フリーターの人は自分の健康について気になる人が多いでしょう。健康診断を受けてみたいけれども、会社が受けさせてくれるのか不安になっている人がいるかもしれません。そこで、フリーターの健康診断事情についてまとめました。
フリーターの健康診断は勤め先による
フリーターが健康診断を受けることができるかどうか説明しましょう。
一定の要件を満たす労働者に健康診断を受けさせる義務がある
まず、日本の法律では一定の要件を満たしている労働者に対して企業が健康診断を受けさせる義務があります。会社が労働者を雇う場合には、従業員の健康を管理する義務があるからです。健康診断の義務が発生する要件は下記の通りです。
・無期契約あるいは契約期間が1年以上
・正社員の週所定労働時間の4分の3以上働いているパートタイム労働者
したがって、毎日のように働いているフリーターは健康診断を受けられる可能性が高いです。また、国は正社員の週所定労働時間の2分1以上で4分の3未満働いている労働者に対しても健康診断を実施することが望ましいとしています。
義務のないバイトやパートにも健康診断を受けさせる企業はある
健康診断を受けさせる義務がなかったとしても、個々の企業の判断で健康診断を実施するケースはあります。従業員を大切にしている企業であれば、アルバイトやパートに対しても積極的に健康診断を受けさせるでしょう。たとえば、求人をチェックしたときに、アルバイトでも健康診断を受けられるという条件をつけている企業もあるのです。
フリーターの健康診断の受診率は低い
実態としてはフリーターで健康診断を受診している人の割合は低いです。健康診断の義務が発生している要件に達していないフリーターはたくさんいるからです。義務がないのに健康診断をアルバイトにまで実施する企業は少ないのが現状といえます。また、健康診断の義務が発生しているにもかかわらず、アルバイトやパートに健康診断を実施しないような企業も存在します。
フリーターが健康診断を受けたほうがよい理由
フリーターは自分の健康管理のために健康診断を受けたほうが良いです。その理由について詳しくみていきましょう。
フリーターは体調管理がとても大切だから
フリーターはいつ仕事を失ってしまうかわからない状態で働いています。万が一、失職してしまったときに、雇用保険に加入していない場合は収入が途絶えてしまいます。また、すぐに次の仕事を見つけられるという保証はありません。そのため、日頃からしっかりと体調管理をしておいて、病気や怪我のリスクを避けることは大切です。常に健康でいることがフリーターにとってとても重要なこととなります。
30代以上だとさまざまな病気のリスクが高まるから
フリーターを続けていて30歳を超えた人は健康管理に注意しましょう。人間が本当に健康でいられるのは20代がピークであり、30代を超えると免疫力が衰えてしまい、骨なども弱くなるからです。30代以降になると急に体のあちこちに不調が生じるようになってしまいます。病気や怪我のリスクは年々高まってしまうのです。そのため体調管理に気をつけないと簡単に重病になってしまう可能性があります。
健康診断を受けたほうが医療費を安く抑えられるから
フリーターにとって医療費の問題は無視できません。大病や大怪我をしてしまうと治療費がかなりかかってしまいます。そこで、定期的に健康診断を受けることが重要となるのです。健康診断を受けることによって、怪我や病気のリスクを抑えることができます。そうすれば、将来の医療費を軽減することにつながります。健康診断を受けることが、長期的に考えると医療費の負担を抑えることにつながるのです。
フリーターで自分の健康を軽視していた人は40代や50代になってから体にさまざまな影響が出る可能性があります。その結果、頻繁に病院に通うようになれば、医療費の負担はとても大きなものとなるのです。健康診断を受けることで、病気を未然に防ぐことができます。
健康診断書の提出が必要な求人があるから
アルバイトやパートの求人に応募する際に健康診断書を提出しなければいけないケースがあります。そのため、定期的に健康診断を受けておくことは仕事探しにおいても役に立つのです。企業は健康な人材を求めているため、健康診断書を常に用意しておくことは大切です。
また、健康管理をきちんとしておくことで、何の問題もない健康診断書を提出することができ、それは採用において有利に働くでしょう。
フリーターが健康診断を受ける方法
フリーターがこれから健康診断を受けるための方法について解説します。
自治体の実施する健康診断を活用する
それぞれの自治体が独自の健康診断を行っています。自治体が実施している健康診断はさまざまな補助を受けられることが多いです。ほとんど費用負担をすることなく健康診断を受けさせてくれる場合があります。基本的に30代や40代以降の人を対象としたものが多いです。多くの自治体は住民の健康増進のためのさまざまな制度を用意しているのです。自分の住んでいる自治体のホームページをチェックしてみましょう。
