フリーターの多くは国民健康保険に加入しています。しかし、収入があまり多くないため、健康保険を払えないという人も多いでしょう。そんなときにどのように対処すればいいのか紹介します。
フリーターが国民健康保険を払えない状況について
フリーターがどうして国民健康保険を払えなくなってしまうのか、その状況について詳しくみていきましょう。
フリーターは国民健康保険に加入するケースが多い
日本は皆保険を実現していて、すべての国民が何らかの健康保険に加入しています。正社員であれば会社の健康保険に入っているでしょう。また、フリーターであっても条件を満たしているならば、会社の健康保険に加入することができます。しかし、大部分のフリーターは国民健康保険に加入しているのが現実です。
国民健康保険は自分で支払う必要がある
会社の健康保険に入っている場合は、会社が費用の半分を負担してくれます。また、保険料は毎月の給料から天引きされるため、基本的に保険料を滞納するというケースはありません。しかし、国民健康保険の場合には給料をもらって毎月支払い用紙を使って自分で支払う必要があります。一括納付という方法もあるのですが、フリーターは収入が安定せず貯金も少ないため、毎月支払うスタイルを選ぶ人が多いでしょう。
生活に苦しくて滞納するケースは珍しくない
フリーターの中にはカツカツの暮らしをしている人が少なくありません。そういう人は保険料を支払いたくても滞納してしまうケースがあります。生活費で多くのお金を取られてしまい、手元に国民健康保険を支払うだけのお金が残っていないというケースがあるのです。支払うことができないと、期限に1日でも遅れれば滞納したことになります。
フリーターの国民健康保険料の目安
国民健康保険料はその人の収入によって金額が変わってきます。収入が高いほど多くの国民健康保険料を支払わなければいけません。年収200万円程度だと国民健康保険料は年間9万円程度となるでしょう。これを分割して支払うことになる場合、9分割されたとすると月に1万円支払う必要があります。収入の少ないフリーターにとっては月に1万円の健康保険料を支払うのに苦労するケースがあるでしょう。
フリーターが国民健康保険料を払えないとどうなるのか?
もし国民健康保険料を支払わないとどうなってしまうのか解説します。
国民健康保険を支払うのは国民の義務
国民健康保険は必要がないから支払わなくていいというものではありません。日本は皆保険のため、すべての国民は健康保険に加入する必要があります。そして、健康保険料を支払うことは義務とされているのです。国民健康保険料は自治体によっては国民健康保険税という名称になっていることもあります。税金と同じ扱いを受けるもののため、滞納には厳しく対処されるのです。
滞納すると催促状が届く
仮に国民健康保険料を滞納してしまうと、催促状が届くようになります。催促状には国民健康保険料を滞納していることが書かれていて、すぐに対処することが求められます。この時点で役所に問い合わせをすれば、たとえば猶予してもらうことができるかもしれません。役所は国民健康保険料を支払えない人に対して柔軟に対応してくれます。滞納しているのに何も連絡しないということだけは避けましょう。それは悪質なケースとみなされます。
延滞した分だけ利息が発生する
保険料を滞納すると、支払期限から日数が経つに連れて利息が発生するようになります。滞納した分を支払うときには、発生した利息も同時に払わなければいけません。滞納した期間が長くなるほど最終的に支払うことになる金額が増していくため注意しましょう。
いつまでも支払わないと最悪の場合は差し押さえされる
催促されてもいつまでも支払わないという人がいます。そういう人に対して国は最終的に差し押さえをすることがあります。財産調査が実施されて、所有している財産を差し押さえられてしまいます。差し押さえされたものについては滞納した金に充当されます。差し押さえは法律によって認められていることであり、裁判所の許可を得ることなく行なえます。
実際に日本では国民健康保険の滞納をしたために差し押さえられたという人は大勢います。差し押さえの手続きはスムーズに進んでいくため、油断をするとあっという間に財産を差し押さえられてしまうでしょう。役所から催促状などが届いたときには、速やかに対処しなければいけないのです。
フリーターがどうしても国民健康保険料を払えないときの対処法
国民健康保険料を支払えなくなったときには、フリーターはどのように対処すればいいのか説明します。
お金を借りて支払う
どこかからお金を借りて支払うという方法があります。国民健康保険料は税金のようなものであり、滞納すれば延滞金がどんどん発生します。利息が発生することになるため、それならば、利息が発生するとしてもお金を借りて保険料を支払ってしまったほうがよいという考え方ができます。
