大卒でフリーターになる人は意外と多く、大卒であれば誰もが正社員として就職するわけではないのです。それには非正規雇用の多さや就職の厳しさなどが影響してきているのかもしれません。
大卒でフリーターになってしまえば、当然今後の働き方には迷うものです。理由があってあえてフリーターをしているなら問題はないかもしれませんが、いずれにせよ立派な大人になるなら正規の形で働いてお金を稼ぐことは必要不可欠になります。
そこで今回は、大卒でフリーターになったときはどうするべきかを考えながら、正社員を目指すときのポイントを解説していきたいと思います。
大卒で正社員にならずフリーターでいる人は多い?
大卒であれば正社員になる流れを多くの人がイメージするものですが、誰もが大学卒業後に正社員になるとは限らないものです。
厚生労働省の平成30年度学校基本調査によれば、大学卒業者のうち、4.5%は非正規の派遣社員や契約社員、もしくはアルバイトやパートの職に就いているといいます。
就職を目指す人にとって、大卒でそのまま正社員になることはやはり理想的な道でしょう。しかし就活がうまくいかなかったり、別でやりたいことがあったりすれば、やむを得ずフリーターの道を選ぶ人もたくさんいるということです。
また、大卒でフリーターをしている人は、その年大学を卒業した人以外にもたくさんいます。大卒で一度就職したものの、その後仕事をやめてフリーターになった人、別の年に大学を卒業してフリーターになった人なども含まれるため、大卒という経歴を持ちながらフリーターをしている人は現代において決して少なくないのです。
参考:
https://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2018/12/25/1407449_1.pdf
大卒なのにフリーターでいる理由とは
ではちなみに、大卒でありながら正社員にはならず、フリーターになる人は、なぜ正社員ではなくフリーターを選んでいるのでしょうか。その理由を考えてみましょう。
就職に失敗した流れでフリーターを続けている
よくあるのは、就職に失敗してしまったケースです。大学在学時に就活したものの、結果として内定をもらうことができず、ひとまず派遣社員や契約社員などで働くことになる人です。
その後改めて就職活動をして、結果として就職を決められる大卒フリーターもいますが、残念ながら結局その後もなかなか就職を決められない人もたくさんいます。派遣や契約とはいえ、なんとか働けているからこそつい安心してしまい、就職活動をサボってしまうパターンです。
夢ややりたいことのためにフリーターでいる
フリーターをしている人の中には、夢ややりたいことがあって、就職せずにいる人もたくさんいます。夢を追うことは、確かに一度就職してしまえば時間が確保できず難しくなります。
それならフリーターを選んでおいた方が、時間に自由が利きやすくなるため、何かと都合は良いのです。理由があってフリーターをしている人の多くは、話を聞いてみると「実は夢があって……」といったタイプの人がほとんどです。
自分のやりたい仕事が見つからない
自分のやりたいことが見つからず、就職せずにフリーターをしている大卒の日ともいます。やりたい仕事がなければ、確かに働くことにも前向きにはなかなかなれないものです。働くモチベーションに、やりたいことかどうかは大きく関わってきます。
ただ、それでも就職しなければならないのは事実でしょう。本人も分かっていることかもしれませんが、そんな現実から逃避している……そんなタイプの日とも多いです。
大卒でフリーターでいるとその後どうなる?末路とは?
