アルバイトを始めてから1ヶ月も経過すれば、仕事の流れや自分の役割がわかってくるもの。職場にも慣れて、アルバイト仲間の性格も大体理解し始めるのが1ヶ月目です。
しかしある調査によると、「1ヶ月でアルバイト・パートを退職した経験があるか?」という質問に対し、約50%の人は1ヶ月以内に退職した経験があると答えた結果が出ています。
1ヶ月目といえば研修期間なことが多いため、「研修中なのに辞めてもいいのか?」「長期契約で入社したのに、退職したいと伝えるのは違反になる?」と悩むこともあるでしょう。
そこで今回は、1ヶ月でアルバイトを退職できるのか?や退職に関するノウハウをご紹介。ぜひ、参考にしてみてください。
「1ヶ月目でバイトを辞めたい」は通用する?
実際のところ「1ヶ月で辞めたい」は通用するのか?ですが、この質問に対する答えは「通用する」です。たとえ面接時に長期で契約していたとしても、特別問題になることはないでしょう。退職までの期間に余裕を持たせて申告すれば、引き止められることはあれど、叱責される可能性は低いです。
また1ヶ月しか勤務していないと、「退職するには早すぎるのでは?」と焦るかもしれません。しかし実際は、早めに報告することさえ守ればそれが原因でトラブルになることはほとんどないといえます。
退職希望日の2週間前に申し出れば辞められる
法律上では、「2週間前に申し出ること」で退職可能とされています。このように、退職までの期間が問題視されることはありますが、勤務月数が短いからと退職自体を拒否されることは滅多にありません。
しかし一般的には、アルバイトであっても1ヶ月前までに申告するのが暗黙の了解とされているため、気持ちに余裕があり円満に退職することを第一の目標としているならこれに従うのがよいでしょう。
退職までの期間が1ヶ月もあれば、次のアルバイト店員を探す余裕は十分にあるといえます。バイト先の店舗にとっても、人手不足で悩む期間が少なくなるので親切です。
やむを得ない事情があれば辞められる
もしやむを得ない事情があって、退職したい・退職しなければならないと考えているのであれば、店長に相談してみましょう。法律上では、雇用主と労働者お互いの合意さえ得られるなら「2週間前までに申し出る」を守らなくても構わないとされています。
たとえ研修期間中であっても辞めさせてもらえないことはないので、無理をせず相談してみてください。
1ヶ月でバイトを辞めたいと考える人は意外と多い!
普段は他人の「退職までの期間」や「アルバイトの勤続年数」などを知る機会はほとんどないため、目安が分からず「1ヶ月で退職するのは早すぎるかも」と焦るかもしれません。しかし、冒頭で触れたように実際は50%の人が「アルバイトやパートを1ヶ月で辞めた経験」を持っています。
ただ短期間で退職してしまうことで逃げグセがついてしまったり、続けられなかったことへの罪悪感を感じる、次回のアルバイトが受かりにくくなってしまうなどのデメリットも。バイトを辞めたあとで後悔することがないよう、勢いで退職しないことが大切です。まずは冷静になって「本当に辞めたいのか?」を自問自答してみましょう。
無理して在職する必要はない
退職すべきかしっかり考えたのち、やはり続けることがむずかしいと感じたら無理せず退職を選びましょう。「ほかのスタッフに迷惑をかけるかも」と思うかもしれませんが、それはいつ辞めても同じこと。むしろ研修中の身で辞める方が、店舗へのダメージは少ないはずです。
特に理不尽なことで怒られたりすることが多い、「ブラックバイト」で働いているのであれば、自分の身を守るためにも退職を考えるべきといえます。無理をして続け、体を壊してしまっては元も子もありません。
アルバイトは代わりがきく仕事な分、労働者もよりよい関係を求めて転職することができます。環境を自分で選べるのは、アルバイトの特権です。このように、考え方を変えてみることで楽になるのではないでしょうか。
【バイト歴1ヶ月】辞めたいと伝える方法は?
