「退職前の有給消化中でも貰えるの?」
「有給休暇取得を拒否された場合の対処法が知りたい」
このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、有給休暇消化中にボーナス支給日が重なった場合ボーナスを貰えるのか、有給休暇取得を拒否された場合の対処法などについて説明していきます。
退職時の有給休暇消化中にボーナス支給日が重なった場合どうなる?
会社を辞める前の有給消化中にボーナスの支給日が重なった場合、ボーナスを貰うことができるかどうか説明していきます。
就業規則によって異なる
会社を辞める前の有給休暇とボーナスの支給日が重なった場合、算定機関に働いていればボーナス支給対象となるため受け取ることが可能です。
とはいえ、会社で定められている就業規則によるため事前にチェックしておく必要があります。また、就業規則ではなく「労働協約」や「労働契約」に記載がある場合もありますのでチェックしておきましょう。
ボーナスの支給条件は法律で定まっていない
ボーナスに関する法律はありません。そのため、会社によってはボーナスがないところもありますし、会社の業績次第というところもあります。
また、人事評価によって支給金額が変わることも多いため、会社側に一定の裁量があるといえますので、退職日まで有給消化関連で出勤日数が少ない場合「実際に働いていない」などの理由で支給しないという結果になっても法律上、何の問題もありません。
また、ボーナス支給日の時期や回数も会社側が定めます。
一般的に夏と冬の年2回という会社が多いですが、なかには年1回や年3回という会社もあります。そのため、就業規則などをしっかりチェックする必要があります。
【退職時のボーナスについて】そもそも有給休暇とは?時効はあるの?
有給休暇は正式には「年次有給休暇」といい、給与が支払われる休暇日のことです。
有給休暇は、「雇われた日から6ヶ月継続経過している」「その期間中の全労働日の8割以上出勤している」この2つの条件を満たすことで発生します。
有給休暇の日数は勤務期間に比例する
有給休暇の日数は「原則的な日数」で決まります。
原則的な日数では、年10日の有給休暇が付与されます。その後、以下のように1年毎に日数が増えていきます。
6ヶ月:10日
1年6ヶ月:11日
2年6ヶ月:12日
3年6ヶ月:14日
4年6ヶ月16日
5年6ヶ月:18日
6年6ヶ月:20日
継続年数が6年6ヶ月となった場合、有給休暇は年20日となります。勤続年数が6年6ヶ月以上となっても、これ以上有給休暇は増えません。
また、パートやアルバイトなどの場合には「比例付与日数」で決まります。
比例付与の日数では週の所定労働時間が30時間未満の場合、勤務日数によって有給休暇の日数が決まります。
有給休暇は基本的にいつでも自由に取得可能
有給休暇は労働者の正当な権利ですので、本人の意思次第でいつでも自由に取得することができます。
会社側は拒否することはできませんが、時季変更権というものは存在しますので、タイミングを変えることはできます。
とはいえ、仕事のことを無視して好き勝手に休んでも法的には問題ありませんが、同じプロジェクトのメンバーに迷惑がかかることも事実です。また、その分のしわ寄せがくる可能性もあるため、迷惑とならない時期に取得する方がおすすめです。
有給休暇に時効があるって本当なの?
有給休暇には時効があります。上記で説明した条件を満たせば有給休暇が発生しますが、2年を経過すると時効によって、その権利が消滅してしまいます。
2年までは繰り越しますが、2年を経過すると消滅してしまうため、消滅する前に消化する方が良いでしょう。
【ボーナスにも関係する?】退職時に有給休暇を全て消化しても良い?
