バイトの辞め方にはマナーやルールがあります。今までたくさんお世話になったバイト先には、最後に迷惑をかけないよう、しっかりマナーのある辞め方をしたいですよね。
ですが初めてバイトを辞めるという状況を経験する人や、正直今まで嫌な辞め方ばかりしてきてしまったせいでマナーが身についていないという人は、辞め方にもいろいろと困ってしまうものです。
そこで今回は、バイトの辞め方のポイントや守るべきマナーを解説していきたいと思います。
バイトの辞め方が悪いと今後自分自身が損をする
まず、バイトの辞め方が悪いとどんな不利益を被ることになるのか、大事なポイントを整理しておきましょう。
確かに「もう辞めるから適当に対応しておけば大丈夫」「たとえバックレで辞めたとしても、もう関係ないし」という人もいるでしょう。実際、辞めてしまえばバイト先とはほとんど関わりもなくなってしまうものです。
とはいえ、辞め方が悪いと、後でいろいろと損をしてしまうことは意外と多いです。
どんなデメリットがあるのかは次の項目で詳しく解説していきますが、適当に辞めておけば大丈夫と捉えている人は、なるべくすぐにその考え方を捨てるようにしましょう。辞め方が悪いと、最終的に嫌な思いをするのは自分自身になるのです。
バイトの辞め方が悪いとどんなデメリットがある?
では、バイト先の辞め方が悪いと、どんなデメリットやリスクが起こり得るのでしょうか。以下のようなことには特に注意が必要です。
バイト先付近を行動するのが気まずくなる
まず一つ目としては、バイト先付近を行動するのが単純に気まずくなる点です。間違いなくバイト先に顔を出すようなことはできなくなるでしょうし、近くをうろついて顔を見られるのも気まずくなります。
そのためバイトの辞め方が悪いと、行動がしばらく制限されてしまうというデメリットがあります。それでも気にせず図太く近くを行動する人はいるかもしれませんが、トラブルを起こしたまま辞めれば、その後顔を見られたことで、直接声をかけられてバイト先に呼び出されることもあるかもしれません。
非常識な辞め方をして周りに迷惑をかけるのが癖になる
バイトの辞め方が悪いと、その後も同じようなことを繰り返すようになる可能性があります。バックレなどのひどい辞め方をするのが、自分の中で当たり前になっていってしまうのです。
確かに最初は罪悪感を抱くようなこともあるかもしれません。しかしそんな迷惑のかかる辞め方にも慣れていってしまうと、徐々に悪びれもせずに悪い辞め方をするようになります。
自分自身は、そのときは確かに楽な思いができるかもしれません。ですが人に迷惑をかける生き方ばかりだと、人に信用されなくなるなどの嫌なことも起こるものです。ゆくゆくは自分自身を生きづらい状況に追い込んでしまいます。
信用を失いバイト仲間と関係が途切れてしまう
バイトの辞め方が悪いと、信用を失い、知り合いだった人から軽蔑の眼差しで見られてしまうことも考えられることでしょう。特にバックレのようなひどい辞め方をされれば、当然、同じバイト仲間も迷惑を受けることになります。
それまで仲良くやってきたバイト仲間とは、関係も切れてしまうでしょう。せっかく築き上げた人間関係も台無しにしかねないということです。
辞めた後に給料未払いなどが起こる可能性も
バイトの辞め方が悪いと、後になって給料の未払いなどのトラブルが起こる可能性があります。例えば当日いきなりバイトを辞めたりすれば、バイト先の反感を買うことになります。そのせいで、バイト先は給料を振り込んでくれない可能性が出てきます。
確かに働いた分の給料は、本人にはしっかり受け取る権利があるものです。それは辞め方が悪かったとしても特に変わりありません。そのためバイト先が給料を振り込んでくれなかったときは、最終的にはバイト先が悪いことにはなりますが、バイト先に直接問い合わせて給料の請求をしなければいけないのは事実です。
辞め方が悪かったバイト先にわざわざ問い合わせて、話をつけなければいけないということです。辞め方が悪いと、こういった面倒事も増えてしまいます。
バイトの辞め方のマナー・ルールとは?これだけは守ろう!
