ニートになってしまったら、正直なところ「親にはどう思われているのか」とても気になりますよね。
気まずさや後ろめたさなどから、親とはほぼ口も聞かなくなってしまう人は多いでしょう。逆に顔を合わせるたびに喧嘩が絶えなくなり、ニートになったことですっかり親と関係が悪くなってしまった人もいるかもしれません。
確かに自分の子供がニートになってしまうことは、親にとって看過できない問題です。子供の年齢が30代、40代……と上がれば上がるほど、ニートや引きこもりになることは大きな問題となります。
そこで今回は、
・ニートの親の心理
・子供をニートにする親とは
・親の支援がなくなったときニートはどうするべきか
この3つのポイントについて解説していきたいと思います。
ニートの親の心理とは
まずは、子供はニートになってしまったとき、親はどう思うのか、その心理を紐解いていきましょう。
早くニートなんてやめて親を安心させてほしい
多くの親は、子供が長くニートをしていることに対して不安感やいらだちを抱くでしょう。
「早くニートなんて辞めて安心させてほしい」
「何でもいいからとにかく仕事に就いてほしい」
「いつまでニートなんてやってるのか。親に申し訳ないと思わないのか」
などといったように、子供に対してマイナスな感情をひたすら抱いてしまう親は多いです。それもそのはずで、世の中を見てみれば、ニートにならず普通に仕事をしている社会人が多くを占めます。ニートが社会問題になっている現代とはいえ、ニートや引きこもりをやっている人はそこまで頻繁に見かけないでしょう。
だからこそ、「なぜうちの子が」「なぜ息子(娘)は他の人と同じようにできないのか」といった疑問を親は抱くのです。しかもニートをしている子供の年齢が30代、40代ともなれば、親も老後のことを思って「早く安心させてほしいのに」と感じてしまうでしょう。
子供がニート状態なんて世間様に恥ずかしい
息子・娘がニートをしていることを、恥ずかしいと思う親も多いです。
先ほども触れたように、大人になって仕事をせずにニート生活を続けている人は、普通のサラリーマン・OLに比べれば少数ですから、「他の人と違っていて恥ずかしい」と親は思うわけです。世間体を人一倍気にするタイプの親なら、なおさら恥ずかしさは止まらないでしょう。
そのため子供がニートなことを、世間に対して必死で隠そうとする親も多いといいます。子供には就職してほしいと思いながらも、「恥ずかしいから昼間は外に出ないで」と言って、自ら子供に引きこもりになるように仕向けてしまう親も少なくはないのです。
ニートになって長いのでどう歩み寄って良いのかわからない
長くニート生活を続けていると、親も正直、子供に対してどう歩み寄っていけば良いのかわからなくなってきます。
最初は「早く働け」「なんでずっと働かないの?」「仕事は見つかった?」とうるさく言ってきた親も、ニート期間が長くなればなるほど、子供には徐々に関わらなくなっていくのです。娘・息子がどうすればニートを辞めて社会復帰ができるのかわからなくなり、まるで腫れ物に触るようにコミュニケーションを避けるようになっていきます。
ニートになってから親との関係がこのようにこじれてしまうと、社会復帰はますます難しくなります。
中にはニートでも構わないという過保護な親も
実は中には、子供がニートでも構わないという過保護な親もいます。このケースはかなり特殊ですが、家に相当な蓄えがあったり親の稼ぎが非常に高かったりなど、いわゆる裕福な家の場合は、このようにニートをしている子供を放任している場合もあります。
「そんな金持ちの親のもとに生まれたかった」と思う人もいるかもしれません。ただ、確かにお金には困らないかもしれませんが、いずれにしても大人としての社会性は育たないままです。後になって息子・娘自身が大変な思いをする場面はやってくるでしょう。
子供をニートにする親の特徴
人がニートになるのにはさまざまな原因があるため、一概に「親の責任」とは言えません。しかしそうは言っても、育ってきた環境や家庭のあり方などが、ニートになる子供に影響していないとも言えないのは事実です。
ではここで、子供をニートにする可能性のある親の特徴について見ておきましょう。
昔から子供に十分な愛情を注いで来れなかった
子供が幼い頃から十分に愛情を注ぐことができなかった親は、子供を将来ニートにしてしまう可能性があります。
親に愛情を注いでもらっていないということは、社会の一般常識や価値観などが身に付いていないということ。あくまで傾向ですが、他の人と感覚が良くも悪くもずれてしまいやすいと言えます。そのためニートになったり非行に走ったりなどの行動を起こしてしまう人は多い傾向にあります。
子供を溺愛しすぎている
逆に子供を溺愛しすぎている過保護な親も、子供をニートにしやすいところがあります。
上の例で言えば、裕福な親は「危ないから」「心配だから」といった理由で子供に自ら仕事をしないように言うこともあると言います。過保護な心理が暴走してしまい、自分で子供を守ろうとして子供をニートにしてしまうのです。
子供の可能性を摘む毒親
いわゆる「毒親」と呼ばれる親も、息子・娘をニートにしやすいと言われています。
