「管理職を辞めたら無責任になるの?」
「無責任と思われない辞め方が知りたい」
このような悩みを抱えている管理職の方も少なくありません。
そこで今回は、管理職を退職したら無責任になるのか、無責任にならない辞め方や注意点などについて説明していきます。
管理職が退職するのは無責任?
管理職を辞めるということは、責任ある立場を放棄するということになります。そのため、一時的に仕事に対しての対応が追いつかなくなる可能性もあります。
社内だけに留まらず社外へも影響してしまうと無責任と感じられるかもしれません。
そこで重要となるのは「どのように会社を辞めるか」が問題です。管理職であれば、最後まで責任を持って仕事をやり遂げ、事前に準備することで無責任と思われずに円満に辞めることができます。
管理職の退職が多い時期はいつ?
管理職の退職が多い時期は4月から5月です。
4月から5月付近は年度末を終え、新体制に入るために目標を設定したり事業計画などが動き出すタイミングです。そのため、会社側としても負担が極めて少ないため管理職の退職が多くなる傾向があります。
また、ボーナス支給の2ヶ月後の2月と8月は転職市場が活発となるため、退職者数も増える傾向にあります。
管理職の退職は何ヶ月前に伝えるべき?
管理職が辞めるタイミングは就業規則に沿うのではなく、繁忙期や年末年始を避けるといった考慮が必要です。
また、人員の再配置や後任者への引き継ぎなどを考えて、退職希望日の2ヶ月前までに退職を申し出ましょう。
無責任ではない?管理職の退職が多い会社の傾向とは?
管理職の方が辞めるという考えに至ってしまう会社は以下のような特徴があります。
仕事の量と給与が見合っていない
労働環境
仕事が正当に評価されない
主に、このような3つの特徴がありますので、それぞれ説明したいと思います。
仕事の量と給与が見合っていない
管理職の方が会社を辞めると決断する理由で最も多いのが仕事と賃金のバランスが悪いためです。
成果を常に問われたり、会社や部下のために頭を下げたりと管理職の苦労は絶えません。このような苦労がなかなか報われず賃金と見合わないと感じる管理職の方が多いです。
初めの頃は多く感じていた賃金も、拘束時間や苦労などを踏まえて考えてみると正当な報酬を受け取っていないと感じる方は少なくありません。
労働環境
成果主義の会社では、実績や成果を考えたマネジメントとなるため、現場からは文句や不満の声が上がったり、会社からは責任を問われたりといった状態に陥ります。
会社側から責任を押し付けられたり、パワハラまがいのことを言われたりと苦労が絶えません。
また、人手不足などにより現場業務を担うだけではなく新人の教育までも任されることもあります。
このような悪い労働環境によって辞めたいと考える管理職の方も少なくありません。
仕事が正当に評価されない
結果でしか評価されない、好き嫌いなどで評価が左右されるなど、正当に評価されない会社は離職率が非常に高い傾向にあります。
管理職だからと我慢している方でも、やがて限界がきてしまい会社を辞めるという決断に至ります。
管理職を退職しても無責任にならない退職理由とは?
これまで管理職としてプライドを持って仕事をやり遂げてきた方は、無責任と思われる辞め方はしたくないと考える方が多いでしょう。
会社を辞めるという行為は同じでも、辞め方によって周囲の印象はガラリと変わります。
そこでここからは、どのような理由であれば無責任と思われないか紹介したいと思います。
家族の介護のため
家族の介護などは自分の責任ではなくやむを得ない事情ですので、無責任と思われません。
もし、家族の介護が嘘であっても会社側や取引先も納得感のある理由となっているため、無責任と思われないでしょう。
とはいえ、会社によっては介護が必要となる証明書の提出を求められるケースもあります。そういった場合は、断っても問題ありません。
また、辞めた後に会社の方たちと会ったとしても「介護の必要がなくなった」というような説明をすれば不審がられません。
家族の介護のような「やむを得ない事情」は他にも以下のようなものがあります。
妊娠・出産
セクハラ・パワハラ・モラハラ
このような理由であれば、無責任と思われることなく会社を辞めることができるでしょう。
体調不良のため
体調不良を訴えるのも無責任と思われない理由の一つです。
ただし、会社によっては引き止めるために休職や配置転換などを提案してくる場合もあります。その倍、辞める意思が固いようなら「会社に迷惑をかけたくない」などの理由ではっきり断りましょう。
キャリアアップのため
自分の夢や目標といったキャリアアップが理由の場合も無責任とならず、会社側が引き止めにくい理由の一つです。
なかには、キャリアアップを応援してくれる方もいるため、円満に会社を辞めることができるため退職理由の中で最もおすすめです。
ただし、会社によってはキャリアアップの内容を聞かれるケースもありますので、事前に考えておくと良いでしょう。
管理職が退職を伝えるベストなタイミングとは?無責任と思われないために!
