以前はバイト先と連絡を取る際にはメールが使われていましたが、最近ではLINEが使われることが多くなっています。
LINEのサービスがスタートしたのは2011年3月のことですが、アプリ配信が始まってわずか3ヶ月で100万件のダウンロードを達成し、現在では日本国内のアクティブユーザーは8,000万人を超えています。
これほど日本ではポピュラーなLINEですが、メッセージには使えても正式な文書というイメージはないので、バイト先に辞めることを伝える場合などにはLINEを使っても失礼にならないかどうかよく考えてから送る必要があります。
基本的にはLINEは使わずにバイト先に直接言うのがマナー
バイト先に仕事を辞めることを伝えるには、基本的には担当者に直接会って口頭で言うのが正しいマナーです。
直接辞めることを表明して担当者がその場で合意した場合には「合意退職」が成立しますから、後から引き止められて困ることもありません。
直接顔を見て話す方が自分の気持ちをわかってもらいやすいので、退職までの手続きを円満に終わらせることができるというメリットがあります。
LINEというのはあくまでも簡単なメッセージを伝える手段ですから、いきなりLINEでバイト先に「仕事を辞めたい」と伝えると失礼な印象を与えかねません。
仕事を真面目に考えておらず、ふざけているのかもしれないと思われる可能性もありますので注意しましょう。
バイト先にLINEを使ってもいいケース
特別な場合にはバイト先にLINEを送ってもいいケースがあります。
上司とアポを取るためにLINEでメッセージを送る場合
例えば、辞める相談をするためのアポをLINEで申し込むのは悪いことではありません。
唐突にLINEで「辞めます」というのではなくて、「退職についてご相談したいのですが、いつがご都合がよろしいでしょうか」とメッセージ送れば相手の方もスムーズに対応してくれることが多いものです。
アルバイトというのは暫定的な仕事で働く期間も3ヶ月や6ヶ月などと短い限られた時間ですが、一人辞めるとなるとバイト先としては欠員を探さなければなりません。
欠員を探すためには求人募集を出したり新たに面接をしたりしなければならないため、費用とある程度の時間がかかります。
ですから辞める決意をしたのなら、できるだけ早くバイト先にその意向を知らせなければならないわけですが、LINEでご相談をしたいと言っておけば企業側でも新しいアルバイトを雇う時間的なゆとりを持つことができます。
担当の上司とタイミングが合わない場合
バイト先がシフト制の職場の場合には、上司とタイミングが合わずなかなか会えないことも多いものです。
そんな場合にはとりあえずLINEを送ってバイト先を辞める意思表示をしておくのも悪い方法ではありません。
アルバイト期間が「3ヶ月」「10ヶ月」などと決まっていない場合には退職を希望する日の2週間前までに退職の意思を伝えればいいと民法で定められています。
ですからまず最初にLINEで意思表示をしておいて、後から話し合いで合意を得るという方法も考えられるわけです。
バイト先のメンバーに辞めることを伝えたい場合
バイト先によっては一緒に働いているメンバーがグループLINEを作ってメッセージのやり取りをしていることがあります。
こんな場合にはグループのみんなにバイト先を辞めるメッセージを送ることができます。
ただ、これはあくまでも担当者に辞める意思を表明して話し合いをし、合意に至った後に行わなければなりません。
バイト先を辞める前にはグループの全員一人一人に会ってこれまでお世話になったことの感謝の意を表すのが礼儀ですが、シフトなどの関係で直接会えない人がいる場合にグループLINE でメッセージを送ることができます。
バイト先にはどんなLINEのメッセージを送ったらいい?
