退職時に会社に発行してもらえる離職票は失業給付金をもらうために必要な書類です。
しかし離職票は会社が必ず発行する義務がありません。そのため会社に伝える必要がありますが、具体的な手順を知らないと困るでしょう。
そこで退職時にもらえる離職票の受け取りから使い方まで解説していきます。離職票についてあまり知らないという人はこれを機にぜひ知っておいてください。
離職票とは
退職後に基本手当の受給する時に必要な離職したことを証明する書類のことです。離職票は自分でハローワークに持っていき、失業給付金に関する手続する必要があります。
また冒頭でお話ししたように、離職票は会社によって対応が異なってくるため、必ずもらえるということではありません。退職後に失業給付金を受け取る予定がある人は、会社に確認して必ず離職票を受け取るようにしましょう。
逆に転職先がすでに決まっているなど失業給付金をもらう予定がない人は、離職票は必要ありません。ちなみに転職先に離職票を提出する必要はないので覚えておきましょう。
もう一つ離職票と似たものに退職証明書というものがありますが、退職証明書は健康保険や年金の切り替えに必要で、場合によっては転職先から提出を求められることもあります。
退職してから離職票を発行するまでの流れ
続いて離職票をもらうまでと流れを紹介していきます。離職票は個人のみでは発行できないので必ず会社と協力しなければなりません。
退職前後に離職証明書を会社に依頼する
まず会社に離職票の発行をお願いします。これは全ての会社に離職票を発行する義務がないためです。
依頼された会社は離職証明書を準備します。離職証明書は雇用保険から従業員を省くための書類のことです。基本的には会社側が記入してくれますが、一部自分で書くところや捺印する必要があるので、それが終わったら再び会社に返しましょう。
会社で離職証明書の確認が終わればハローワークに提出して、許可が下りれば離職票-1と離職票-2がもらえます。そして二種類の離職票を退職者に渡しますが、すでに退職している場合は郵送してもらわなければなりません。そのため退職前には、退職後の連絡先を伝えるようにしてください。
以上が離職票を発行するまでの手続きです。
離職票が届かない原因と解決策
離職票は会社に依頼していると2週間以内に届くものですが、何かしらのトラブルによって届かないこともあります。
そこで離職票が届かない原因とその解決策を紹介していきます。
離職票が届かない三つの原因
離職票の発行を要請しているのに届かない原因は全部で3つです。
一つ目は会社側のミスだと思われます。人手の足りていない会社や繁忙期で忙しい会社は、離職票の手続きに関して時間を取れないこともあるでしょう。そのためハローワークに書類を送っていなかったり、書類上にミスがあって送り直しを繰り返すこともあります。
二つ目はハロ―ワークが忙しい場合です。ハローワークは基本的にそこまで忙しくないですが、3月や9月の転職が多い時期に繁忙期となります。忙しいと申請用紙の見落としなどが発生しやすくなって、その結果遅れることもあるでしょう。
三つ目は会社があえて送ってこない場合です。もし退職の際に円満でなくもめてしまった場合は、困らせるために離職票の手続きをしていないことも考えられます。
しかしこれは雇用保険法に違反しているため、おそらくしてこないでしょうが、法律についてよく知らない人がするかもしれません。
この三つが離職票の発行依頼を出したのに届かない原因です。続いて解決策について見ていきましょう。
離職票が届かない場合の解決策
まずは会社に対して離職票が届かないことを伝えます。会社に連絡すると現在どの段階まで進んでいるのか分かるので聞いてみましょう。
中には聞くのが嫌だという人もいるかもしれませんが、離職票の発行は退職から10日以内にする必要があります。これは雇用保険法で決まっているので、思い切って聞いても問題ありません。
会社に電話してハローワークで止まっている、聞いたのに正しい情報を教えてもらえない場合はハローワークに連絡しましょう。この場合は会社が属している地域を担当しているハローワークに連絡しないといけないので注意です。
ハローワークに聞くと会社が教えてくれない場合は問いただしてくれます。もしハローワークの手続きが遅れていると返事が来たら、離職票なしでも手続きできるのでそちらに移行しましょう。
退職時にもらえる離職票なしで失業給付金の手続きをする方法
離職票がなくても仮手続きという形で進めることができるので、離職票の到着が遅れている時に利用すると良いです。
