ブラックな職場でバイトをすると、苦労することも多く、まさに百害あって一利なしです。最初はやりがいだけをモチベーションに頑張れるかもしれませんが、職場の環境が良くなければそういったモチベーションも長くは続かないものです。
そこで今回は、ブラックなバイトの特徴について解説していきたいと思います。うちのバイト先ってちょっとブラックなのかも……と感じたら、まずはブラックバイトの条件や特徴を確認してみましょう。
ブラックな職場に悩むのは正社員だけでなくバイトも
ブラック企業といえば、その企業に勤めている正社員を悩ませるものというイメージがあります。ですがブラックな職場に悩むのは、正社員だけではありません。バイトやパート、派遣社員などの非正規雇用の人たちも、ブラック企業には日々悩まされがちです。
ブラック企業は、正直、その会社で働いてみないとわからないところがあります。求人やバイト先のホームページなどを見ただけではブラックかどうかわからず、むしろホワイトな会社に見えることも多いため、「こんなところで働いてみたい!」と多くの人が騙されてしまいます。
そして、特に真面目な性格の人は、「このバイトに適応できない自分が悪い」「やりがいを感じられない自分が悪い」と自分ばかりを責めてしまうのです。そのため自分自身では、会社のブラックぶりに気づけないこともありがちです。
少しでも「うちのバイト先ってもしかしてヤバイ……?」と感じたら、ブラック企業なのかどうかをよく確かめておきましょう。
ブラックなバイトの特徴とは?こんな職場には要注意!
では実際に、ブラックなバイト先の特徴やよくあるパターンを見ておきましょう。以下のような会社・店でバイトをしている人は、その環境の悪さによく注意する必要があります。
人手不足のため長時間労働や休日出勤が多い
ブラックバイトは、常に人手が不足していることが多いです。途中でバイトをやめてしまう人が多く、長く働いているベテランが少ないのが特徴的です。話を聞いてみれば、ほとんどのバイトが入ってまだ1年未満……ということも少なくないでしょう。
人手不足に悩まされている職場は、長時間労働や休日出勤などが当たり前のように横行しているものです。人手が足りているかどうかでシフトがころころ変わることも多いです。
やめたいと言ってもやめさせてくれない
ブラックバイトは、やめたいと言っていてもなかなかやめさせてもらえないことが多いです。人手不足を理由に、やめることを許してもらえないのです。強引に脅しのようなことを口にして、やめさせまいとするバイト先も少なくないでしょう。
そのためブラックバイトをやめられないせいで悩んでしまい、精神的にまいってしまう人も多いもの。ブラックバイトは、やめることすら大変な職場なのです。
上の人間による各種ハラスメントが横行している
ブラックバイトの特徴としてよく挙げられるのは、モラハラやパワハラなどの各種ハラスメントが横行していることです。店長などの責任者から、人権侵害にも当たるようなひどいことを言われる、やめようとすると脅される……そういった状況・環境は、ブラックバイトにおいて実は珍しくないことです。
ブラックな職場の上司、責任者は、逆らえない気弱なバイトをつかまえて、いいように使おうとすることが多いです。強く自分の意思を主張できないタイプの人は、「やめてください」と拒否することもできず、かといってバイトをやめることもできず……精神的にひどく悩んでしまいます。
仕事内容と時給が見合っていない
ブラックなバイトは、そもそも割に合わない仕事であることが多いです。つまり、仕事の大変さと時給のつり合いが取れていないということです。
誰が見ても明らかに大変な仕事内容なのに、時給が安い、研修時給のままいつまでも時給が上がらない、そういった劣悪な労働環境が目立ちます。安い時給で、仕事もきつい……これでは、当然バイトを続けていくモチベーションも上がりません。
当然のようにサービス残業させられる
ブラックなバイトの特徴として、注意しておきたいのはサービス残業の有無です。サービス残業とは、つまり残業代の払われない残業のことです。タイムカードを先に切るように命じられたうえで残業をしたり、残業しているのにも関わらず残業時間は計算されていなかったり……そういったひどい労働環境が目立ちます。
サービス残業は職場として明らかにNGですが、周りのバイトや社員がそれについて何も言及していないと、結局「そういうものなのか」と納得せざるを得なくなってしまう人も多いです。「周りがやっているから合わせなければ」という心理もあるでしょう。そんな人の心理につけこみ、当たり前のようにサービス残業をさせるのが、ブラックなバイトの特徴なのです。
バイト先がブラックかも…と思ったときの対処法
ではここからは、実際にブラックなバイト先に悩んだときの対処法を見ていきましょう。バイト先がブラックかも……と思ったときは、早めに行動を起こすことが大切です。
