30代でフリーターをしている人はたくさんいます。しかし、具体的にどういった割合で存在しているのか詳しく知っている人は少ないでしょう。そこで、30代のフリーターの割合や現状、問題点などについて解説します。
30代フリーターの割合
30代フリーターの割合について紹介しましょう。
一般的なフリーターの定義は34歳まで
フリーターの割合について知るまえに、フリーターの定義を理解しておくことは大切です。一般的にはフリーターは34歳までとされています。統計データを集めるときに15歳から34歳までの非正規雇用者のことをフリーターと呼んでいたのです。それが定着していて、今では当たり前のようにフリーターという言葉が使われるようになっています。
実際には35歳以上の非正規雇用者であってもフリーターと呼ばれるケースはあります。それでも、実際のデータとして集められているのは本来の定義である34歳までのフリーターに関するものが多いです。そのため、統計データをチェックするときには、フリーターの定義は34歳までの非正規雇用者のことだと理解しておきましょう。
15~34歳のフリーターの割合は7%程度
15歳から34歳までの人口におけるフリーターの割合は約7%です。15歳から34歳の中には高校や大学に通っている人や正社員として働いている人、無職の人などが含まれています。その中でフリーターの人が7%程度ほどいるのです。ちなみに15歳から34歳における無職の割合は2%程度とされています。
30代の非正規社員の割合は16%
30代の人口のうちフリーターとして働いている人の割合は約16%です。30代の労働者は全体で約877万人いて、そのうちの約170万人の人がフリーターです。また、30代の男性のフリーターは約24万人で女性のフリーターは約150万人となっています。
この場合のフリーターというのは非正規雇用者のことであると考えましょう。そのため、女性のフリーターの数がかなり多くなっています。女性の場合は夫を支えるためにアルバイトやパートをしているという人が多いです。一方、男性のフリーターの場合は独り身の割合がかなり高いと考えられます。
30代のフリーター経験の割合
30代の人のうちどの程度の人がフリーターを経験したことがあるのかデータがあります。詳しくみていきましょう。
30~34歳の男性の3割がフリーター経験者
統計データによると30歳から34歳の男性のうち3割がフリーター経験者とされています。これは現在も継続してフリーターをしている人やフリーターから正社員になった人などがすべて含まれています。
男性の場合は、基本的に正社員になる人の割合が女性よりも多いです。それでも、30歳から34歳の男性のうち全体の3割の人は人生の中でフリーターだった時期があります。
30~34歳の女性の5割がフリーター経験者
30歳から34歳の女性のうち5割の人がフリーター経験者です。日本は男女差別をなくそうという動きがずっとあり、女性であっても正社員として活躍している人はたくさんいる時代となりました。それでも、未だに女性は結婚して旦那に養ってもらおう、家庭を支えようと考えている人は多いです。その結果が、女性のフリーター経験者の多さにつながっていると考えられます。
また、女性のフリーターの中には、たとえばシングルマザーとして子育てをしながら働いている人も含まれます。結婚しようと思ったけどなかなかうまくいかず、30代になってもフリーターとして働き続ける人もいるのです。
30代のフリーター割合が高い理由
30代のフリーターの割合が高いことが問題視されています。どうして30代のフリーターが増えているのか理由を解説しましょう。
リストラされたから
30代でフリーターをしている人の中には、もともと正社員として働いていた人も含まれています。正社員として順風満帆な人生を送っていたと思ったら突然リストラされてしまい、仕方なくアルバイトをして生計を立てている人がいるのです。
就職活動に失敗したから
いわゆる就職氷河期と呼ばれていた時代が長く続いていました。その世代の人たちは大学を卒業しても正社員の道がなく、仕方なくアルバイトをして、そのまま30代になってもフリーターを続けていることが多いのです。日本では新卒で就職に失敗してしまうと、なかなかそこから這い上がれない社会環境となっていて、苦労している人がたくさんいます。
資格や試験に挑戦するため
たとえば、公務員試験を受けて落ちてしまった人が、大学卒業後も浪人をして試験勉強を続けているという人がいます。こういう人は年金などを支払うためにアルバイトをして、フリーターとして働きながら試験勉強をしているケースがあります。弁護士試験など難しい国家試験を目指していて、フリーターをしながら勉強をしている人もいます。
生活のつなぎのため
正社員をリストラなどの理由で退職した人が、次の職場を見つけるまでのつなぎとしてアルバイトをするケースがあります。そのままスムーズに新しい職場を見つけられないと、フリーターの生活を続けることになるでしょう。