仮手続きは離職票の発行より12日以降からできるので、期日を過ぎたらハローワークに行きます。ハローワークには退職日が分かる退職証明書や社会保険資格喪失証が必要となるので持参しましょう。
このように仮手続きをすると離職票がなくても失業給付金の手続きを進められますが、4週間後の認定日までに離職票を提出する必要があるので、届き次第ハローワークに持っていましょう。
2種類の離職票の書き方
会社から離職票を受け取ると離職票-1と離職票-2をもらえます。離職票-1には雇用保険の資格を喪失したことを、離職票-2には在職中の賃金支払い状況や退職の理由を意味しています。
失業給付金には両方必要なためハローワークに持っていく際は注意しておきましょう。
もし離職票を無くしてしまった場合でも再発行することができるので安心してください。再発行の手続きは会社に依頼する方法とハローワークに依頼する方法があります。すでに退職している場合は、会社に迷惑がかかるのでハロ―ワークにしておくと良いでしょう。
ただ自分が住んでいる場所のハローワークだと発行まで時間がかかるため、会社が離職票を依頼したハローワークに連絡する方が良いです。
そして離職票には記入する欄があるので、必ず記入してから持っていく必要があります。もし分からない場合はハローワークに行くと教えてもらえるので、分からなければ聞くのも良いでしょう。
離職票-1
離職票1-に書く内容は「求職者給付等払渡希望金融機関指定届」と個人番号の所のみです。個人番号はハローワークに行ってから記入する必要があるので、現時点では書けません。
「求職者給付等払渡希望金融機関指定届」とは失業給付金を受け取る金融機関の情報を記入する欄です。もしハローワークに行ってから記入する場合は、金融機関の情報が載った通帳などが必要なため一緒に持っていきましょう。
離職票-2
離職票-2には離職者記入欄と具体的事情記載欄(離職者用)と事業主が○を付けた離職理由の3か所確認する必要があります。
離職者記入欄にはチェックを付ける欄があるので内容を確認して丸を付けていくだけです。
続いて、具体的事情記載欄(離職者用)には同上と記入するだけで良いですが、その上にある具体的事情記載欄(事業主用)に書いてある内容を確認してからにしましょう。
最後に事業主が○を付けた離職理由の部分は内容を確認して問題なければ署名と捺印をします。
もし会社側で記載されている内容に問題がある場合は、何も記入せずにハローワークに持っていきましょう。
退職後に離職票を発行して失業給付金をもらうまで
失業保険をもらえるのは会社都合で退職した場合や、本人に仕事をする意志があって転職活動をする場合です。
そんな失業給付金をもらうまでにはいくつかの手順を踏まなければなりません。
失業給付金をもらうための準備
失業給付金をもらうには離職票を含むこれらの書類が必要となります。
・離職票-1、離職票-2
・マイナンバーカード
・身分証明書(マイナンバーカードがない場合のみ)
・証明写真2枚(写真のサイズは縦3㎝×横2.5㎝)
・印鑑(シャチハタ不可)
・失業保険の振込先情報が載っている通帳
ハローワークに行って手続する
必要書類を手に入れたらハローワークに行って以下の手続きをしましょう。
・求職申込
・雇用保険に関する説明会の参加日
求職申し込みをするのは、その人に転職活動をする意思があることを証明するために必要です。
そして提出する際には離職票の内容を確認してもらう必要があるため、協力して確認しましょう。
説明会では後ほど必要な失業認定日を教えてもらえるので、必ず覚えておいてください。
失業認定日に再びハローワークへ赴く
説明会を受けた後は本人に働く意思があることを証明するために、転職活動を少なくとも2回しておく必要があります。
そして失業認定日にハローワークに行くと失業認定申込書の記入を依頼されるので、書いて渡すと失業認定を受けられ、その5日前後に失業給付金がもらえます。
失業給付金がもらえる期間は働いていた期間や収入によって違うため、分からなければハローワークの窓口に、書類を持っていって聞きましょう。
まとめ
退職時にもらえる離職票は失業給付金をもらうために必要な書類です。そのためすぐに就職する場合など失業給付金が必要ない場合は、もらわなくても問題ありません。
そして離職票は会社から手続するため、退職前に離職票が必要なことを伝えておきましょう。手続きが進むと手元に離職票-1と離職票-2が届きます。その二つを記入してハローワークに書類と証明書などを持っていくと失業給付金の手続きが可能です。
ただすぐに失業給付金がもらえるということではなく説明会や2回の転職活動が必要になるため注意しておきましょう。