面接に受かり、アルバイト初日に仕事をこなしてみたけれど、想像と違ったもしくは求人情報に記載されていた内容と全く違う仕事内容だったというケースは意外と多いです。働いてみなければわからないところもあるため、時給の割に仕事内容がキツく、続けることで体調に支障をきたすほど相性が悪いこともあるでしょう。
このような事態に陥った時頭に浮かぶのは、「今すぐ辞めたい」。しかしバイト初日で辞めると告げてもよいのか、最低でも3ヶ月は続けるべきかと悩んでいるかもしれません。新しいアルバイトが入ってすぐ辞めるとバイト先に迷惑をかけるのでは、と不安になるのは普通です。
そこで、今回はバイトを1日目で辞めても大丈夫なのか?その方法やリスクについても解説します。バイトの退職について悩んでいる人は、参考にしてみてください。
バイトを一日でやめてもいい?
バイトを1日で辞めること自体は、あまりおすすめできる行為ではありません。理由によっては、続けてみた方がよいこともあります。でも「退職したい」と思いながらアルバイトを続けていると、いずれ間違いなく限界がくるでしょう。
しかし限界がきた時は、すでに仕事を覚えきってしまっているかもしれません。アルバイト先で覚えた仕事やスキルが他の店舗で利用できるとは限らないため、労力が無駄になってしまう可能性が高いです。無駄な時間を過ごすより、初日で辞めて次のアルバイト先を探し、そこで仕事を続けた方が有意義に時間を使えることは間違いありません。
また、アルバイト先にとってもやっと一人前になったバイトが辞めてしまうのは痛手。新しいアルバイトを採用し教育の手間が2度かかるより、長く続けてくれる人を採用して教育する方がよいのは明確です。アルバイトを雇ってすぐは仕事ができないのは当たり前。しかし教育期間中も一定の人件費は必要なため、会社にとっても新人教育は短い方が喜ばれます。
もちろん長期で続ける方がよいですが、数ヶ月経って辞めるくらいなら、即日退職をした方がお互いのためにもなるはずです。
バイトを一日でやめるリスクとは?
アルバイトやパートは非正規雇用ですが、れっきとした仕事です。一度入るとスタッフとの人間関係が構築され、他人ではなくなります。即日退職してしまったアルバイト先のスタッフとばったり出会ってしまうと、気まずい思いをするかもしれません。
また、1日で辞めると人間関係以外のリスクもあります。退職後焦らないように、知っておきましょう。
給料がもらえない可能性がある
たとえ労働日が1日のみでも、働いた時間分の給料は当然発生しており、支払わないのは違法です。しかし初日で辞めてしまうと、支払われないケースも見受けられます。
大手チェーンの飲食店やスーパーなどであれば、どのような場合でも働いた分の給料は支払いされる場合が多いです。ただ個人経営の店舗だと、まれに支払われないことも。個人経営の店舗は採用してすぐ銀行への手続きができず、初月の給料は手渡しとされているケースもあります。
手渡しだと給料を直接受け取りに行かなければなりませんが、迷惑をかけてしまった以上店舗に行けず、そのまま諦めてしまうこともあるでしょう。
もちろん働いた分の給料を支払わないのは違法なため、申し立てれば受け取ることができます。支払われない場合は検討してみてください。
退職後お店を利用できなくなる
即日退職をすると少なからず迷惑をかけてしまうので、後ろめたさからスタッフと顔を合わせるのは気まずいというのが心情ではないでしょうか。
普段利用しないお店もしくは、他にも同系統のお店があれば問題ないでしょう。しかし普段からよく利用しているお店であれば、私生活に支障が出ることもあり得ます。
制服などの返却が気まずい
多くの飲食店では、靴は私物もしくは買取ですが、制服は貸し出し制になっていることが多いです。丈夫な服なため買取は高額になりやすいという理由からですが、貸し出しされている以上、きちんと返却するのがマナーです。
クリーニングを行い、店舗へ直接持っていくのが返却時の一般的な方法。しかし即日退職をしてしまうと、どうしても店舗には出向きづらいものです。返却に行く勇気が出なければ、郵送で送る手もあります。送料はかかりますが、返却せずに放置していると罰則金が給料から天引きされる可能性もあるため、送付した方が結果的な出費は抑えられるでしょう。
損害賠償を請求される可能性がある
そもそもアルバイトの採用には、多くの手間や費用がかかっています。求人サイトへ提示することひとつとっても、費用がかかるもの。さらに面接や選考なども、店長や責任者は時間を割いて行なっています。
そのため1日で退職されてしまうと、これまでの手間が全て無駄となり、もう1度採用までの工程を行わなければなりません。このような点が「会社に損害を与えた」と取られれば、損害賠償を請求される可能性もあります。