30代のフリーター割合が高いことの問題点
30代のフリーターが多いことは社会問題とされています。どうして30代のフリーターの割合が高いことに問題あるのか詳しく解説しましょう。
生涯年収に差が生じる
30代でフリーターを続けていても、年収が上がることはほとんどありません。多くのフリーターは20代の頃と同じような収入が30代になっても継続していくからです。フリーターはそのあと40代になっても50代になっても年収は同じ水準がキープされるでしょう。そのため、正社員と比較すると最終的に生涯年収にかなりの差が生じてしまいます。
フリーターの生涯年収は1億円に満たないことが多いです。正社員の場合は2億円から3億円になるため、かなりの差があります。フリーターとして働き続けることは大きな損失といえるでしょう。
社会保障が弱い
フリーターは社会保障が正社員よりも恵まれていません。社会保険に加入していないフリーターが多いからです。たとえば、雇用保険に入っていないフリーターはたくさんいます。これでは、万が一退職してしまうと収入が途切れてしまうでしょう。生活の補償を受けることができず、苦労します。
スキルや経験が身につかない
フリーターの仕事は誰にでもできるような簡単な内容のものが多いです。フリーターは昇進することがなく、仕事内容が大きく変化することも少ないでしょう。そのような環境で仕事を続けていても、特別なスキルや経験を身につけることはありません。これでは、正社員を目指そうと思ったときに不利になります。転職したいと思っても、フリーターの経験が生かされることはほとんどないのです。
正社員への道が狭まる
フリーターとして働き続けると正社員への道がどんどん狭まってしまいます。基本的に若い人ほど正社員として採用されやすいからです。30代になってもフリーターの状態が続くと正社員の道が遠ざかっていきます。30代フリーターが正社員としての就職を目指そうと思っても苦労することが多いです。そこから歳を重ねれば、ますます正社員への道は狭まっていくでしょう。
30代のフリーターがやるべきこと
30代のフリーターで危機感を抱いている人が今すぐやるべきことについて解説します。
今すぐ正社員を目指す
まず、一刻も早くフリーターの状態を脱して正社員を目指すことが大切です。そのままフリーターを続けていたとしてもデメリットばかりであり、正社員になれる可能性はどんどん低くなっていくからです。
求人サイトなどをチェックすれば正社員の求人はたくさん出ています。その中には年齢や経験を不問としている求人も多いです。人手不足で困っている企業はたくさんあります。そういう企業の求人に応募すれば、フリーターからでも採用される可能性はあるでしょう。
資格試験の勉強をする
30代でフリーターの人はそれだけで就職活動をする上でハンデを背負っていることになります。そこで、就活を有利に進めるために何らかの資格を取得してみるとよいでしょう。たとえば、英語関連の資格を取得して語学力をアピールすることができます。IT関連の資格をアピールすれば、基本的な知識を持っていることをアピールポイントにできるでしょう。
自動車免許のようなものであっても、就職では有利になります。実用性が高い資格にどんどん挑戦してみてください。そうすれば、履歴書の資格欄を埋めることができ、それだけでもあなたの印象は良くなるでしょう。
職業訓練を受ける
正規雇用を目指している人のために職業訓練という制度が用意されています。公的な制度であり、さまざまなコースが用意されていて、気軽に利用することができます。住んでいる地域のハローワークを訪れれば、詳しく説明してもらうことができるでしょう。30代のフリーターであっても、職業訓練を受けることは可能です。幅広い年齢の人たちが利用しています。
実際に職業訓練を受けることによって、専門的なスキルを身につけることは可能です。ハローワークのほうで正社員の求人を紹介してくれることもあります。スムーズに正社員になれる可能性がある方法です。
今後の人生について考える
30代のフリーターがこれからの人生について真剣に考えることは大切です。いつまでもフリーターを続けていくことは現実的に考えて難しいからです。悲惨な将来が待っているかもしれません。そこで、自分はこれからどのように生きたいのか、どういった人生を送りたいのか考えてみるのです。そうすれば、これから何をするべきか見えてくるでしょう。人並みの生活を送りたいのであれば、正社員の道を目指すことをおすすめします。
まとめ
30代のフリーターの割合について解説しました。フリーターは30代人口の16%の割合で存在しています。30代のフリーターが増えていることが問題視されており、さまざまなリスクがあります。30代フリーターの人はこれからの人生について真剣に考えましょう。