「いきなり退職届を提出してもいいの?」
「退職届の正しい書き方が知りたい」
会社をやめようと考えている方は、このような悩みを抱えていると思います。
そこで今回は、退職届を提出するタイミングや正しい書き方、退職届に関する注意点を説明します。
いきなり提出するのはNG!退職願・退職届・辞表の違いとは?
「退職願」「退職届」「辞表」の違いを説明していきます。
「退職願」は、辞めることを会社に願い出るための書類です。あくまで辞めることを願い出るための書類となっているため、意思が伝われば書類ではなく口頭でも問題ありません。基本的には直属の上司に提出しましょう。
「退職届」は、辞めることが確定した後に会社に対して辞めることを届け出るための書類です。
会社によって退職届のフォーマットがある場合もあります。また、直属の上司ではなく人事部に提出したり、会社によって書類や提出先が違うためチェックしておきましょう。
「辞表」は、役員が辞める際に提出する書類です。公務員が辞める際も辞表を提出します。
退職願・退職届・辞表の違いは上記にようになっています。
また、退職願は承諾されるまで撤回することができますが、退職届は撤回することができませんので、退職届を提出する際は十分注意してください。
退職届をいきなり出すのはマナー違反?退職届を提出するタイミングとは?
結論からいうと、退職届をいきなり出すのはマナー違反です。
会社を辞める1ヶ月前に退職届を提出するのが目安でしょう。
法的には、会社をやめる2週間前に伝えれば良いとされていますが、あまりにも急だと会社に迷惑をかけてしまいます。
また、会社によっては就業規則に退職届についてのルールが定められていることもありますので、事前にチェックしておきましょう。
いきなり退職届を出すのはNG!一般的な退職の流れを紹介
一般的な退職の流れは以下の通りです。
退職願の提出
会社を辞める合意を得る
退職日の決定
退職届の提出
一般的に「退職願」を提出してから上司との話し合いに入りますが、退職願ではなく口頭で会社を辞める意思を伝えても問題ありません。
その後、上司と話し合って就業規則・会社規約・希望日などを考慮して退職日を決めます。退職日は、退職願または口頭で会社を辞めると伝えてから1〜2ヶ月後が一般的です。
できるだけ早く会社を辞めたいと考えている方は、辞める意思を伝えるときに退職日の交渉を同時に行うと良いでしょう。
忙しい上司だと、退職交渉の場を設ける時間がなくスムーズにすすめることがでずに退職日が遅れてしまう可能性もあります。なかには、わざと時間を作らない方もいますので注意しましょう。
また、退職希望日は希望日丁度または少し早めの日付を伝えるようにしましょう。
会社によって、「このプロジェクトが終わるまで」や「◯ヶ月延長して欲しい」など交渉してくる可能性があるため、それを見越した希望日を伝えましょう。
会社を辞める意思を伝えるときに退職日を決めたいと思っている方は「退職理由」と「退職希望日」を考えておきましょう。
しっかり考えておかないと、会社を辞めるまでスムーズに進まない可能性がありますので頭に入れておきましょう。
いきなりはNG!退職届に記載する項目とは?
退職届に記載する項目は以下の通りです。
宛名
退職理由
提出年月日
退職日
署名・捺印
それぞれの項目について説明します。
退職届に使用する用紙・ペン
使用する用紙で最も適しているのは、A4またはB5のコピー用紙や白紙便箋です。罫線がはい居ているものでも構いませんが、「退職届=白紙」と考えている方が多いため、白紙の方が無難でしょう。
絵柄やイラスト入りといったデザイン性のあるものは相応しくありませんので気をつけてください。
また、使用するペンは黒いボールペンや万年筆にしましょう。フリクションなどの摩擦で消えるペンは時間が経つと消える可能性があり、再提出しなければならないこともあります。そのため、使わないようにしましょう。
退職理由
本文の書き出しには、謙譲の意を表す決り文句の「私儀、」「私事、」と書きましょう。
また、退職理由については具体的に記載する必要はありません。「一身上の都合により」と記入しましょう。
提出日・退職日
提出日は退職届を記入した日付ではなく、会社に提出する日付を記入しましょう。
また、退職日に関しては上司と話し合った上で決定します。
会社を辞める前に、有給休暇の消化を考えている方もいると思います。その場合は、最終出社日を記入しないように注意しましょう。
署名・捺印
自分の名前・所属部署・所属課を記入して捺印を押しましょう。
会社によって、スケジュールによっては退職後も書類のやり取りを行わなければならない可能性もあります。そのため、必要に応じて会社を辞めた後の連絡先などを記入しておきましょう。
退職届けの折り方
退職届は三つ折りにしましょう。退職届の用紙を下3分の1から折って、上3分の1を被せるようにして三つ折りにします。
退職届を封筒に入れる際は、退職届の右上と封筒裏の右上が重なるように入れましょう。
いきなりはNG!退職届・封筒の書き方や例文を紹介!
