フリーターと正社員には、どのような違いがあるのでしょうか。正規雇用と非正規雇用という点では、定義の違いについて理解している人も多いでしょう。
しかし実際のところ、普段の生活の中でフリーターと正社員にはどんな「差」が出てくるのか、意外と実感していない人はたくさんいます。特に、あまり将来のことを深く考えずにフリーターを続けている人は、具体的な正社員とフリーターの格差について、向き合っていないことがほとんどです。
そこで今回は、フリーターと正社員の「格差」について考えていきたいと思います。
フリーターと正社員の収入格差は辛いポイント
フリーターと正社員における格差で一番大きいのは、やはり「収入」の格差でしょう。フリーターは経済力の面で正社員に劣ることがほとんどです。まずはどのような格差が生まれるのか、具体的なポイントを見ていきましょう。
フリーターと正社員は毎月の収入の安定性が違う
フリーターと正社員では、まず毎月の給料の安定性が違います。フリーターはあくまでアルバイトやパートなどの非正規雇用なので、時間拘束で働いた分しか給料は出ませんし、賃金も低い傾向にあります。
これに対して正社員は、基本的に月給制になるため、毎月の給料はしっかり保証されています。賃金も非正規雇用のパートやアルバイトと比べれば高く、出世すればさらに給料を上げることができます。そしてもちろん、リストラなどの場合を除けば、フリーターよりも正社員は雇用も安定しています。
フリーターは正社員と違ってボーナスがない
フリーターには、基本的にボーナスの支給はありません。会社によってはアルバイトや派遣社員などにもボーナスを支給することはありますが、正社員ほど高い額のボーナスが出ることに期待はできないでしょう。
フリーターより正社員の年収が高いのは、ボーナスの有無の違いがあるからです。正社員はキャリアを積めば毎月の給料とともにボーナスも上がりますが、フリーターはどう頑張ってもそこまで給料は上がらず、ボーナスも基本的にはもらえません。
フリーターは正社員より貯金が貯まりにくい
フリーターと正社員では、貯金の貯まりやすさにも格差が出てきます。フリーターは正社員と比べて賃金も低いため、貯金はなかなか貯まりません。それどころか毎月かつかつの状態で貯金どころではない…という人も少なくないでしょう。
しかし正社員の場合は、フリーターよりは賃金も高ければボーナスの支給もあるため、貯金もかなり貯めやすくなります。同じ年齢の人でも、フリーターと正社員なら、貯金額には大きな差が出てくるでしょう。
フリーターは正社員よりあらゆる待遇が悪い
フリーターは、仕事はしていたとしても、会社から受けられる待遇は正社員と比べてあまり充実していません。
正社員になら支給される交通費や住宅手当、扶養手当などは、アルバイトや派遣社員の場合は支給されないことが多いです。また、どれだけ会社のために頑張ったとしても、非正規雇用のままでは会社に評価してもらえず、給料アップにつながらないという点もあります。
フリーターと正社員には信用度の格差も
フリーターと正社員では、社会的な「信用度」の格差も広がりやすいです。
ちなみにフリーターの信用度の低さについて理解できていない人は意外と多いですが、信用が低いとは具体的にどういうことなのでしょうか。ポイントは以下の通りです。
フリーターと正社員は社会的信用度に大きな差がある
フリーターは、正社員ではなくアルバイトやパートの非正規雇用の人を指すため、会社の中では立場や責任が低いことになります。その分賃金も低く、そして雇用も安定しないのが特徴的です。
つまり、フリーターは経済力が低いということが印象としてわかります。もちろん倹約家の人でたくさん貯金をしているフリーターもいるでしょう。しかし世間一般から見たフリーターのイメージは、経済的に安定していないこと、収入が低いこと、それは否定できないことです。
そのため収入や経済状況を証明しなければならない場面では、やはりフリーターは正社員と比べて不利になります。クレジットカードを新しく作ろうとしたのに審査に落ちてしまったり、マンションの契約をしようとしたときに契約を断られたりなど、フリーターは信用度の低さから嫌な思いをすることが多くなりがちです。
フリーターは能力面でも信用が低い
フリーターは、正社員と比べて能力面でも信用があまり高くありません。
先ほどもお伝えしたように、非正規雇用で働く人は、会社の中でも立場が低いのが特徴的です。つまりフリーターは、普段から責任を大きく背負って働いているわけではないということが言えます。
そのため責任感がないことや自立していないことを指摘されるのは多いでしょう。実際に責任感がない人・自立していない人も多いため、その能力の低さからなかなか正社員に就職できない人もたくさんいます。
フリーターが早く正社員を目指すべき理由とは