基本的にその自治体の国民健康保険に加入している人が対象となります。がん検診などを実施している自治体も多いです。いろいろな検査を受ける機会が用意されています。
一般病院で健康診断を受ける
多くの一般病院では健康診断を実施しています。さまざまな検査項目が用意されていて、それらをセットにしたものが用意されていることが多いです。オプションとして、乳がん検診や子宮がん検診などを受けられるところもあります。費用についてはそれぞれの病院によって微妙に異なっています。基本的には1万円前後の費用があれば、十分な項目が揃った健康診断を受けることができます。
注意点として、健康診断は基本的に自由診療です。日本の制度では病気の症状がある場合に検査を受けるときには保険診療となります。逆に健康診断を受ける目的で検査を受ける場合には自由診療となってしまうのです。ただ、自費診療といってもそれほど高額な費用がかかるわけではないため、フリーターでも問題なく健康診断を受けられるでしょう。
企業で健康診断を受ける
フリーターが現在勤めているバイト先で健康診断を受けさせてもらうというケースがあります。要件を満たしているのであれば、会社に全額負担してもらって、健康診断を受けられます。また、義務を満たしていなかったとしても、会社に相談すれば健康診断を実施してくれることはあります。
実は多くの会社でアルバイトやパートに健康診断を受けさせる義務がないと知らなかったというケースがあるため注意しましょう。この場合は、健康診断を受けさせる義務があることをきちんと主張することが大切です。そうすれば、要件を満たしているものに健康診断を実施してくれるかもしれません。もし、会社が義務違反しているならば、労働基準監督署に相談してみるとよいでしょう。
要件を満たしていない場合は、会社には何の落ち度もないため、健康診断を受けさせてくれないならば、会社負担で健診を受けることは諦めるしかありません。
フリーターの健康診断の注意点
フリーターがこれから健康診断を受ける上での注意点をいくつか紹介しましょう。
年に1回は健康診断を受診するべき
健康管理のためにも年に1回は健康診断を実施しましょう。普通の正社員であれば、毎年1回は健康診断を受けているからです。そこで数値に異常があれば、より専門的な検査を受けなければいけなくなります。数値の悪い項目がある場合には普段の生活習慣を改善することが大切です。
たとえば、お酒やタバコを過度に楽しんでいる場合には、いくつかの数値が悪くなることがあります。その場合は、早めに対処しておかないと病気になる可能性が高いです。健康診断を定期的に受けることで自分の普段の生活を見直すきっかけとなるでしょう。
健康診断の検査項目に注目する
健康診断にはさまざまな検査項目が用意されているため、それに注目しましょう。特に一般病院で健康診断を受ける場合は自分で検査項目を選べるようになっているため、必要な項目がすべて含まれているのか確認することが大切です。会社で一般的に実施されている健康診断と同じような項目が揃っていることを確認しましょう。
日本では定期健康診断の項目について法律で定められています。絶対に受けさせなければいけない項目が決まっているのです。自分で健康診断を受けるときには、法定健診として決められている項目がすべて含まれていることを確認しましょう。法定健診と同じ項目の健診を受けることによって、最低限の検査を受けることができます。
もちろん、法定健診に含まれない項目についても気になるならば受診して構いません。特に女性の場合は子宮がんや乳がんの健診を受けておくことは大切でしょう。また、40代以上になるとその他のがん検診についても実施したほうがよいです。
健康診断について会社に相談しておく
これからフリーターが健康診断を受けたいと考えているならば、事前に会社に相談しておきましょう。そうすれば、会社の方で健康診断を実施してくれるかもしれません。勝手に健康診断を受けてしまうと、実は会社でも健康診断を実施していて、検査費用が無駄になることがあります。
また、健康診断を仕事のある日に受けたいときには、事前に休みたいということを伝える必要があります。会社によっては健康診断を有給扱いにしてくれるケースもあります。この場合は、健康診断を受けている間にも給与が発生するため安心できます。実はアルバイトやパートであっても一定の要件を満たしていれば有給が発生するため、確認しておきましょう。
まとめ
フリーターの健康診断についてまとめました。フリーターにとって健康管理はとても重要なことです。そのため、定期的に健康診断を受けることを心がけましょう。その際には一定の要件を満たすと会社はフリーターに対しても健康診断を受けさせなければいけない決まりがあることを知っておいてください。