管理職の方が会社を辞めるベストなタイミング説明は以下の通りです。
繁忙期を避ける
最後まで責任持って仕事をやり遂げる
タイミングを間違えてしまうと無責任と思われてしまう可能性もありますので、十分に注意してください。
繁忙期を避ける
職種や業種、また会社によって繁忙期がいつなのか、ある程度決まっていると思います。そのため、ある程度いつなのか予測して繁忙期や繁忙期前に辞めるのは避けましょう。
会社に迷惑をかけないのはもちろん、もし現職と同じ職種や業種に転職を考えているのであれば転職先も繁忙期の可能性が高く、希望する会社や採用担当者も忙しいことが想定されます。
安易に想定することができるため、繁忙期付近に会社を辞める方に対して悪い印象を持たれる可能性が高く転職失敗することもあります。
そのため、会社を辞める時期は繁忙期は避けましょう。
最後まで責任持って仕事をやり遂げる
現在プロジェクトを任せられているのであれば、最後まで責任を持ってやり遂げてから辞めましょう。
途中で会社を辞めてしまうとプロジェクトメンバーや会社に迷惑がかかってしまいますし、引き止められる確率が高いです。
一度引き止められてしまうと、再度辞めるという報告をすることは困難になるため、やむを得ない事情がない限り、任せられている仕事があるのであれば最後まで責任を持ってやり遂げてからにしましょう。
無責任にならないために!管理職の退職に関する問題点や疑問点とは
管理職の方が会社を辞めると決断しても、さまざまな問題が生じたり疑問点が出てくると思います。
無責任と思われないように、しっかり対策を行うことが重要です。
引き継ぎについて
管理職であっても普通の社員と同様、引き継ぎを行わなければなりません。
そこで問題になってくるのが後任となる人材がいないケースです。
後任者がいないことは管理職の責任ではありませんが、「管理職に就きたくない」と考える方も多いため、後任者を決めるまで時間がかかってしまうケースもあります。
こういった場合、会社を辞めるのが遅くなってしまう可能性もあるので注意しましょう。
引き止めについて
会社側から引き止められたり、時期の見直しを提案されることも少なくありません。
無責任と思われないためには、なるべく迷惑をかけないようにするべきですが、無理な要望に関しては「意思が固いこと」「やりたいことが現職では実現できない」というような理由で断るようにしましょう。
家族の反対
会社を辞めることに対して収入が途絶えたり下がるといったことを気にかけ、家族から同意が得られない可能性もあります。
そういった場合には具体的な転職プラン、これからどうするのか詳しく説明しましょう。
管理職から平社員に戻るのはあり?
退職・転職をせずに管理職から平社員として会社に残ることを視野に入れて検討する方もいると思います。
結論からいうと、同じ会社で降格して平社員として働くことはおすすめしません。
なぜなら、周囲の目が気になってしまいますし、そもそも降格希望が受理されないこともあります。
公務員には希望降格制度というものがありますが、一般企業ではこういった制度はなく、また降格させた人事にも責任が及ぶためなかなか受理されません。
もし管理職から平社員に戻ったとしても周囲の目が気になり会社に居づらくなってしまったり、給与が減ったり、また周囲の道ベーションが下がってしまうこともあります。
このような状態になった場合、退職や転職に踏み切るというケースが多いため同じ会社で平社員に戻って働くことはあまりおすすめしません。
まとめ
これまで管理職が退職する場合について、さまざまなことを説明してきましたがいかがでしたでしょうか。
今回紹介した要点をまとめると以下のようになります。
管理職を退職しても無責任とならない
辞めることを伝えるのは2ヶ月前まで
繁忙期や繁忙期前を避けて辞める
最後まで責任を持つ
管理職の方でも会社を辞めることは可能ですが、辞める時期や理由によっては無責任と思われてしまいます。
そのため、今回紹介したことを参考に円満退職を目指しましょう。