お世話になったバイト先を辞めることになった時に悩むのが連絡の方法です。
直接言うのは気が引けるので電話あるいはメールで済ませてしまおうと考える人もいるかもしれませんが、バイトを辞める際には最低でも2週間前にはその旨を連絡しなければならないと法律で定められています。
ですから、バイトを辞めると伝えた後も2週間はその職場で働き続けなければなりません。
電話やメールで「バイトを辞めます」と言ったきり職場にも行かなくなってしまうのは法的にも人道的にも避けたい行為です。
バイトを辞める時の連絡方法にはどんなものがあるか
アルバイトというのは何年も働き続けることを前提として入社した正社員とは立場や働く側の意識、そして雇う側の意識に違いがあり、あくまでも一時的なポストという意味合いが強いものです。
とはいえ、上司の顔を見るとバイトを辞めることを切り出しにくい人が多いことも事実です。
特に忙しい職場で常に人員が不足しているような場合には、「明日言おう」「来週言おう」とぐずぐずしているうちにあっという間に1ヶ月が経ってしまうことも珍しくありません。
ですから退職希望日の2週間前になったらまず電話やメールでバイトを辞める意思を表明し、その後に上司と直接顔を合わせて口頭で辞める意思を伝えるのがおすすめです。
連絡方法は電話、メール、手紙のいずれかが望ましい
連絡方法として一般的なのはやはり電話かメールです。LINEを使うという人もいるようですが、LINE はメールと比べると少しインフォーマルなイメージになってしまいます。
メールのように格式ばった書式で文章を書くのもLINEでは無理があるので、日ごろ連絡事項は全て LINEで済ませているような職場でもない限り、LINEはやめておいたほうが無難でしょう。
少し隠す決まった会社の場合にはアルバイトとはいえ、書面で辞める意思を連絡したほうがいいかもしれません。
働いている現場とは別に人事部がある会社などは正式に退職願を出しておいた方が退職手続きなども何かとスムーズにいきます。
電話でバイトを辞めることを連絡する時の注意点
シフトの関係で上司と直接顔を合わせる機会が少ない場合には電話でバイトを辞めることを連絡するのが一番ですが、電話する時間帯には注意しなければなりません。
土日祝日や仕事の終わった後、家庭でくつろいでいる時間に上司に電話をかけるのは大変失礼ですし、不機嫌な対応されることにもなりかねません。
職場が9時にスタートするのであれば朝9時以降、夜20時ぐらいまでが電話をしてもかまわない時間帯です。
この場合、昼食の時間や職場が忙しいとわかっている時間帯は避けましょう。
電話で連絡する場合の具体例
では実際に電話連絡の具体的な言い方を見てみましょう。
ーーーーー
「店長(◯◯さん、◯◯課長)、お疲れ様です。
アルバイトの△△(自分の名前をフルネームで)です。今、お時間ありますでしょうか?
大変申し訳ないのですが、ゼミの準備が忙しくなりましてアルバイトに時間を取るのが難しくなってきてしまいました。
つきましては誠に勝手なのですが、◯月◯日をもってバイト辞めさせていただきたいと考えております。
シフトや引き継ぎに関して直接ご相談したいのですが、次回のシフトの時にお時間をいただくことは可能でしょうか。」
ーーーーー
バイトを辞める理由としては「一身上の都合」というのが差し障りがないのですが、電話で伝えるとなると一身上の都合では「水くさい」、あるいは「本当のことを言いたがらない」というイメージを与えがちです。
ですから学生の身でアルバイトをしているのなら、「学業が忙しくなってきたから」という理由をつければ相手もすんなりと承諾してくれるはずです。
電話で連絡する際のポイントは、まず最初に先方が今電話で話せる状態かどうかを聞くことです。
「お忙しいところ大変恐縮です」「今、お電話だいじょうぶでしょうか」などと必ず訊ねてから本題に入りましょう。
電話では退職を希望している日を伝えることが大切ですが、相手が取り込んでいて聞き逃してしまう可能性もありますので、直接会って話をする日時を決めてもらった上で電話を切るようにしましょう。
相手から「それじゃあ次のシフトの水曜日に話をしましょう」と回答を得たら、「今週の水曜日ですね」と復唱して確認します。
電話を切る前には「失礼いたします」という言葉も忘れずに付け加えるようにします。
メールでバイトを辞めることを連絡する場合の注意点
電話でバイトを辞めることを伝えようと思うとひどく緊張する性格の人なら、メールがおすすめです。
メールなら電話とは違って自分が緊張していることが相手に伝わらないので、口下手の人にとっては気が楽です。
メールはいつ送っても良さそうなものですが、上司がスマホや携帯でメールを受信している可能性も考えて、電話と大体同じ時間帯に送るようにすれば失礼にはなりません。