ではここからは、正しいバイトの辞め方のルール、マナーを見ていきたいと思います。バイト先の辞め方がよくわからないときは、まず以下のポイントに注意するようにしてください。
辞め方のポイント①就業規則を確認する
バイトの就業規則とは、働くときの基本的なルールをまとめたものです。最初の契約の段階で書類でもらっている場合がほとんどでしょう。まずはバイト先の就業規則を確認しましょう。
就業規則を確認しなければならないのは、辞め方についてのルールを確認するためです。原則、どの会社にも就業規則はあり、就業規則には辞めるときのルールも決められています。そして見るべきポイントは、退職したいときは何日前にその旨を責任者に伝えなければならないのかという点です。
一般的には、1ヶ月前と設定しているバイト先が多いでしょう。そのため3月31日に辞めたいと思ったら、2月中には辞めたいということを伝えなければいけません。就業規則を確認し、いつまでに辞めることを伝えなければならないのかをチェックしておきましょう。
辞め方のポイント②最悪2週間前ならいつでも問題ない
ちなみにどうしても早めに辞めたいというときは、2週間前までなら、就業規則のルール関係なく実は辞めることができます。これは、2週間前までの申告なら問題はないという決まりが法律にあるからです。
そのため最悪の場合、2週間前までなら、正当な権利として辞めることができます。就業規則はあくまで会社が決めたルールなので、固い話をしてしまえば、最終的に優先されるのは法律になるのです。就業規則は基本的に守ることが望ましいですが、どうしても事情があるときは、2週間前までにはバイト先に辞めたいと伝えるようにしましょう。
辞め方のポイント③責任者に直接会って伝える
辞め方のポイントで大事なのは、責任者に直接会って辞めたいということを伝えることです。
直接言わなければならないという決まりはないことが多いですが、メールやLINEなどは一般的にマナー違反です。電話もあまり好ましくはないので、基本的には責任者に直接伝えるようにしましょう。
辞め方のポイント④周りへの挨拶を忘れずに
辞め方のポイントとして、周りへの挨拶も大事になってきます。ここからはあくまでマナーの範囲になりますが、お世話になったバイト先ですから、周りにはしっかり挨拶をしたいものです。
辞めることが決まった時点で、なるべく周りの人にはいつまでに辞めるのかを伝えておきましょう。実際に辞める日に挨拶することはもちろんですが、辞めることが決まった段階で軽く挨拶しておくことも大事です。
特に新人時代に自分の教育係だった先輩など、たくさんお世話になった人にはしっかり挨拶しておきたいものです。最後まで気持ちの良い辞め方を心がけていきましょう。
バイトの辞め方のマナーを通しても退職できないことはある?
残念ながら、バイトの辞め方のマナー・ルールを通しても、中にはうまく退職できないこともあります。特にブラックバイトと呼ばれるような、劣悪な環境の職場でバイトをしている人は要注意です。
では最後に、しっかりとした辞め方をしているはずなのに辞められない状況に陥ったときの対処法を見ていきましょう。
人手不足などを理由に引き止めてくるバイト先も多い
バイト先が辞めさせてくれない、退職を妨害してくるなどのことは、そもそもなぜ起こるのでしょうか。バイト先が辞めようとしている人を強引に引き止めてくるのは、やはり人手不足だからです。
普段からサービス残業や休日出勤などが横行しているようなバイト先は、特に気をつけた方が良いでしょう。人手が不足しているからこそそのような働き方をさせてくるのですから、辞めたいと言っても強引に引き止められる可能性があります。
バイト先からしてみれば、新しく人を雇うのはいろいろとコストがかかることです。一人雇ったところでその人が職場になじんでくれるかもわかりませんし、それならうまいことやめようとしている人を引き止めた方が正直コスパが良いのです。
職場環境が悪い、社員によるパワハラがひどいなどのときは、辞める時の違約金請求や損害賠償請求などの脅し文句にも注意する必要があります。当然、このような脅しは単なる脅しなので屈してはいけませんが、バイトの辞め方をよく知らない人はつい従ってしまうことがあるのも事実です。
やめられず困ったときは退職代行を利用する手も
バイト先なかなか辞められず困ったときは、退職代行を利用して辞めるという手もあります。強引に引き止められて悩んでいる、退職届を出したのに破り捨てられてしまった……など、困った状況に陥ったときは、辞め方の手段の一つとして覚えておきましょう。
退職代行を利用すれば、バイト先と自分自身は直接話すことなく辞めることができます。辞めるという意思を伝えることのやり取りは、基本的に退職代行がすべて行ってくれるため、自分自身は後で退職届や借りていたものを郵送するだけで済みます。
心理的負担を減らせるのが、退職代行の何よりのメリットと言えるでしょう。ブラックなバイト先が辞めさせてくれず、どうしても悩んでいる……というときは、退職代行を利用する手も考えておくと良いでしょう。
まとめ
バイトの辞め方は、なるべく円満で気持ちの良いものでありたいところです。その方が清々しく次の道に進めますし、当然、バイトで仲良くなった人ともそのまま関係を続けていくことができます。バイトで辞め方が悪いと、そんな悪い辞め方が癖づいて人間性自体が問題ありになってしまう可能性もありますし、バイト仲間からの信用を失ってしまうのも確かです。
バイトを辞めるときは、お世話になったバイト先への感謝の気持ちも込めて、必ずタイミングや辞め方のルールを守るようにしましょう。まずは就業規則を確認して、後味の悪くない辞め方を心がけてください。