アルバイトはどれも徹底したマニュアルが用意されている作業なため、日本語ができれば誰でも働くことができます。仕事内容もむずかしくないので、1週間も勤務すれば仕事内容や流れなど理解することが可能。そのため、面接や求人ではわからなかった職場の問題点が浮き彫りになってきます。
人によって退職を決意する原因は異なりますが、「今すぐに辞めたい」と思うことは珍しくありません。しかし労働期間が短いことから、退職できるか悩むこともあるでしょう。
この記事ではそんな悩める人のために、1週間で辞めるとどうなるのか?退職の際注意するポイントや引き止められた場合の対処法まで徹底的に解説しているので、参考にしてみてください。
バイト1週間で辞めたいは通用する?
そもそもアルバイトが「1週間で辞めたい」というのは、通用するのか?ですが、その答えはイエス。ただし退職のためには条件があるので、事前にチェックしておきましょう。
店長の合意を得られれば辞められる
アルバイトやパートであっても、契約期間が満了するまでは勤め続けるべきです。長期
で雇われているか短期で雇われているかにもよりますが、長期なら最低でも3ヶ月程度が目安。世間でよく言われている「最低でも3ヶ月勤めてみるべき」は、3ヶ月で仕事が覚えられるという理由もありますが、これが大きな所以です。
しかし民法には『契約自由の原則』が認められているため、店長や責任者の合意さえ得られれば契約中でも退職することはできます。
退職の相談を持ちかける際は、職場の文句は言わずあくまで自分に非があると主張しましょう。無用な反感をかわないためにも大切なことです。
やむを得ない事情がある場合は辞められる
やむを得ない事情があっても上記の場合と同様に、店長や責任者の合意を得なければなりません。基本的に、「入院することになった」「唐突に引っ越しを余儀なくされた」など、誰しもがやむを得ないと感じる事情であれば間違いなくスムーズに承認されます。
退職するのも仕方がないと思われるほどの事情で退職を考えているなら、考え込まず相談してみるのが1番。想像していたよりすんなり辞められるかもしれません。
1週間でバイトを辞めたいと思ったら一先ず店長へ相談を
1週間は、勤務日数としては非常に短いです。本来、退職するのであれば希望日の1ヶ月前に伝えておくのがマナー。就業規則に沿って報告していれば、大抵の場合問題なく承認されるはずです。
ただ、これは退職希望日までに1ヶ月ほど余裕を持たせて報告した場合であり、今すぐ辞めたいとなると拒否される可能性もあります。それでも相談してみることでしぶしぶ合意してもらえることもあるので、まずは自分の気持ちを伝えてみましょう。
法律上2週間前には相談しておく必要がある
民法には、「退職日の2週間前に申し出る」と定められています。無断欠勤をしたりバックレたりしてこれを破ってしまうと、違法行為として損害賠償を請求されてしまうケースも。
退職するのであれば、最低でも2週間は出勤するべきです。それでも、どうしても我慢できないなら店長や責任者へ交渉し、合意を得るしか方法はありません。
【1週間で辞めたい】バイトを1週間で退職するリスクとは?
店長や責任者へ相談する前に、1週間で退職することで起こるリスクについて見ておきましょう。以下は実際に起こり得ることですが、トラブルを避けられるかどうかは店長の性格にもよります。
社会人としての常識を持ち合わせている店長であれば、以下のことはほとんど起こらないでしょう。ただパワハラ気質だったり、感情に任せて行動してしまうタイプだとこのようなトラブルに発展してしまうどころか嫌がらせをしてきたり、異常なまでに怒り出すことも考えられます。
1週間の勤務でもある程度性格は把握できているはずなので、相談するかどうかは店長の性格も加味して検討しましょう。
不安に思うことがあれば、最低でも1ヶ月は在職して円満に退職するべきです。
給料がもらえない可能性がある
たとえ1週間という短い期間だったとしても、働いていればその分の給料を支払うのが雇用主の義務です。法律上でも労働者は手厚く守られており、給料の未払いがあってはならないとされています。
現在はほとんどの企業が銀行振込を利用しているため、働いた期間が短いからといって給料が未払いになることはほとんどありません。しかし、ごくまれに給料が受け取れないケースもあるようです。
もし振り込まれなかったり、支払いを拒否されたとしても諦めずに申し立てることで受け取ることができるため、安心してください。
働いた分をお給料として受け取るのは、労働者としての当然の権利。まずは労働基準監督署へ相談してみましょう。
退職手続きをしてもらえない可能性がある
