退職はスムーズかつ円満に進めていきたいでしょう。しかし手順通りに進めていかないと後々になってトラブルになることもあります。
そこでスムーズに会社を辞めるための退職手順を紹介していきます。退職を考えている人は知っておいて損のない情報となっているので、ぜひ一度目を通してみてください。
退職を決めるまでの手順
まずは退職するにあたり、今の会社を辞めて本当に後悔しないか考え直すことをおすすめします。一度その会社を退職してしまうと基本的には戻れません。
退職後に「前の会社の方が良かった」とならないためには、なぜ自分が退職をするのか考えないといけません。例えば仕事内容の不満や給料・待遇の不満、人間関係などたくさんの退職理由があるでしょう。
こういった退職理由を明確にしておかないと、転職で失敗する可能性が高くなります。その結果、前の会社の方が良かったということになるので、絶対に再確認しておきましょう。
ではどのような退職理由だと退職しても後悔しないのかというとこういったものです。
・会社がブラック
・精神的に辛くなっている
・他にどうしてもやりたいことがある
・会社の経営状態が悪い
このように自分の頑張りではどうにも改善できない状況だと退職しても一切後悔しないでしょう。
他にもどうしてもやりたいことがあるという場合にも後悔はせず、さらに転職する理由も明確なため退職後も上手くいきます。
逆に退職理由がボヤっとしている場合や入社して1年未満で仕事が合わないと感じている場合は後悔する可能性が高いです。
退職しても後悔しない状況をまとめると、後ろ向きではなく前向きな退職理由なので、この部分をもう一度確認しておきましょう。
また転職活動が上手くいくかは確実ではないため、最低でも3か月分の生活費は押さえておきたいです。
2か月前には済ませておきたい退職の手順
退職を決心したなら退職後の予定を組んで、会社を辞める日を決める必要があります。これは転職活動をスムーズに始めるために重要です。
一般的に企業の中途採用は3月・4月・9月・10月が活発なため、そこに合わせて退職日を決めると比較的転職活動もしやすいでしょう。
そして退職日を決めたらスムーズに退職するためにも2か月前から行動しておきたいです。
手順①退職の意思を口頭で告げる
まずは上司に退職の意志を伝えます。ただ働いている時にいきなり「退職します」と言ってしまうと、相手も驚いて話が進みません。そのため事前に上司に話があると言って、会議室などの二人きりになれる場所に呼び出しましょう。
そして伝える時はハッキリと退職したいことを伝えるのが大事です。ここで相談するような切り出し方をしてしまうと、思い通りに話を進められないので気を付けましょう。
最初に退職理由を聞かれると思いますが、前向きな退職理由の場合はそのまま伝えてもあっさり通ります。しかし後ろ向きな理由だと引き止めにあう可能性があるため、別の退職理由を用意しておいた方がスムーズに話が進んで楽です。
話が終わった時に再度退職すること・時間を取ってもらったことに関して感謝を伝えておくと好印象なためやっておきましょう。
以上が上司に退職を伝える手順ですが、上司に退職を伝える前に他の人に伝えてはなりません。例え気兼ねなく話せる同僚だとしてもトラブルになることもあるので、上司との話し合いが済んでからにしましょう。
手順②転職活動
退職が決まる前でも後でも大丈夫ですが転職活動を進めていきます。一般的に転職するまでには3か月前後かかるため、スタートは少しでも早い方が良いです。そのため会社に勤めながら転職活動をしておいたら、無職の期間が短くなります。
もし一人で転職活動をするのが不安な人は、転職エージェントに相談すると行動しやすくなるのでおすすめです。
この時点での転職活動はその人の気持ちの問題なため、まずは退職してから転職をしたいという人は別です。
ただ後述しますが退職してからすぐに転職先が決まっていると、自治体でする手続きをしなくて済みます。
1か月前から退職日までに済ませる退職の手順
話し合いで退職日が決まってから1か月前に3つの手順を進めていきましょう。
手順①退職届の提出
退職日の1か月前を目途に退職届を上司に提出します。これは退職についての話し合いの際に、いつ頃退職届を出せば良いのか聞いておきましょう。会社によってはすぐに欲しいという所もあります。
ただ基本的には退職日の1か月前となるので、特に提出日が定められていないようでしたらその期間に提出しましょう。
手順②有給を消化
退職日までに残ってる有給を消化しておきたいです。会社によっては特に有給を消化しないといけないというルールはありませんが、有給は権利なので消化しても問題ありません。
ただ有給を消化するのには手順があります。まず退職を相談する段階で有給のことについて相談しないといけません。いきなり退職日の1か月前に行っても予定が組まれていることもあるので、有給を獲得できない可能性が高いです。