会社側は有給休暇の申請を拒否することはできないため、会社を辞めることが決定した後からでも残っている全ての有給休暇を取得することができますし、全てまとめて消化してもOKです。
有給休暇取得の理由も伝える必要もありません。
ただし、会社を辞めるからといってエゴイスティックな休み方をするのは良くないため、退職日・最終出勤日・引き継ぎのスケジュールなどを上司と話し合ってから決めましょう。
また、有給休暇は会社に在籍している機関でしか取得することはできませんので注意してください。
退職前に気持ちよく有給消化に入れる方法(たとえボーナスがもらえなくても)
有給休暇を残っている日数分全て消化したいと伝えにくいという方は以下のステップを参考にしてください。
残り有給休暇日数を把握
「転職活動などで思ったより有給休暇を使用していた」など、後から慌てることがないように残りの日数を把握しておきましょう。
また、リフレッシュ休暇といった特別休暇制度が利用できる会社もあります。
早めに有給消化の意思を伝えて退職までのスケジューリングをしっかりする
上司や会社と話し合って退職日・最終出勤日を決めた上で、会社を辞めるまでの引き継ぎスケジュールと共に有給休暇消化のスケジュールを組みましょう。
有給休暇を消化したいと考えている方は、早めに伝えましょう。できれば会社を辞める旨を伝えるときに一緒に伝えておくとスムーズに進められるでしょう。
有給休暇消化したい旨を一方的に伝えるのではなく、引き継ぎ期間も考慮していると説明することが大切です。
引き継ぎをしっかり行う
会社を辞めてから社内や取引先などに迷惑をかけないようにするのが社会人としてのマナーです。
会社の人には業務の引き継ぎがスムーズに行えるように、引き継ぎ用のマニュアルや資料を作っておきましょう。また、取引先に対しては後任者を紹介するなど自分が辞めた後にトラブルとならないようにしっかり引き継ぎをしておきましょう。
また、会社を辞める前までに会社から借りているものを返却したり、デスク周りやロッカーなども整理しておきましょう。
【ボーナスはもらえる?】退職前の有給消化を拒否された場合の対処法
会社によっては有給休暇の取得を拒否される場合もあります。
どのようなトラブルや対処法があるのか説明していきます。
引き継ぎ期間に余裕はあるかチェック
会社や後任者に迷惑をかけないように、引き継ぎ期間は十分あるのか再度チェックしましょう。
会社の合意を得られるかは、自分勝手に決めていないかが重要です。会社に迷惑をかけない時期に、会社を辞めたい意思が固いこと、引き継ぎをしっかり行うことを伝えましょう。
退職日を遅延する
さまざまな理由で有給休暇の取得を渋られることもあります。その場合は、退職日を遅延することを条件に有給休暇を全て消化させてもらえるか交渉しましょう。
有給休暇を取得しようと思っていた日に会社に行くこととなってしまいますが、有給休暇を全て消化することができます。
引き止めには冷静に対応する
会社を辞める際、「後任が見つかるまで」などと上司に引き止められるケースもありますが、すぐに見つかるとは限らず、辞めるのが遅れてしまう可能性が高いです。
後任となる人がまだ決まっていない状態でも責任を感じて有給休暇取得を諦めたり、退職日を遅延する必要はありません。
スムーズに業務を進められるようにマニュアルや資料を作成したり、上司に共有しておけば問題ないでしょう。
解決しそうにない場合
もし上司に有給休暇取得を拒否された場合、人事部に相談しましょう。
それでも解決しない場合には「労働基準監督署」や「労働局」に相談することをおすすめします。
有給休暇買取を交渉する
残っている有給休暇を全て消化することに会社が渋った場合、有給休暇買取を交渉しましょう。
労働基準法では原則として買取を認めていませんが、会社を辞めることが決定して退職日を確定している労働者に対しては例外として退職日までに使いきれなかった日数分の有給休暇を買い取ってもらうことができます。
ただし、有給休暇の買い取りが認められるのは労働者本人が希望する場合にのみですので、しっかり頭に入れておきましょう。
ボーナスを減額されることもある?退職時の有給に関する疑問
有給休暇に関する疑問について説明していきます。
有給休暇消化中に転職先で働き始めてもOK?
有給休暇の消化中に転職先で働くことはできますが「二重労働」となってしまうため、減給や懲戒免職などのペナルティが課せられる可能性もあります。
とはいえ、会社によって異なりますので、就業規則をチェックしましょう。
もし転職先から「有給休暇の消化中でもいいから出勤して欲しい」と伝えられた場合、必ず現職の上司や人事部の方に相談するようにしましょう。
ボーナスが減らされることはある?
ボーナスに関する法律はないため、会社の就業規則によって異なります。
有給休暇の消化中であることや、退職予定であることなどから減額されることはありますので、就業規則をチェックしておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回説明した要点をまとめると以下のようになります。
基本的には有給休暇消化中にボーナス支給日が重なっても支給される
就業規則によっては減額や支給されないケースもある
有給休暇には2年の期限がある
有給休暇は勤続年数によって変わる
労働者本人が希望した場合、有給休暇を買い取ってもらえる
退職する前に有給休暇を消化しようと考えている場合、引き継ぎ期間を十分に設けたり会社に迷惑にならない時期に申し出て、渋られないようにしましょう。