バイト先は他にもある!すぐやめるのが賢明
ブラックなバイト先に悩まされたときは、なるべくすぐにやめるようにしましょう。真面目な人ほど「なんとか続けなければ」「我慢できない自分が悪い」と思ってしまう傾向は強いですが、職場環境で明らかにおかしい部分があるなら、「気のせい」「自分が悪い」で済ませてしまわないほうが身のためです。
バイト先の選択肢は、他にもたくさんあります。もっと良い環境で楽しくバイトできるところはいくらでもあるので、今のバイト先だけに縛られないようにしましょう。「こんなブラックなバイトじゃなくて、他にホワイトなバイト先はたくさんあるのでは…?」と考えを変えるところから、始めてみましょう。
バイト先の本社に相談して改善を求める
バイト先の労働環境がおかしいと思ったら、責任者に直談判するのが一番ですが、そういったブラックなバイト先の場合、聞き入れてもらえないことの方が多いです。そもそもパワハラなどが横行している場合、言いづらいことも少なくありません。
本社が別にある場合に限りますが、ブラックバイトに悩んだときは、本社に直接相談して改善を求めることも大事です。実際のところ、相談したからと言ってすぐに環境が変わることにはなかなか期待はできませんが、場合によっては動いてくれることもあります。
労働基準監督署にバイト先の状況を伝えて相談する
バイトのブラックぶりに悩まされたときは、思い切って労働基準監督署に相談するのも大事なことです。労働基準監督署は第三者機関ですから、残業代が支払われない、バイト代の未払いがある、上司のパワハラが横行していてしんどい、やめさせてもらえないなど、問題となっている点は包み隠さず相談するようにしましょう。
ちなみに労働基準監督署に相談するときは、できるだけ問題となっていることの証拠をたくさんそろえてから相談するようにしましょう。そうでなければ、労基署も本格的に調査をしてくれない可能性があります。
ブラックなバイトをやめさせてもらえない時の対処法
ブラックなバイトは、そもそもやめられないことが多いため、やめたいと言っても聞き入れてもらえない・訴訟や違約金などの話を出されて脅されるということも実際にあるでしょう。ここからは、そんなブラックバイトをやめられないときの対処法について整理していきましょう。
そもそもバイトをやめるやめないは本人の自由
そもそもを言ってしまえば、バイトをやめるかやめないかは、本人の自由です。そのため本人が「やめます」と言えば、本来はそれでバイトをやめることが成立します。バイト先は何かを言ってくるかもしれませんが、自分にやめたい意思があるなら、強引な引き止めなどには応じる必要はないのです。
ただ、一点だけ注意したいのは、バイトをやめるタイミングです。民法では、仕事をやめる際には2週間前に申告すれば、自由にやめることができると決められています。そのため、確かにやめること自体は本人の自由ですが、「今日やめます」「明日やめます」といった主張をした場合は、こちらに非があることになり引き止められるのも当然という話になってしまいます、
やめることが自由だという主張を通したい場合は、こちらも基本的にはマナーのある辞め方をするようにしましょう。裏を返せば、マナーのある辞め方をしていれば、引き止めなどには一切応じなくて問題ないのです。
退職届を内容証明郵便で送る
早めにやめることを申告しているのにも関わらず、ブラックなバイト先がそれでもやめることを妨害してくるときは、退職届を内容証明郵便で送ることをお勧めします。
本来、バイトをやめる際には退職届は基本的に必要ありません。ですがここでしっかり退職届を内容証明郵便で送付しておけば、「退職届を書いて送った」という記録が残ります。すると、万が一後になって裁判沙汰になったとき、退職届を送ったという証明ができるようになります。
退職代行サービスを利用してバイトをやめる
ブラックバイトをやめられないときは、退職代行サービスを利用するのもおすすめです。退職代行を使えば、自分の代わりにバイト際にやめる旨を伝えてくれるため、バイト先とやり取りする必要がなくなります。
つまり、ブラックなバイト先からどれだけ引き止められていたとしても、退職代行を利用すれば、引き止めを断れない…と悩むこともなくなるということです。LINEで手続きできるという気軽さも魅力の一つなので、どうしてもやめられず困った時は、利用を考えてみると良いかもしれません。
まとめ
自分のバイト先がブラックかも…と思ったら、なるべく早めにバイトは退職した方が良いでしょう。バイト先は探せばいくらでも見つかります。まずはブラックバイトの特徴を理解して、自分の職場は大丈夫かを冷静に判断していきましょう。
しかしブラックなバイト先だと、なかなかバイトをやめられず困ることも多々あるものです。脅されたり強い口調で引き止められたりしたときは、退職届を送ったり退職代行を利用したりすることを考えつつ、ブラックバイトから自分の身を守っていきましょう。