「どのくらい無断欠勤したら解雇になるの?」
「無断欠勤してしまったけど会社にどう説明したらいいの?」
「辞めるつもりで無断欠勤するとどのようなリスクがあるの?」
さまざまな理由があり、無断欠勤してしまった際どのような行動を取ったら良いのでしょうか。
そこで今回は、どのくらい無断欠勤を続けると解雇となるのか、無断欠勤してしまったらどのようにしたらいいのか、またどのようなデメリットやリスクがあるのかなどについて説明したいと思います。
無断欠勤は解雇・退職に繋がるの?
無断欠勤が相当な期間続く場合、解雇になる可能性があります。とはいえ、無断欠勤が続いたからといって解雇が正当化されるものではなく、無断欠勤の期間・理由・態度などに影響されます。
例えば、うつ病などの精神的疾患・連絡が取れなくなるような病気やケガなどの理由によって無断欠勤している場合、直ぐに解雇されるという可能性は低いです。会社に「休職制度」がある場合、休職制度を用いて処理を行うのが一般的です。
もし、正当な理由なく無断欠勤が続いた場合には理由の確認・出勤の督促があります。このような対応にも応じない場合には解雇処分される場合もあります。
また、正当な理由もなく無断欠勤を繰り返し、注意されても改善せずに会社の業務に支障が生じた場合、「懲戒解雇」となる可能性もあるので注意しましょう。
無断欠勤何日で解雇される?
何日無断欠勤したら解雇するという明確な日数は定められていません。
東京地方裁判所では2週間以上が目安となっていますが、法的に定められているおのではありません。
また、1ヶ月程度というところもありますので、あくまでも目安として覚えておきましょう。
無断欠勤でも解雇できない場合とは?
無断欠勤が続いても以下のような場合には解雇となりません。
職場環境が原因の場合
精神疾患が原因の場合
では、なぜこのような場合には解雇できないのか説明していきます。
社内でセクハラ・パワハラ・モラハラが原因で無断欠勤となっている場合には解雇となりません。
もし、このような理由で無断欠勤が続いているとして解雇となり裁判を起こした場合、不当解雇と判断されます。
また、精神疾患が原因で無断欠勤となっている場合も同様で解雇されません。
精神疾患がある場合、従業員を休職させて治療に専念させる必要があり、職場環境が原因で無断欠勤となったときと同様、もし解雇されて裁判を起こした場合には不当解雇となります。
退職目的で無断欠勤!?解雇までの流れとは?
無断欠勤から解雇されるまでの流れは以下の通りです。
会社から連絡がくる
連絡が取れない期間が続いている・正当な理由なく欠勤している・出勤を督促しても従わない場合は警告や軽い懲戒処分を行う
「2.」を行っても改善されない場合は普通解雇の意思表示を行う
数回の無断欠勤では不当解雇となるため解雇されません。また、懲戒解雇はハードルが極めて高いため基本的には普通の解雇とされることが多いです。
【気まずい退職は避けよう!】無断欠勤してしまった際の対処法
無断欠勤してしまった場合の対処法は以下の通りです。
上司に早めに連絡する
しっかり理由を説明する
それぞれについて説明します。
上司へ早めに連絡しよう
無断欠勤してしまった場合は、早めに上司に連絡しましょう。
気が進まないと思いますが、そのままにしておくメリットは何一つありません。そのため、メールでも構わないので早めに連絡するようにしましょう。
しっかり理由を説明しよう
病気やケガなど、連絡を取れなくなってしまった場合はそのまま伝えても大丈夫です。
もし、それ以外の理由で無断欠勤してしまった場合は以下のような行動を取ることをおすすめします。
寝坊の場合:そのまま伝えずに、具合が悪くて連絡できなかったなどと伝える
仕事関係の場合:素直に話す
仕事関係の場合、そのまま伝えることで解決策を提案され、改善することもありますので、素直に伝えましょう。
無断欠勤を続けた際のデメリットとは?
無断欠勤を続けると以下のようなデメリットが起こる可能性があります。
懲戒解雇になるリスクがある
損害賠償を請求される可能性がある
懲戒解雇になる
2週間や1ヶ月程度では不当解雇となると説明しましたが、裏を返せば2週間以上や1ヶ月以上無断欠勤してしまうと解雇される可能性があるということとなります。
その際、ただの解雇ではなく「懲戒解雇」となる恐れがありますので注意しましょう。
もし懲戒解雇となってしまった場合、離職票に重責解雇と記載されるため転職するのが難しくなってしまいます。
そのため、無断欠勤を続けるのはやめましょう。
損害賠償を請求される可能性がある
無断欠勤が続いてしまうと「不正行為(民法709条)」にあたるため損害賠償を請求されるケースもあります。
仕事を無断欠勤したことによって会社が休業することとなってしまったり損害を与えてしまった場合、損賠賠償を請求されるケースもありますので注意しましょう。
退職するつもりで無断欠勤を行うのはNG!
