのやり取りが基本的に必要になってくるため、電話で済ませてしまうと、少し失礼な印象になってしまいます。
お世話になったパート先には、「今までありがとうございました」「急に辞めてしまってすみません」と挨拶をするでしょう。そんなときはやはり、直接対面で挨拶をした方が、大人としてマナーのある印象になります。
電話で言うことで一気に印象が悪くなるから
パートを電話で辞めると、正直、印象は一転して悪くなってしまいます。それまで築いてきた良い印象も台無しになってしまうかもしれません。
礼儀ある人だと思っていたのに、最後は電話で辞めるなんて……と思われてしまうのも残念なものです。後味の悪い辞め方になり、自分自身も気まずい思いをする可能性があります。
電話しても直接言いに来てなどの話になることが多い
パートを電話で辞めようとしても、正直うまくいかないことは多いです。というのも、結果として、「話すことがいろいろあるから、あとで直接言いに来て」と言われる可能性があるからです。
退職時には、確かに連絡事項・共有事項はたくさんあります。パートとはいえ、何かしら重要な業務を担当していたのなら、その業務の引き継ぎは必要になってくるでしょう。引き継ぎについて共有することがあれば、話はしっかり済ませておかなければなりません。
また、辞める際に何かしらの手続きがあるのであれば、その手続きについても説明を受けなければならないでしょう。制服や鍵などの貸与物の返却についても、話は済ませる必要があります。
つまり、辞めるときは電話だけでは、話がスムーズに進まないことが多いということです。そのため結局いろいろな話を済ませるために直接呼ばれることは多いため、直接話してしまった方が手っ取り早いということになります。
パートを電話で辞めるのはありになる時もある?
パートを辞めるときは、基本的に直接辞めることを責任者に伝える必要があります。これはマナー的にも必要なことですし、そもそも手続き的にも直接話した方がスムーズになることが多いためです。
ただ、場合によってはパートを電話で辞めるのもありになることはあります。そのケースについて触れておきましょう。
どうしても辞めることを伝えるのが気まずいとき
繰り返しになりますが、パートを辞める際に電話ではいけないと具体的に決まっているわけではないのも事実です。就業規則には基本的に、責任者に〇日前に伝えるというルールの明記があるため、そのルールに従う必要があります。
つまり、責任者に伝えること、タイミングを守って伝えること、このポイントを押さえていればルール上は問題ないことになります。直接伝えなければならないと言われるのは、主にマナー的な理由です。
そのため、辞めることを伝えるのがどうしても気まずいときは、電話でパートを辞めると連絡しても問題はないでしょう。例えばパート先の店長とどうしても相性が悪く、一対一で直接話をするのが嫌なとき、ブラックなパート先で強引な引き止めに遭っているときなど、伝えるのが正直ためらわれるときは、仕方がありません。
基本的には直接伝えることを意識しつつ、どうしても仕方がないときは、電話で伝えるのもありでしょう。
自分のシフトの都合で責任者となかなか会えないとき
電話でパートを辞めることを伝えるのがありになるときは、他には、なかなか責任者と会うタイミングがないときです。シフト制でパートに入っているときは、責任者と顔を合わせるタイミングがないことも確かに多いです。
自分はいつも午前中のシフトで、それに対してパートの店長は午後からやってくる……そんなすれ違いの状態では、どうしても直接話すのが難しくなってしまいます。
より丁寧な対応を心掛けるなら、責任者に直接伝えに行くために時間を作るのが、確かに正しいのかもしれません。ですがいろいろと都合もあるでしょう。なかなかそうもいかないはずです。
そのため、どうしても店長や社長など、パート先の責任者と話す機会がないのであれば、電話で辞める旨を伝えるのもありです。向こうも事情はわかるでしょうから、電話で連絡してきたところでそれを責めるようなことはしないでしょう。
「電話で連絡してしまってすみません」と先に一言断っておくと、より丁寧でしょう。なかなか責任者と時間が合わないときは、電話でパートを辞めることもありになります。
パートを電話で辞めるときの注意点
では最後に、パートを電話で辞めるときに気をつけたい注意点を見ておきましょう。パートを電話で辞めるときは、極力トラブルを避けられるよう、以下のようなポイントに注意する必要があります。
電話をして即日で辞めるのは基本的に避ける
まず覚えておきたいのは、即日で辞めるのは避けるということです。電話で「今日辞めます」と連絡するのは、もはやマナー違反中のマナー違反です。パート先には明らかに迷惑をかけることになりますし、トラブルになる可能性は高いです。給料を払ってもらえないなどの状況にも陥る可能性があります。
パートを辞める際には、まず会社・店の就業規則を確認するようにしましょう。就業規則には、「1ヶ月前までに申告すること」「2週間前までに連絡すること」といったやめるときの決まりが書かれているため、基本的にはそのルールに従うことが大事になってきます。
言ってしまえば、実際のところはいきなりの申告でも辞めること自体は可能です。ただ、可能性は低いですが訴訟などのトラブルにつながることも否定はできないため、リスクはあります。
他のパート・アルバイトにも迷惑になるため、電話で辞めるときは即日で辞めることは避けるようにしましょう。時間に余裕を持って、辞める時期を伝えるのがベストです。
やめられず悩んでいるなら退職代行を使う手もある
会社によっては、辞めようとした際に引き止めてくることもあり得ます。人手不足の会社は、パートやアルバイトの退職をなかなか認めようとしないケースも多いものです。基本的にこちらがルールを守っているのなら、引き止めに応じる必要はありませんが、脅されたり強い口調で引き止められたりすれば、なかなか強くは出づらいものです。
電話で辞めようとしたけれど拒否された、続けるよう言いくるめられてしまった……という状況に悩んでいるときは、対処法の一つとして退職代行を使ってパートを辞めるという選択肢もあります。最終的な手段の一つとして覚えておくと良いでしょう。
退職代行といえば正社員のイメージもありますが、実はパートの人でも利用することは可能です。お金は少しかかりますが、その分、嫌な思いをせずにパートを辞めることができるのが大きな利点になります。
例えば強引な引き止めに遭っているのなら、パート先とはもう正直やり取りはしたくないでしょう。退職代行を利用すれば、自分自身はパートの責任者ともう話す必要はなくなるため、あとは貸与物の返却など後処理的なことだけで完結します。どうしても辞められず困ったときは、退職代行を使うことも考えてみると良いかもしれません。
まとめ
パートを電話で辞めるのは、基本的には避けた方が賢明です。通常の場合は、直接対面で話して辞めることを伝える人が多いため、電話だけで辞める話を済ませようとすると非常識な行動だと思われる可能性があります。また、電話で即日で辞めようとするのもマナー違反です。
ただ、どうしても言いづらいときや、引き止められて辞めさせてもらえないとき、もしくは責任者と会えないときなどは、電話で伝えて辞めるのもありです。なるべく直接伝えることを優先的に考えながら、後味の悪くない辞め方・伝え方を意識してみてください。