フリーターを続けている人は、正当な理由や事情があってフリーターを続けているわけではないのなら、なるべく早めに就職して正社員になる必要があります。
皆働いていて当然正社員になるものだから…という理由はもちろんのことですが、早めに正社員を目指すべき理由は、具体的には以下のような点が挙げられます。
長くフリーターを続けていると正社員就職しづらくなる
そもそも長い間フリーターをしていると、就職は非常にしづらくなっていきます。
フリーター歴が長いことから、能力の低さを企業側から不安要素に感じられ、不合格になってしまうからです。また、フリーターだったという時点で、書類選考で落ちてしまうことも少なくないでしょう。
さらに、長くフリーターだったということは、年齢をそれなりに重ねていることになります。年齢が高くなればなるほど中途採用の枠は減っていきますから、正社員を目指すことはますます不利になっていきます。
年齢を重ねるほど正社員との格差は広がっていく
年齢を重ねれば求人が少なくなるという点でも、フリーターは早めに正社員を目指す必要がありますが、就職すべき理由は、上で解説してきた格差の面にもあります。
フリーターを続けてきて年齢をそのまま重ねてしまうと、同じ年代の正社員とは格差がますます広がっていきます。そして年をとればとるほど、その格差を埋めることは難しくなるでしょう。
格差を広げないためにも、フリーターは早めに正社員を目指して、経済力や信用度を安定させる必要があるのです。
フリーターから正社員を目指すときのポイント
フリーターから正社員を目指すことは、一筋縄ではいかないことも多いです。年齢的にも若く、そしてフリーターの期間がそこまで長くなければまだまだチャンスはありますが、特にある程度年齢を重ねていると、正社員を目指すのは何かと大変になりがちです。
ここからは、そんなフリーターが正社員を目指すときのポイントをご紹介していきます。
就職支援会社やハローワークを利用する
就職を考える際は、就職エージェントと呼ばれるような支援会社や、ハローワークを利用するのがおすすめです。
自分で求人情報を見つけてひたすら応募するのも大事なことですが、自分一人の力だけでは就活に行き詰まることも多いです。フリーターだった期間の説明に困ってしまったり、自分でも応募できそうな仕事の見極めに迷ったり…そんな悩みを抱えることはよくあることです。
そんなとき就職エージェントやハローワークを利用していれば、悩みは適宜相談することができます。フリーターでもチャンスのある仕事は何なのか、狙い目な業界はどこなのかなど、相談のうえサポートしてもらうことが可能になります。正社員を目指すなら、そういった支援機関・サービスを利用することは積極的に考えたいところです。
理想を高く持ちすぎないように注意する
フリーターから正社員を目指すときには、あまり理想を高く掲げすぎないようにしたいところです。なぜならフリーターは仕事の選択肢がある程度限られてしまうことが多く、その傾向は年齢を重ねれば重ねるほど強くなります。
フリーターという時点で能力を信頼してもらえないこと、中途採用でも即戦力としての期待ができないことなどが不利なポイントになります。
そのため理想を高く掲げてしまうと、なかなか正社員として仕事が決まらないことは多いです。そんな就活がうまくいかない状況が続けば、徐々に正社員になるモチベーションは落ちていきますし、状況は悪くなるばかりです。
正社員として就職したい業界の希望は、希望として持っておき、あまりこだわりすぎないように注意しましょう。希望の業界はあっても、自分の経験や能力、年齢的に、どうしてもそこを目指すのが難しくなることも多いです。
フリーター歓迎のブラック企業には要注意
フリーターから正社員を目指すときには、フリーターを強く歓迎しているブラック企業の求人にだけは注意する必要があります。
フリーター歓迎の企業は、人手が不足している業界に多い傾向があります。会社の状態としては、フリーター出身、ニート出身の人でも良いからとにかく人の手を借りたい状況であることが考えられます。
もちろん一からしっかり教育するつもりで、フリーターでも歓迎してくれるホワイト企業もたくさんあります。フリーター歓迎の企業が必ずブラック企業というわけではありませんが、正社員を目指すときにはこのような求人応募には慎重になりたいところです。
まとめ
フリーターは正社員と比べて、何かと不利なポイントが多いことは残念ながら現実として受け入れなければなりません。フリーターと正社員では、収入や社会的信用、仕事の能力などに大きな格差があり、年齢を重ねれば重ねるほど格差を埋めるのは難しくなってきます。
そのため今後フリーターから正社員になることを考えるなら、就職活動に向けて早めに動きだした方が良いでしょう。就職支援のサービス・機関は積極的に利用し、正社員に向けての就職としっかり向き合っていくことが大切です。