バイトをやめるときは、軽はずみな気持ちでやめることはせず、まずは冷静になっていくつかのことを考えることが大事です。バイトをやめれば給料はもらえなくなりますし、やめようと思ってすぐやめられるものではないのも事実です。本当にやめるべきなのか、自分の中でやめる意思や理由がはっきりしていない場合も多いでしょう。
そこで今回は、バイトをやめるときに考えたいことを解説していきたいと思います。バイトをやめるかどうか迷ったときは、まず以下に紹介することから確認していきましょう。
まずは本当にバイトをやめるべきか考えよう
バイトをしていれば、「面倒臭い」「やめたい」と思う瞬間はいくらでもあるものです。まずは、本当にバイトをやめるべきかを冷静に判断していく必要があります。
一時的な嫌な気持ちはすぐに収まる可能性も
バイトをやめたい、疲れたと感じる気持ちは、一時的なものであることも多いです。すぐ収まる可能性はあるため、その場の判断ですぐ「やめたい→やめよう」と決断してしまわないようにしましょう。
バイト仲間や社員から嫌なことを言われた、注意されて恥ずかしかった、お客様から理不尽なクレームを受けた、プライベートとの両立が大変で心身ともに疲れる……などなど、つらく感じる理由、やめると決断したくなるきっかけはさまざま生まれるものです。
ですがそういったやめたい気持ち・衝動は一時的なもので、すぐ収まる可能性も十分あり得ます。本当に今やめるべきなのかどうか、後で後悔しないかどうかをよく考えてみましょう。
給料や仕事内容的にやめるのは惜しい場合も
バイトをやめるべきかどうかに迷ったときは、給料や仕事内容についてよく考えてみましょう。
例えば時給の高いバイトであれば、多少嫌なことがあったとしても、やはりやめるのは惜しいものです。「こんな高い時給のバイトはなかなかないかも」と思えば、やめたいと感じる気持ちにもストップがかかるでしょう。
また、仕事内容も重要なポイントです。自分の好きな仕事、やりがいのある仕事だった場合は、多少時給が安かったり人間関係の悩みがあったりしても、なんだかんだ続けられるものです。
時期的に今でいいのかも考えておくべきことの一つ
バイトをやめるべきか悩んだときに考えたいことの一つに、時期・タイミングもあります。
「今バイトをやめたら、プライベートの事情もあって、なかなか次のバイトはすぐ見つけられないかも」と思う場合もあるでしょう。進級や進学、引越しなど、何か事情があってバタつく時期は、バイトをやめると苦労することも多くなります。
「やめ癖」がついていないかどうか考えよう
バイトをやめたいと感じたときは、自分に「やめ癖」がついていないかどうか考えてみてください。
すぐにバイトをやめる人、バイトをコロコロ変える人は、他の人と比べてやめ癖が染みついてしまっているところがあります。「嫌ならすぐやめる」「嫌なら逃げる」といった思考回路が癖になってしまっているのです。
やめ癖がつくと、一つの仕事ややるべきことをやり遂げる能力がなかなか育たなくなります。今後、就職して正社員になったときも、そういったやめ癖が悪い方向に作用する可能性も高いです。
有給休暇を消化できているかを確認しよう
バイトをやめるときは、有給休暇についてもよく確認しておきましょう。実はバイトでも条件を満たせば有給休暇を取得することは可能で、意外と有休についてはよく知らない人も多いです。まずはバイトの責任者に、有休はあるのかどうかを確認してみてください。
有給は基本的に自己申告で消化していくため、そのまま消化せずバイトをやめてしまうのはあまりにもったいないことです。やめるなら有休を消化してからやめるようにしましょう。
バイトをやめるときに準備すること5つ
ではここからは、バイトをやめるときの準備すべきことを解説していきたいと思います。バイトをやめるときは基本的にある程度準備が必要なので、しっかり準備を整えて円満退職するようにしましょう。
バイトの就業規則を確認しよう
バイトをやめる意思が固まったら、まずはバイトの就業規則を確認することが大切です。これは、バイトをやめる時期ややめるときのルールについて確認する必要があるからです。
就業規則には、「やめるときは責任者に1ヶ月前に退職の意思を伝える」などのルールが明記されています。このルールに従ってやめれば、基本的に問題はないため、必ずルールを守って迷惑のかからない辞め方を心がけていきましょう。
ルールに従ってバイトの責任者にやめることを伝える
就業規則を確認したら、そのルールに従っていよいよ今度は責任者にバイトをやめる旨を伝えます。なるべく理由を伝えたうえで、やめる時期を申告しましょう。
ちなみにやめる意思を伝えるときは、直接責任者に話すのがマナーです。電話やメール、LINE、他のバイト仲間に言ってもらうなどの伝え方はしないようにしましょう。
引き継ぎが必要なら大事なことは後任に伝えておく