毒親にもいろいろなパターンがありますが、例えば子供のことを自らけなすタイプの親だったとしたらどうでしょうか。「お前に向いている仕事はない」「お前みたいなろくでなしは、どう頑張っても仕事で成果なんて出せない」といった言葉を何度も浴びせられれば、子供も実際に働く意欲を無くしてしまいます。
自己肯定感も弱くなり、ニートになってからもなかなか抜け出せなくなってしまうことは多いです。
気まずい話し合いから目をそむける気弱な性格
子供をニートにする可能性のある親は、他の人と比べて少し気弱で遠慮がちなところがあると言います。自分の子供にすら強く主張することができず、気まずい話し合いからもつい目を背けてしまうのです。
親にとって、ニートをしている自分の子に仕事をするように伝えるのは、実はなかなか気合の要ることです。子の苦しみも理解してあげたいという思いもあるでしょうから、「働いて」とは強く言えないことも多いのです。
しかしそのままではもちろん、ニート生活は長く続くばかりです。ですが気弱な親は、ニートをしている息子・娘にいつまでも強く出ることができず、結局腫れ物扱いしてしまうのです。
ニートは親からずっと支援があると思ってはいけない
ニートをしている場合、収入はほぼ全く無い状態ですから、親などの家族に支えてもらわない限り基本的に生活はできません。実際に、仕事をしている親がいる実家で暮らしていたり、親から仕送りをもらいながら生活していたりするニートは多いです。
ですがニートの場合、この親の支援がいつまでもあると思ってはいけません。
親とはいえニートを続けていれば見放される可能性も
「親だから見放さないはず」と無意識に考えてしまう人は多いですが、さすがに子供がいつまでもニート生活を送っていたら、親でも正直見放したくもなってきます。
いきなり「いつまでもニートを続けているなら、お前は勘当だ。もう出ていけ」と言われたり、「今月から仕送りはしない」と言われて仕送りをストップさせられたりする可能性もあるということです。親なら許してくれるという考え方は甘えに過ぎないことを、認識しておきましょう。
親が病気になる・死去することも
親が病気になったり、亡くなったり、老人ホームに入ったりしてしまう可能性もあります。そうなると親の稼ぎによる収入は止まってしまうため、自動的に自分への支援はストップしてしまいます。
親が老衰で死去し、そのまま社会復帰もできず収入もなく、本人が孤独死するといったケースは現代において頻発しています。ニートのままで親にずっと支えてもらっていると、このような悲惨な状況に陥る可能性が出てきます。
親の援助がなくなったニートが取るべき行動
では、親の援助がなくなったとき、ニートはどうすれば良いのでしょうか。親が病気になったり、親に本気で見放されそうになったときは、以下のような対処法を取るようにしていきましょう。
働かなければお金は生まれてこない
まずは、当たり前のことですが、働かなければお金は生まれてこないことをしっかり認識しましょう。当たり前のこととしてわかっていることでも、長い間親に支えてもらっていると、このあたりの感覚が抜け落ちてしまう人は多いです。
親に援助されない、仕送りが止まってから、始めて危機を感じるニートはたくさんいます。そんなの当然とは思っていても、実際にお金の危機に瀕してみなければわからないことは多いのです。まずはニートをやめて仕事を探さなければ暮らしていけないこと、親にはいつまでも頼っていられないことをしっかり認識しましょう。
短期バイトからニート脱出のきっかけを掴む
とはいえ、いきなり就職するのはなかなかハードルが高く感じられるものです。ニートだったんだし、就職なんて無理だ…と思ってしまう人もいるでしょう。
そのため親からの援助がなくなって困ったときは、まずは短期のアルバイトから始めてみることがおすすめです。1日のみの単発バイトや短期契約のバイトなど、気軽に始められるバイトを探してみましょう。いきなり正社員就職を目指すのは大変なので、バイト→就活→就職といった順序を踏むのがおすすめです。
転職・就職エージェントに登録しよう
ニートを卒業したい、親に頼らないで生活したいと思ったら、やはり最終的には正規雇用の働き口を見つけることが必要となってきます。
ただ、自分で求人サイトなどを見て仕事を探すのは大変ですし、実際に内定ももらいにくいです。面接を受けることすら断られる可能性もあります。残念ながら、ニートの就職はそれだけ厳しい道のりということです。
そのためまずは、転職・就職エージェントに登録して、就職について徹底的に相談に乗ってもらうのがおすすめです。職業訓練から仕事探し、面接対策まで面倒を見てもらえるため、ニートの状態から仕事を探すのにはうってつけです。また、地元での就職しやすさを重視するなら、ハローワークの利用もおすすめです。
まとめ
子供がニートになると、親は対してやはりネガティブな感情を抱く場合が多いです。その結果、親子関係に亀裂が入り、大きな問題へと発展していくパターンは現代においてありがちなものです。
親からの援助は、いつまでももらえるわけではありません。社会復帰するための第一歩として、まずはそのことをしっかり自覚しましょう。そして最初は短期アルバイトなどから始めて、確実に社会復帰・ニート卒業のきっかけをつかんでいってください。