正直なところ、アルバイトへ損害賠償をするのはハードルが高いので、実際に訴えられることはほぼありませんがリスクがあるということは知っておきましょう。損害賠償請求されるリスクを負いたくないのであれば、2週間は我慢して在職するのをおすすめします。
バイトを一日でやめるためのポイント
行動を起こす前に、アルバイトを初日で退職する際の注意点と方法をチェックしておきましょう。トラブルを避けるためにも大切なことです。
まずは契約書をチェック
アルバイトやパートであっても、入社の際は契約書や就業規則を配布されるはずです。店長や責任者に退職の相談をする前に、まずはこの書類を確認しておきましょう。
また会社によってはアルバイトでも退職届が必要な場合があります。規則に「退職の際は退職届を提出すること」とあれば、事前に作成しておくとよいでしょう。
店長の合意を得る
法律上では労働者が、「2週間前に退職を申し出る」ことで問題なく退職できるとされています。少なくとも2週間以上前に退職の意思を報告しなければなりません。
バックレなどはもってのほか。きちんと合意を得て辞めることを心がけましょう。
バイト一日目で「やめる」と伝える場合に気をつけること
初日で辞めたいなら、伝え方には十分注意する必要があります。通常の退職より反感をかうリスクは高いので、以下のことは必ず守ってください。
あくまで自分に非があるという体で伝える
たとえ、本当の退職理由が「仕事内容が嫌」「時給に見合ってない」という待遇への不満だったとしても、そのまま正直に伝えるのは避けた方が無難。自分が経営・管理している職場を悪く言われるのは、気分が悪いものです。「1日しか働いていないのに」と余計な顰蹙をかうことすらあり得ます。
退職理由は、あくまで自分に非がある体で伝えるようにしましょう。上記のような理由でも「自分の体力ではついていけない」など言い方を変えることで、印象が変わります。
そして最後にはしっかり謝罪しておくことで、無用なトラブルに発展させず円満に退職できるでしょう。
喧嘩腰にならない
「今日で辞めたい」と伝えても多くの場合怒られることはありません。ただこれは、店長や責任者の性格にもよるため、最悪の場合強く叱られることはあり得ます。
この時何を言われても言い返すのはやめておいたほうがよいでしょう。初日で退職するのはこちらの都合であり、迷惑をかけるのは間違いないので、ある程度叱られるのは仕方がありません。
売り言葉に買い言葉で喧嘩に発展しないよう、不満はグッと堪えて大人な対応を心がけるのが大切です。
店長の要望にはできるだけ答えよう
店長から「辞めるのはいいけど何日待って」、「シフト分は出勤してもらえない?」と交渉されることもあるでしょう。このような場合、承諾すると円満に退職できる可能性が上がります。
ただし出勤日を任せきりにしていると、辞めるからといって常識はずれなシフトを組まれることも。出勤日数と時間を調整してもらうのは忘れないようにしてください。
もし要望に応えられそうにないなら、無理をせずきちんと断るようにしましょう。
バイトを一日でやめる場合退職の相談をメールでしてもいい?
退職の相談をすると何を言われるかわからないという理由から面と向かって伝えづらいと感じている人は珍しくありません。実際メールやラインなど文面で伝えてもよいのか?について見ていきましょう。
退職の相談はできるだけ口頭で
退職の相談は、口頭で行うのがマナー。メールやラインでの連絡は、入院などよほどの事情がない限り許されていません。
しかし「大切な相談があるので時間を作ってください」と連絡するのは認められているので、アポイントメントを取るのに使う程度に止めておきましょう。
どうしても直接伝えられないなら電話で伝えよう
どうしても言い出せずに結局帰宅してしまった…ということもあるでしょう。対面で伝える勇気が出ないなら、まずは電話で相談してみる手段もあります。
電話で退職に関する相談を入れれば、店長や責任者から「とりあえず話し合いをしたい
から店に来て」と言われるかもしれませんが、この場合相手から切り出してもらえるため心理的負担は軽減されます。
本当はマナー違反ですが、「どうしてもいい出す勇気が出なくて」と謝れば、責められることもないでしょう。
まとめ
アルバイトは、1日勤務するだけで大方の仕事内容や人間関係がわかることが多いです。そのため、1度退職したいと感じるとそれが覆ることはほとんどないでしょう。
もちろん続けなければわからないことも多くありますが、だからといって無理をして続けると限界を迎え、大幅な時間をロスしかねません。
即日退職は店長や責任者の合意があって、始めて認められるため、必ず相談してから退職するよう心がけてください。話し合いは難航するかもしれませんが、退職の意思を真摯に伝え、承諾してもらえるよう根気強く交渉しましょう。