ただし、借りたお金はきちんと返さなければいけません。一時的にお金が不足しているだけであり、翌月には借りたお金をきちんと返済できるようであれば、お金を借りて健康保険料を支払うという選択肢はありでしょう。
役所に相談して分割払いにしてもらう
どうしても健康保険料を支払えない事情があるならば役所に相談しましょう。役所としてはまったく支払えずに滞納されるのは避けたいものです。そのため、相談者の事情にできるだけ配慮してくれます。たとえば、支払えない分を分割して支払えるようにしてもらうことも可能です。
徴収猶予してもらう
生活がとてもピンチであり、分割したとしてもすぐにお金を支払えない状況であれば、徴収を猶予してもらうこともできます。支払期限を延ばしてもらうことで、その間に保険料を支払うためのお金を準備することができれば、滞納を避けられるでしょう。
減額してもらう
国民健康保険料については、それぞれの自治体が軽減措置を用意しています。条件を満たしていれば軽減措置を受けることができます。ただし、基本的には前年の所得が一定の基準以下となった場合に自動的に減額される仕組みとなっています。そのため、自分から特別に減額の申請をする必要はありません。ただし、確定申告が済んでいない場合にはきちんと申告をしましょう。
また、どうしても支払いをすることができないやむを得ない理由がある場合には救済措置として保険料を減額してもらえるケースがあります。困ったときには諦めずにまずは相談することが大切です。
減免してもらう
災害や休廃業、疾病、負傷などの理由によって収入が著しく減少したときには、実情を確かめたうえで保険料が減免されることがあります。たとえば、アルバイトを首になってしまい収入が途絶えてしまったといった場合にも減免が適用されることがあるのです。詳しいことについては役所に相談してみましょう。
フリーターが国民健康保険料を払えない状況を回避する方法
フリーターが国民健康保険料の滞納を避けるための方法について紹介します。
親や配偶者などの扶養に入る
親、あるいは配偶者の扶養に入るという方法があります。扶養に入ると扶養者の会社の健康保険に加入することができます。この場合は自分で健康保険を支払う必要がなくなるのです。ただし、年収が一定以上になると扶養になることができなくなるため注意しましょう。扶養になれない人は、自分で健康保険を支払う必要があります。
年収が130万円未満であれば扶養家族として健康保険に加入することができます。もし、自分で健康保険料を支払いたくないのであれば、年収が130万円を超えないようにしましょう。
国民健康保険料を支払うためのお金を確保しておく
国民健康保険料は必ず毎年発生するものです。そこで、給料をもらったときに、健康保険料を支払う分のお金は必ず手元に残しておくようにしましょう。そうすれば、保険料を支払うお金が用意できない事態を避けることができます。給料をもらった分だけすべて使ってしまうという人がいるのですが、それでは年金や保険料、税金が払えなくなるため注意しましょう。
フリーターの場合は、厚生年金や会社の健康保険に加入できないことがあり、この場合は年金や保険料の支払いをすべて自分で管理しなければいけなくなります。無目的にお金を使いすぎるのを避けましょう。
一括で払うようにする
国民健康保険料は一括で支払うことができます。最初に一括で支払ってしまえば、後でお金が不足して保険料を支払えなくなるという事態を避けることができます。また、うっかりミスで滞納してしまうミスもなくなるでしょう。ただし、一括で支払う場合はまとまったお金を準備しておく必要があります。翌年の健康保険料がいくらぐらいになるのか計算しておいて、一括で支払うためのお金を準備しておくとよいでしょう。
もっと給料の高いバイトを選ぶ
収入を上げることができれば、お金に余裕のある生活を送れるようになり、保険料を滞納するのを避けることができます。もっと時給の良いバイトを探してみるとよいでしょう。毎月の生活費をきちんと支払うことができて、なおかつお金を余らせる余裕が出るぐらいの収入を実現することが大切です。
あるいは、健康保険に加入させてくれるバイト先を探すことも大切です。条件を満たしていれば、アルバイトやパートであっても健康保険に入ることはできます。健康保険に加入できれば、会社が半分を負担してくれて、毎月の給料から保険料が引かれるようになり、滞納を避けられます。
まとめ
フリーターの中には国民健康保険が払えない状況になるケースが珍しくありません。収入も貯金も少ないフリーターは、国民健康保険の支払いに苦労することが多いのです。この記事を参考にしてきちんと対処しましょう。