バイトの場合はほとんど必要ないことも多いですが、場合によってはやめるときに引き継ぎなどのステップが必要になることもあります。
後任の人が決まっていたり、その他周りの人に共有事項として伝えるべきことがあったりした場合は、不足なく伝えるようにしてください。
バイト先から借りているものを確認する
大事なのは、バイト先から借りているものをやめる前にしっかりチェックしておくことです。制服、靴、ロッカーの鍵、セキュリティカードなど、職場によってはかなりの数の貸与物がある可能性があります。
やめる前に紛失してしまったものがあれば、そのことは必ず責任者に伝えましょう。場合によっては弁償などが必要になることもありますが、しらばっくれてあとで発覚するよりは、素直に申告した方がマシです。
バイトの制服は、バイト後に自宅で洗濯したりクリーニングに出したりしてから返却することも多いです。どのような流れで返せば良いのかは、事前にしっかり確認しておきましょう。
スムーズにバイトを変えるなら次の仕事もチェックしておく
バイトをやめた後に別のバイトを始める予定の人は、その後収入に困らないようにするためにも、気になる求人は早めにチェックしておきましょう。
やめる時期が決まっているなら、やめる前に既に面接は済ませておいた方が、すぐにバイトを変えられる可能性があります。やめる→求人を探す→面接に行く……の流れでは、次のバイトを始めるまでに1ヶ月近く時間が空いてしまうこともあります。
バイトをやめるときに使える理由とは
バイトをやめるときになかなか良い理由が見つからない…というときもありますよね。正直正当とは言えない理由でやめるときもあるでしょうし、そうなると理由の伝え方にも困るものです。
バイトをやめるときに「理由」に困ったときは、以下のような理由を使ってみましょう。
学生は学業や就職を理由にするのがおすすめ
学生の場合は、学業や就活に集中したいことを理由にするのがおすすめです。学生ならそういった理由でやめるのはまったく不自然ではありませんし、バイト先も了承せざるを得ないでしょう。
「そろそろ就活に専念しようと思って」「卒論やゼミが忙しいので……」と伝えれば、基本的にバイトをやめる理由として問題はないでしょう。
家庭の事情を理由にするとバイトもやめやすい
家庭の事情を理由にするのもおすすめです。さすがに家庭の事情が絡んでくれば、バイト先も口をはさみにくくなるからです。
介護や家事の手伝い、看病、引越しや家族の転勤などを理由にすると良いでしょう。
バイト先に問題があるなら正直に伝えるのも良い
バイト先にもし問題があってやめる場合は、そのことを素直に伝えるのも良いでしょう。確かに最後にモヤモヤを残すような辞め方になってしまうため、気持ちよく円満退職……というかたちにはならないかもしれません。
ですが実際に、バイト先の環境や人間関係、仕事内容などに悩まされたのは事実。そのせいで辞めざるを得なくなったことは、正直に伝えておきたいところです。もしかしたら伝えたことで、職場環境の改善を図ってくれて、結果としてやめずに済むこともあるかもしれません。
バイトをやめるときに起こりうる問題点
バイトをやめるときは、以下のようなトラブルや問題点にも注意する必要があります。
バイト先から強い引き止めにあってやめられない
バイト先から強い引き止めに遭ってしまい、そのせいでやめられないなどの状況に陥ることは、意外とよくあります。人手不足になりがちなバイト先やもともと職場環境の悪いバイト先などは、特に注意した方が良いでしょう。脅しめいた言葉で、強引に引き止められる可能性もあります。
こちらがルールを守ってやめようとしているのにも関わらず、やめられないときは、本社や労働基準監督署などに相談するようにしましょう。基本的にバイトをやめることは本人の自由なので、やめられないということはないはずです。
やめた後にバイト先が給料を振り込んでくれない
会社や店によっては、やめた後に給料を支払ってくれないことも中にはあります。悪意を持って振り込んでくれないこともありますし、場合によっては忘れられているということもあり得るでしょう。
まずはバイト先に、給料が振り込まれていないことを必ず連絡するようにしてください。どんなふうにやめたにしても、働いた分の給料を受け取る権利はあるため、給料の未払いはバイト先に過失があります。そして連絡しても支払いを拒否された場合も、本社や労働基準監督署などに相談することが大事になってきます。
まとめ
バイトをやめるときは、まずやめるべきかどうかを自分の中でしっかり整理するようにしましょう。場合によっては、タイミング的に今はまだやめない方が良い場合もあります。
そしてやめるときは、就業規則に従ってやめることが一般的なマナーとなります。マナーを守って気持ちよくやめられるよう、やめるときに準備するべきことも必ず確認するようにしてくださいね。