そして有給を確保するのには引継ぎのことも考える必要があります。引継ぎは退職日の3日前までに終えるのが理想的なため、それを考慮して有給を確保しましょう。
以上の2つの手順を踏んでおくと有給を消化できます。
手順③引き継ぎ・挨拶回り
引継ぎやあいさつ回りは退職が決まったその次の日から初めても構いません。早くするにこしたことはないです。
引継ぎは後継者に仕事について教えるものですが、口頭だけでなくデータ化してあげると親切でしょう。データ化しておけばその人がいなくなっても、書類を見て仕事を進めることができます。
あいさつ回りは従業員一人一人にしましょう。人数が多い場合は少し面倒ですが、最後のケジメとしてあいさつしておくと好印象を与えられます。そのため最後も笑顔で送り出してもらうことも可能です。
他にもお客様へのあいさつも忘れてはいけません。今後同じ仕事をする時に再開することも考えられるので丁寧にしておいた方が良いです。
退職当日に必要な手順
退職当日はやることが多くて忙しいので、少し早めに出社した方が良いかもしれません。退職日までに済ませられるものに関しては、退職当日までに終わらせておくと焦ることなくその日を迎えられます。
では退職当日にやっておくべき3つの手順を紹介していきます。
手順①仕事場を片づける
普段自分が使っているロッカーや事務机など会社の備品をきれいな状態にしておきましょう。片づけは退職日までにできるものなので、毎日少しずつすることをおすすめします。
特に私物だけは残さないように注意しましょう。退職後にまた取りに行くということにもなるので、最終確認して何もない状態になっているか見ておくと安全です。
手順②備品や社員証を会社に返す
その日の仕事が終わったら会社の備品を返却します。会社の備品として挙げられるのがこちらです。
・社員証
・通勤定期
・IDカード
・健康保険証
・名刺
・制服
これらが主な返却物ですが、会社によっては追加でまだあるものもあるかもしれません。そのため会社に返すものを上司に確認する必要があります。
また退職に関する手続きをこのタイミングですることも考えられるので、退職当日は印鑑を持っていきましょう。
手順③会社から重要な書類を受け取る
会社へと備品を返却すると保険や年金に関する重要な書類がもらえます。きちんと全てもらっているか確認しましょう。
・年金手帳
・源泉徴収票
・離職書
・退職証明書
・雇用保険被保険者証
これらの書類は後々必ず必要になるため抜けがないようにきちんと確認しましょう。
手順④最後にもう一度あいさつ回りをする
諸々の手続きも終わりいよいよ帰宅する段階まで来たら、最後にもう一度だけあいさつしておくと好印象です。ただ全員がその場にいるとも限らないので、仕事をしながら話しておきましょう。
退職翌日に次の勤務先が決まっていない場合の手順
退職が済んだら保険などの手続きをしないといけません。ただ翌日から別の会社で働くことが決まっているのならば、その会社に必要な書類を確認して持っていくと手続してくれます。
退職後には主に3つの手続きがあります。書類さえそろっていれば1日で済むので、万全な準備をして自治体に向かいましょう。
失業保険の申請
失業保険を受給する人はハローワークに行って、離職票と雇用保険被保険者証を持っていきます。
その後雇用保険に関する説明会が何回かあるのでそれを受けて、求職活動をして初めて失業保険がもらえるので、すぐにお金が入るわけではありません。
健康保険・年金の切り替え
健康保険や年金のは市役所などの自治体で手続きできます。
健康保険は国民健康保険と前職で加入していた保険をそのまま利用できる任意継続があるので、都合の良い方を選びましょう。
健康保険の手続きは一定の期間を過ぎてしまうと、病院に行った時に全額負担となってしまうので、できるだけ早く済ませておきたいです。
年金は厚生年金から国民年金へと切り替える必要があります。
手続きに必要な書類委は年金手帳です。
年金の手続きも14日以内に済ませる必要があるので、早めに終わらせておきましょう。
所得税の確定申告
所得税の処理は2~3月の間で済ませるため、退職後すぐにというわけではありません。また12月末で退職する場合は会社の方で手続してくれるため、確定申告をする必要はないです。
それ以外の人は年末に市役所から書類が届くのでそれを記入して、期日までに提出しておきましょう。
まとめ
退職の手順は大きく5つの手順に分けられます。特に一番最初の退職の意志を再確認するところは大事です。
また退職後にも手続きがあるのでそちらも忘れずに注意する必要があります。
この手順通りに退職すればスムーズに進むので、気持ちよく退職するためにもやってみましょう。