ここからは実際に退職届や封筒の書き方を例文とともに紹介していきます。
縦書き退職届の例文
株 令 退 来 こ
式 和 職 た の
代 会 × 致 る た
表 社 年 し 令 び
取 ◯ × ま 和 一
締 ◯ 月 す × 身
役 ◯ × ︒ 年 上
社 ◯ 日 × の 退
長 月 都 職
◯ ◯ × 合 届
◯ ◯ 日 に
◯ 部 を よ
◯ ◯ も り
殿 氏 ◯ っ ︑
名 課 て
︵ ︑
捺 私
印 儀
︶ ︑
書き方のポイントは以下の通りです。
宛名の会社名は正式名称を記入
代表者名は「殿」または「様」と付ける
自分の名前・所属部署・所属課は代表者名より下に記入
横書き退職届の例文
退職届 令和×年×月×日 株式会社◯◯◯◯代表取締役社長◯◯◯◯様 ◯◯部◯◯課氏名(捺印) 私事、 このたび一身上の都合により、来たる令和×年×月×日をもって、退職致します。 以上 |
横書きも、縦書きの書き方とあまり変わりません。
横書きと縦書きの違いは以下の通りです。
日付・宛名・自分の名前が本文より先にくる
文末に「以上」を付ける
封筒の書き方
封筒は郵便番号欄がないものを使用します。
封筒表の中央に「退職届」、裏の左下に「所属部署・所属課・自分の名前」を記入します。退職届と同様、それぞれ黒いボールペンや万年筆で書きようにしましょう。
いきなり退職届を出すのはNG!退職届に関する注意点
退職届には、さまざまな注意点があります。
手書きする場合
封筒に入れる場合
郵送する場合
このように、シーン別に注意点を紹介していきます。
手書きする際の注意点
退職届を手書きで書く場合は黒いボールペンや万年筆を使用しましょう。
書く時は文章の行・列が乱れないように線引きなどをあてながら書くと良いでしょう。万が一書き損じてしまった場合、訂正するのではなく最初から書き直しましょう。
封筒に入れるときの注意点
退職届を封筒に入れる際、読み手が封筒から取り出して開いたときにすぐ読める入れ方・折り方にすことが大切です。そのため、退職届を封筒に入れる場合は封筒から取り出して退職届の書き始めが見えるように入れましょう。
また退職届が汚れてしまったり、三つ折りが曲がったり折れてしまわないように慎重に封筒に入れましょう。
郵送する際の注意点
体調不良などで退職届を直接手渡しできないこともあります。その場合、郵送で送ることができます。
退職届を郵送する場合、以下のように退職届とは別に郵送用の封筒を準備して、その中に退職届を入れましょう。
退職届の封筒が長形4号の場合、郵送用は長形3号
退職届の封筒が長形3号の場合、郵送用は角形5号
どちらも退職届と同様、白い封筒を選びましょう。
郵送用の封筒に退職届と添え状を入れて会社に送ります。
添え状の書き方は以下の通りです。
令和×年×月×日 株式会社◯◯◯◯◯◯部◯◯課◯◯様 ◯◯部◯◯課氏名 拝啓貴社ますますご清栄のことと存じ、お慶び申し上げます。このたび一身上の都合により退職させて頂くこととなりました。 同封の通り、退職届を提出させて頂きます。ご査収の程、宜しくお願い致します。短い間ではございましたが、大変お世話になりました。 末筆ながら、貴社のご健勝をお祈り申し上げます。 敬具 |
封筒に入れる際は添え状を上にして退職届を下に入れましょう。
郵送用の封筒に宛名を書く際は、左下に赤いボールペンで「親展」と記載しましょう。これは、宛名本人以外は開けないでという意味を持つため忘れずに記載しておきましょう。
封筒裏の左下に自分の住所・名前を記載し、中身をしっかりチェックしてから封を閉じて「〆」と記載しましょう。
郵送する場合、自分で切手は貼らずに窓口で切手を貼り、会社側にちゃんと届いたかチェックするために「配達証明」を付けておきましょう。
まとめ
これまで退職届の提出時期や書き方、注意点などについて説明してきましたがいかがでしたでしょうか。
今回紹介した要点をまとめると以下の通りです。
いきなり退職届を提出するのはマナー違反
退職届は会社を辞める1ヶ月前に提出する
退職届は提出してしまうと撤回できない
郵送するときは退職届より一回り大きな封筒を用意する
郵送するときは添え状も一緒に入れる
円満に辞めるためにも、これまでお世話になった感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
今回紹介したことを参考に、会社を辞めるまでのスケジュールをスムーズに進めてください。