アルバイトやパートを退職する際は、必ず店長や責任者へ辞意を報告する必要があります。円滑に退職できるかトラブルになるかは、この時の伝え方によって決まるといっても過言ではありません。
たとえ1ヶ月しか働いていなくとも、責任を持って退職までの行動をするようにしましょう。以下のことを気をつけていれば、基本的にトラブルにつながることはないはずです。
店長や責任者へ直接相談する
退職の相談をする相手は、店長など「その店舗内での最高責任者」にあたる人です。そして基本的に直接相談するようにしましょう。
継続勤務日数が1ヶ月と少ないことから言い出しにくいかもしれませんが、置き手紙やほかのスタッフを介して伝えるのはマナー違反。自分で退職の意思と退職日、退職理由などを伝えるようにしてください。
メールやラインでの連絡は原則NG
メールやラインで一方的に退職を伝えるのは原則タブーとされています。ただし、込み入った事情がある場合は許可される可能性が高いです。深夜勤務など勤務体制が特殊で、責任者となかなか会えないのであればメールやラインで伝えるとよいでしょう。
ほかにも事前に退職の意思だけをメールやラインで連絡しておき、「詳しいことは次回出勤日に話し合いたい」と伝える方法もあります。事前に連絡しておけば伝えやすくなるほか、相手も心構えができるのでお互いにとってもメリットが多いです。
ただメールやラインで伝える際の文章は、失礼にならないよう十分気をつけてください。
時間帯を見計らって伝えよう
時間帯を見計らって伝えるのも大切なポイント。忙しい時間帯とそうでない時間帯の差が大きい飲食店などは、特に注意するべきです。
忙しい時間帯は、店長もピリピリしているので手を止めることもマナーとしてはよくありません。また、そのようなタイミングで退職に関することなどネガティブな話を切り出されると、ムッとしてしまうのが人間の心情。もちろん、店長の機嫌が悪そうな時も、同様の理由で避けた方が無難です。
相手の状況や感情を読んで、言い出すタイミングを見計らいましょう。
また、出勤してすぐのタイミングに切り出すのもあまりおすすめできません。どのような切り返しが来るか分からない以上、その日の仕事に影響が出そうなタイミングは避けるべきです。出勤の際に伝えるのであれば、「相談したいことがあるので、今日の閉店後(上がり時間後)お時間をいただけますか?」とアポイントメントを取る程度に留めておいたほうがよいでしょう。
閉店後や休憩中、平日の比較的空いている日に伝えるのがおすすめです。
【バイト歴1ヶ月】円滑にバイトを辞めたいなら注意すること
ここからは、円滑にアルバイトを辞めるためのポイントをご紹介します。これは、次回の退職以降にも注意しなければならないポイントなので、覚えておいて損はないでしょう。
できるだけ店長の要望に応える
人手不足な状況であれば、たとえ研修生であってもいてほしいもの。1ヶ月勤務している人はそれなりに仕事もできるようになっているので、辞めてほしくないというのが責任者の本音です。
そのため引き止められてしまうこともあるでしょう。もし店長や責任者から常識の範囲内の要望を受けたら、できるだけ答えるのが円満退職のコツ。相手も「ここまで貢献してくれたのだから笑顔で送り出してあげなければ」と、感謝の気持ちをもつものです。
とはいえ、言いなりになりすぎていつまで経っても退職できないという事態になってはよくないので、無理なことははっきり断っておいてください。「最低限のライン」を伝えると交渉もスムーズにいくはずです。
シフトに穴を開けない
シフトに穴を開けないのは、なによりも大切なこと。飲食店はそもそも雇っている人数が少なく、夜と昼で分けると常に人手不足なんていうことは珍しくありません。
まるでパズルのようにシフトを組んでいるケースも多く、このような状況下でシフトに穴を開けてしまうとほかのスタッフにまで迷惑がかかるのは明白です。
もし出勤がむずかしいシフトであれば少なくとも数日前には相談するようにしましょう。そしてバックレ退職だけは絶対に避けてください。
【バイト歴1ヶ月】辞めたいという気持ちを次のバイト探しに生かそう
退職する前に、「どうして辞めたいのか?」と辞めたい原因を突き止めてみましょう。時給や仕事内容が理由で退職を考えているなら、次のアルバイトを探す前に最低ラインを決めておくことで、次回からの退職に関する原因を潰すことができます。
人間関係などが原因の場合、入ってみなければ不明なのでむずかしいところ。しかし、スタッフの雰囲気は客として来店するだけでもわかることがあります。暇そうな時間に来店して、雑談をしているか怒られている人はいないかなどチェックしてみましょう。
実際の仕事内容などが原因の場合でも、ネットが発達している今なら検索するだけで簡単に調査が可能。友達に同業種でアルバイトしている人がいれば、仕事内容について尋ねてみるのもおすすめです。生の声を聞けるので、よりイメージしやすいでしょう。
このように、今回の経験を次回のバイト探しに生かして、次からは自分に合ったアルバイトを探してみてください。
まとめ
バイトを1ヶ月で辞めたいと考える人は、決して珍しくありません。ただ退職は勢いだけで決めず、1度立ち止まって冷静になることも重要。少しでも未練を感じたら、今は退職を踏みとどまったほうがよいかもしれません。
新人時代は怖かった先輩でも、仕事を覚えるごとに優しくなったりすることも。続けなければわからないことはあるので、もう1ヶ月我慢してみてもよいでしょう。
しかし出勤ごとに「退職」の2文字が頭に浮かんで離れないようであれば、辞意が覆ることはないかもしれません。このまま続けることのメリットとデメリットを天秤にかけ、自分にとってよりよい手段を導き出していってください。