そもそも法律上で退職までの最短期間は、2週間と決められています。そのためこれ以上素早く退職したいのであれば、店長か責任者の合意を得るほかありません。雇用主側には合意する義務はないので、断られても不服を申し立てることは不可能。こちらの立場は非常に弱いと考えておきましょう。
相談しても合意を得られなかった場合、諦めて2週間働くしかありません。社会人としてまともな店長であれば、非常識なシフトを組まれたりわざと冷たく接する嫌がらせをすることもまずないはずです。
その後気まずくなることはあまり考えられないので、とりあえず相談してみるという感覚で気軽に申し出てみるとよいでしょう。
【1週間で辞めたい】円滑にバイトを辞めるための退職理由
勤務日数が1週間と短かったとしても、比較的円滑に退職できる理由についてご紹介します。ただこれはあくまでも一例であり、やむを得ない事情で退職するのであればそのまま伝えるのがおすすめ。
しかし、以下の理由を伝えたからといって必ずしも即日退職できるわけではありません。注意しておきましょう。
そして退職理由の最大のポイントは、急に決まったことや急ぎであると強調することです。どうしても今すぐ辞める必要があるという裏付けをすることで、トラブルを避けつつ退職が可能になります。
親に今すぐやめろと言われた
これはあなたが未成年であれば、使える理由です。「成績が下がってしまったので、バイトを辞めろと言われている」と事情を話すことで、理解してもらえるでしょう。
未成年は親の保護下にあるため、本人より親の意見の方が通りがちです。そこには勤務先も介入することができません。それに、「学生の本分は勉学」ということは店長や責任者も理解しているので、強く引き止められることもないでしょう。
身内の会社に就職が決まった
18歳以上であれば使えるのが、就職が決まったという退職理由です。誰しもが、バイト<就職なのは当然であり、これからの人生のためにもバイト先が就職を否定することはできません。
ここでポイントとなるのは、就職先が身内の会社であるという点。通常の就職活動であれば、事前に申し出る時間の余裕があるので即日退職の理由としては不向きですが、身内の経営している会社なら唐突に入社が決まっても不自然ではありません。
「人手が減って困っているので、急ぎで入社してほしい」と言われていると伝えれば、しぶしぶながら了承してもらえるでしょう。
親・祖父母の介護をすることになった
親や祖父母が倒れた、もしくは病気になったので介護が必要になったというのもよくある退職理由です。「親戚中当たってみたがアルバイトの自分以外介護できない」「どうしても人手が必要だからと頼まれてしまった」と伝えれば、承諾されやすいでしょう。
急ぎであることを強調するのが、最短で退職するためのポイントです。
【1週間で辞めたい】バイト先から引き止められた場合の対処法
アルバイトの採用には、費用や手間がかかっているもの。教育期間を考えると、何度も新しいアルバイトを募集するよりも、ひとりのアルバイトに長期で働いてほしいというのが雇用主の本音です。
そのため退職理由がやむを得ない場合を除き、引き止められてしまう可能性は十分にあります。あなたが優秀な人材であれば、店舗としては続けてほしいので、尚更必死になって引き止めるでしょう。
もし、店長や責任者から引き止められてしまったら辞意が固いことを理解してもらうため、退職の意思を伝えるのがベスト。時間はかかるかもしれませんが、真摯に根気強く伝え続けることでいずれ合意を得られるはずです。
また退職日の2週間前に伝えていたにもかかわらず、辞めさせてもらえないのであれば、労働基準監督署へ相談してください。ブラックバイトで、店長や責任者と話が通じない場合は、ほかの社員へ相談することも検討してみましょう。
まとめ
1週間でアルバイトを「辞めたい」と考えることは珍しくありません。しかし、実際退職までの期間は最短でも2週間かかるもの。「今すぐ」辞めたいのであれば、店長や責任者の合意を得る方法しかありません。
もし承諾が得られなかった場合、諦めて2週間勤務する必要があります。耐えられないからといってバックレや無断欠勤をすると、損害賠償を請求されてしまう可能性があるため、注意しましょう。
話し合いは難航するかもしれませんが、辞意が固いことを真摯に伝え続けることが大切。交渉を続けていればしぶしぶながら承諾を得られるはずです。
そして、次回からはこのようなことがないよう自分に合うアルバイトを探しましょう。時給や仕事内容は、求人やネットの情報で詳しく知ることができます。人間関係や店長の雰囲気なども来店すればわかるので、事前調査をして探ってみるのもひとつの手です。