日常的にLINEを仕事で使っているバイト先の場合には上司にメッセージを送ってもそれほどの違和感はないはずですが、それでも「仕事を辞める」という文面を読めば「なぜ?」「一体どうしたんだろう」といった疑問を感じるはずです。
ですからメッセージには辞めたい理由も添えておくのがおすすめですが、あまり詳しく書いてしまうと引き止められる可能性もあります。
例えば「学業が忙しくなってきてゼミの準備も大変なので」という理由を書いたすると、「じゃあ週4日の代わりに週2日でもかまわないから」と説得にかかってくるかもしれません。
ですから理由としては「一身上の都合で」と書いておくのが無難です。
退職希望日を明記する
LINEでバイト先を辞めることを伝える際に最も重要なのは、退職希望日を明記するということです。
本当なら退職希望日の1ヶ月程前にLINEで意向を知らせておきたいところですが、急に生活の身辺に変化が起きた時などは2週間前までに伝えておけばOKです。
何か一つバイト先で進展しているプロジェクトがあり、それに関わっている場合には「プロジェクトが終わったら辞めたい」と言ってもかまいません。
感謝の意を伝えることを忘れない
LINEには辞めたい意志と退職日を明記する以外に、感謝の意も忘れずに付け加えておきましょう。
単なる事務連絡だけでは素っ気ない感じがしますし、円満退社のためにはこれまでお世話になったことを感謝する言葉を添えるのが一番です。
退職の相談をする場合にはアポの日程を複数記載しておく
LINEはバイト先を辞めたいという意思表示をするのには役立ちますが、直接バイト先の上司と話をして合意を得ないまでは確定とは言えません。
ですから相談のためのアポを取るメッセージをLINEで送るのが順を追った正しいやり方です。
アポの候補日時を3つぐらい挙げ、都合のいい日を選んでもらって話し合いの機会を作ります。
退職の相談をするためのアポを取るのはLINEではなくて電話かメールでもいいのですが、電話の場合にはお店など騒音の多い職場だとよく聞き取れず、日時を間違えてしまう危険性があります。
メールであれば書面で日時を確認できるので勘違いはありませんが、スマホでメールを開く習慣のない上司の場合にはメールを読むよりもLINEの方が手っ取り早くて連絡もスムーズにつきます。
バイト先に送るLINEの実例
バイト先に送るLINEの文章がなかなかうまく書けないという人は例文を参考にしてみてください。
文章は全体的に長すぎず短すぎず、改行を多く入れて読みやすくなるように工夫をします。
改行が少ないと字が混み合って読みにくく、要点がわかりにくくなってしまいますので、句読点の「。」のところで改行するとかなり見やすい印象になります。
LINEを送る際にはタイミングにも気を配りたいものです。
ほとんどの人はスマホでLINEのメッセージを受け取りますから、夜遅くや土日で仕事が休みの日にLINEを送るのは遠慮しなければなりません。
時間帯は朝9:00から夜18:00頃までが目安ですが、飲食店などで遅くまで営業している職場の場合には終業時間までにメッセージを送るようにします。
上司と直接会って話すタイミングが取れない場合の例文
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お疲れ様です。
突然なのですが、今後は学業の方を優先していきたいと考え、◯月◯日をもちましてアルバイトを辞めさせていただきたいと思っております。
本来なら直接お会いしてお話をするべきなのですが、シフトの都合上直接お会いする機会がないため、まずLINEをお送りさせていただきました。
これまで〇〇店長には大変お世話になり本当に感謝しております。
退職にあたって必要な手続き等についてご相談させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
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LINEとはいってもこれだけきちんと書いておけば、バイト先でもていねいな対応をしてくれるはずです。
相談のアポ取りをする場合の例文
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お疲れ様です。
突然の連絡で大変恐縮なのですが、一身上の都合により◯月◯日でアルバイトを辞めさせていただきたいと思い、メッセージをお送りさせていただきました。
直接お会いしてご相談したいのですが、お時間をいただくことは可能でしょうか。
こちらは◯月◯日から◯日までの間ならいつでも対応できますので、ご都合のよろしい日時をお知らせください。
よろしくお願いいたします。
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実際に上司に会った時に伝え忘れがないように、言いたいことは前もってメモしておくといいでしょう。
辞めることをバイト先のメンバーに伝える場合の例文
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お疲れ様です。
LINEでの連絡となり大変申し訳ありません。
突然のことですが私〇〇(氏名をフルネームで)は一身上の都合により◯月◯日をもってアルバイトを退職する運びとなりました。
皆様には多くのご指導とご支援をいただき、心より感謝しております。
退職日まではこれまで同様精一杯勤めさせていただきますので、何卒よろしくお願いいたします。
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この例文は事務的な連絡メッセージですが、職場で特に親しかった人に対しては仕事で会った時に直接挨拶をしておくのが礼儀です。
まとめ
LINEはメールの書式と比較するとややインフォーマルな感じで、「件名」を書く欄もありません。
1日に何十件ものLINEを受け取るような多忙な上司にメッセージを送るのであれば、文面の初めに「退職のご相談」などと書いておいた方がわかりやすいかもしれません。
LINEはあくまでもメッセージを簡略に伝えるツールですから、バイト先の上司とアポを取ったら後は直接口頭で辞める理由を説明するとともに、お世話になったことに対しての感謝の気持ちを表すことが重要です。