会社を辞めるつもりで無断欠勤を続けると、転職活動の際に内定取り消しとなる可能性が高くなりますのでNGです。
転職で不利になる可能性がある
無断欠勤による解雇の場合、採用しても無断欠勤されるのではないかと不安に思われやすいため転職の際に不利となってしまいます。
とはいえ、前職を辞めた理由を聞かれた際に無断欠勤を隠すために嘘をついてしまうと経歴詐称になってしまうため注意しましょう。
連絡ができないなら退職代行を利用しよう
どうしても連絡ができない場合には退職代行を利用するのも一つの手です。
退職代行とは、その名前の通り代わりに退職の連絡や手続きを代行してくれるサービスです。費用はかかってしまいますが、会社の方たちとの接触や経歴に傷を付けることなく会社を辞めることができるため、悩んでいる方は利用を検討してみましょう。
退職者必見!無断欠勤による解雇をバレずに転職する方法!
無断欠勤による解雇は転職の際、不利になると説明しました。
では、バレずに転職することは可能なのでしょうか。バレずに転職する方法を紹介していきます。
ハローワークを使用しない
離職票には退職理由が明記されます。そのため、失業手続きを行う場合にハローワークに提出すると懲戒解雇されたということがバレてしまいます。
このような理由からハローワークを経由しての転職は難しいでしょう。また、なかには離職票の原本またはコピーの提出を求める会社もありますので、そういったケースも難しくなります。
ハローワーク以外で転職活動を行い、面接担当者が聞いてこない限り話さないようにしましょう。
賞罰欄のない履歴書を使用する
懲戒解雇された場合、履歴書の賞罰欄に記入しなければなりません。
希望の会社に賞罰欄のある履歴書を指定された場合、事実を素直に書く必要があるため応募すること自体難しいでしょう。
もし、履歴書の指定がない場合には賞罰欄のない厚労省推奨のJIS規格の履歴書を使用することをおすすめします。
退職者必見!無断欠勤して解雇となった場合の給与や失業保険はどうなる?
無断欠勤の結果、解雇となった場合の給与や失業保険はどうなるのでしょか。
それぞれいついて詳しく説明していきます。
働いた分の給与は請求できるの?
無断欠勤して会社を解雇されたとしても、それまで働いていたのであれば、その分の給与を請求することは可能です。
会社側から、支給する必要がないと訴えかけられることもあるかもしれませんが、支給されない場合には労働基準法違反となりますので、きちんと支払ってもらいましょう。
また、請求できるのはいつでも大丈夫というわけではなく、2年間と期限が決められているため注意しましょう。
期間を過ぎてしまった場合には、給与の支払い義務がなくなってしまいますので忘れないようにしてください。
失業保険は受給できるの?
無断欠勤が理由での解雇の場合、失業保険を申請できるかどうかは支給条件を満たしているかどうかで決まります。
支給条件として挙げられるのは、「雇用保険に加入してから遡ること2年のうち12ヶ月以上ある」ということです。
この期間に加入していない場合、失業保険を受給することができませんので気をつけましょう。
また、支給条件を満たしているから失業保険の申請を行っても、実際に受け取れるまでに時間がかかってしまいます。無断欠勤による解雇の場合、自己都合による退職とみなされるため受け取れるまでに3ヶ月程度かかる可能性があります。
まとめ
これまで無断欠勤ついて説明してきましたがいかがでしたでしょうか。
今回説明した要点をまとめると以下のようになります。
法的には定められていないが2週間や1ヶ月以上無断欠勤すると解雇となる
職場環境や精神疾患が原因での無断欠勤は解雇とならない
無断欠勤してしまったら早めに上司に相談する
懲戒解雇や損害賠償を請求されるリスクもある
転職の際に不利になる
正当な理由もなしに無断欠勤してしまうと、生活の糧を失いかねません。そのため、無断欠勤はせずにメールでもいいから連絡を取るようにしましょう。
また、無断欠勤の末解雇となってしまった場合、転職するときにかなり不利となってしまいます。そのため、辞める目的で無断欠勤をするのはやめて、しっかり退職の手続きを行いましょう。