次に具体的なメールの例文をご紹介しますので、参考にしてみてください。
メールで辞めることを連絡する時の例文
LINEで使う簡単なメッセージとは違い、メールはそれなりの書式を踏まえて書くことが大切です。
件名は自分の名前と退職を希望していることが一目でわかるようなものにしておかないと、見逃されてしまう危険性があります。
ですから「退職のご相談」などとはっきりと明記しましょう。
それからもう一つ、メールは必ず直接の上司のメールアドレスに送ることが大切です。
会社が大きい場合、会社の代表メールアドレスに送っても上司の手に届かない可能性があります。
ーーーーー
件名:退職のご相談 △△(自分の氏名をフルネームで)
本文
◯◯店長(◯◯さん、◯◯課長)
お疲れ様です。アルバイトの◯◯(氏名)です。
突然で大変申し訳ないのですが、一身上の都合で◯月◯日にアルバイトを辞めさせていただききたく、メールをお送りさせていただきました。
◯◯店長には仕事を初歩から教えていただき、大変感謝しております。
短い期間でしたが教えていただいたことは今後の人生を歩んでいく上で貴重な財産になることを確信しております。
退職するまでのアルバイト業務の引継ぎやシフトに関しては次回の出勤日に直接ご相談できればと思うのですが、◯月◯日のご都合はいかがでしょうか。
◯月◯日以外の方がご都合がよろしければ、日時を教えていただければ助かります。
お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いいたします。
◯◯(氏名フルネーム)
ーーーーー
メールは送った時点で送信日時が明記されていますので、特に日付は書かなくてもかまいません。
電話は一度聞いてしまえばそれで終わりですが、メールは繰り返し読むことができるので、お世話になったことに対する感謝の気持ちも書いておけば好印象を与えることができます。
バイトを辞めることを連絡する方法その3:退職願
退職願には最初に大きめの文字で「退職願」と書き、下に文章を入れた後、日付と自分の氏名、そして勤務先の企業名と代表者名を書きます。
インターネットで「退職願 テンプレート」で検索すれば使える例文がたくさん出てきますのでこれを活用するのがおすすめです。
退職願は事務的な文書ですから、メールのようにお世話になったことを感謝する言葉などを書く必要はありません。
ですからある意味ではメールでバイトを辞めることを連絡するよりも気が楽かもしれません。
本来であれば手書きがベストですが、パソコンで作成してもかまわないでしょう。
用紙は A4かB4の白、手書きの場合には黒色のボールペンか万年筆を使用します。
自分の名前の下(横書きの場合は右側)に捺印をしますが、シャチハタは不可です。
封筒の表には「退職願」と書き、裏面にはあれば所属部と氏名を記入します。
封筒は手紙を三つ折りにしてちょうど入る大きさの物(色は白)を選びます。
退職願を提出した後に希望退職日を変更すると職場の手続きも一からやり直しになってしまいますし、シフトにも不都合が出てくるので、一度決めた日にちは後から変更しないように注意しましょう。
退職願の例文
ーーーーー
退職願
この度、一身上の都合により、誠に勝手ながら◯◯年◯月◯日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
◯◯年◯月◯日
△△(自分のフルネーム)
株式会社◯◯
代表取締役社長 ◯◯殿
ーーーーー
文面が簡略なので、字面が整うように全体のバランスをよく見ながら書くことが大切です。
バイトを辞める際の連絡で忘れてはいけないこと
バイトを辞める時は希望退職日の少なくとも2週間前までにその意志を雇用側に伝える必要がありますが、最初からアルバイト期間が3ヶ月間などと決められている場合には注意が必要です。
というのも、雇用期間が3ヶ月なのにその前に辞めてしまうと、いくら2週間前に連絡したとしてもペナルティが課せられることがあるからです。
ペナルティがあるかないかは契約内容によって変わってくるので、辞める意思表示をする前に契約を今一度確認してみましょう。
まとめ
アルバイトというのは暫定的な仕事ではありますが、お給金をもらっていることなので就職する時と同様に、辞める時も礼儀を忘れないことが重要です。
連絡の方法は電話かメール、または手紙でもかまいませんが、あくまでも「相談」の意味合いでしかありません。
決定的な意思表示は担当者に直接会って口頭で伝えるのが常道だということを忘れてはいけません。
世間というのは狭いもので、アルバイト先で一緒に働いていた人が社会人として就職した会社の同僚になることだって絶対にないとは言い切れません。
ですから円満な形でバイトを辞めることができるように心がけたいものです。