では、大卒でフリーターになると、今後はどのような未来が待ち受けているのでしょうか。大卒でフリーターになる恐ろしさ、そしてしばらくフリーターを続けてしまう恐ろしさをまずはよく知っておきましょう。大卒フリーターの「末路」を知っておけば、今後就職する気持ちも高まりやすくなります。
若ければまだ就職できる可能性は十分あるが…
フリーターとはいえ、大卒でまだ年齢も若ければ、実際のところはまだまだ就職にチャンスはあると言えます。若くてやる気のある人は、フリーターでも採用を勝ち取りやすく、大学で学んできたことやフリーター時代に得た経験、その他持っている資格次第では、就職後のキャリアアップも望めるでしょう。
就職も転職も、やはり若い大卒の人の方が有利です。しかしそれが裏目に出てしまい、「就職しようと思えばいつでもできる」といった心理になってしまう人は意外と多いです。
そうなると無意識のうちに就職に対してかなり楽観視してしまうようになり、「いつか就職に向けて行動を起こせばいい」的な考えを持ってしまいます。そのため結果として、気が付けば何年も時間が経っていて、「このままじゃ就職できないかも」…そんな不安を感じるくらいの年齢になってしまうことも多いです。
フリーター期間が長くなれば大卒でも就職しにくくなる
大卒とはいえ、フリーター期間がかなり長くなってしまうと、その分就職には不利になっていきます。これはたとえ高学歴の持ち主だったとしても同じです。
例えば大学を卒業してから、30歳近くまでフリーターをしていたとあっては、さすがに印象もマイナスになります。「この人はいい大学を出ているのに、結局30近くまで大卒フリーターをやっていたのか。なんだか考え方が甘そうだな……」と企業側には思われる可能性が高いです。
しかも正社員の経験がゼロなら、イメージはあまりよくないでしょう。大卒であっても、就職は正直しづらいでしょう。もちろん探せば働き口はありますが、あまり業界を選べなくなってくるのは事実です。
大卒→フリーター→引きこもりニートというケースも
人によっては、大卒→フリーター→引きこもりニートといった悲惨なルートを辿ってしまうこともあります。せっかく大卒であっても、その後フリーターどころかニートや引きこもりになってしまうのでは、あまりに残念な末路を言わざるを得ません。
実際にこのようにニートや引きこもりになってしまう大卒フリーターは、決して珍しいパターンではありません。フリーターという時点で、どこか社会からは外れた存在に感じられることも多いでしょうから、そんな立場がニート化・引きこもり化のきっかけになるのかもしれません。
大卒フリーターから正社員の道を目指すときのポイント
では、そんな大卒のフリーターは、今後正社員を目指すためにはどうすれば良いのでしょうか。自分自身でもわかっているように、特別な理由があってフリーターを続けているわけではない限り、就職しなければならないという現実とは向き合っておく必要があります。
また、事情があってフリーターをしている人でも、いずれは就職を考えなければいけないタイミングが来るかもしれません。大卒フリーターが正社員を目指すときは、以下のようなポイントに気を付けて行きましょう。
フリーターから抜け出せなくなる前に早めに就活
まずは、フリーターから抜け出せなくなる前に、とにかく早めに就活することが大切です。
フリーターになるとなかなか抜け出せなくなるのには、理由が二つあります。一つ目は年齢を重ねるごとに、フリーター期間が長くなるごとに、中途採用で内定を勝ち取れるチャンスは減っていくからです。やはり若い人の方が就職はしやすいでしょう。
なぜフリーターになると抜け出せなくなるのか、その理由の二つ目は、自分のやる気がついていかないからです。フリーターは正社員と比べて時間の自由が多く、精神的負担も少ない立場になります。そんな楽な立場に慣れてしまえば、正直正社員の求人を探す気力は失せていきます。
そのため大卒でフリーターになってしまったときは、なるべく早い段階で就職を考えることが望ましいでしょう。そろそろ就職しないとまずいかも…と思ったら、せっかくの大卒という経歴を無駄にしないためにも、早めに就活を始めましょう。
就職支援を利用して働き口を相談する
就活するときは、就職支援を利用して仕事を紹介してもらうのがおすすめです。その方が仕事は見つかりやすくなりますし、困ったことがあれば逐一相談することもできます。
有名なものをあげれば、就職支援はハローワークや就職エージェントがあります。どちらも求職者に向けて手厚くサポートをしてくれるため、仕事を探しているうちは足しげく通うことをおすすめします。ちなみに利用するならハローワークも就職エージェントもどちらも利用するのが効率的です。
大卒なのにフリーターになってしまった…今後どうすれば良いのかわからない…という人は、その悩みも含めて担当者に相談してみましょう。特に就職エージェントはフリーターに向けて支援を強化していることも多いため、悩みには積極的に対応してくれるでしょう。
資格を取得して就職に活かす
就職しやすさを上げるなら、先に資格を取得するのもおすすめです。資格さえあれば就職が格段に有利になる…と約束されているわけではありませんが、選択肢が広がることは間違いないでしょう。資格を有していないと応募できるような求人にも挑戦することができます。
就職の際に役立つ資格といえば、例として以下のようなものがあります。
・ファイナンシャルプランナー
・日商簿記
・ITパスポート
・マイクロソフトオフィススペシャリスト
・秘書検定
・宅建
・TOEIC
・保育士
・医療事務
・登録販売者
これらの資格は持っておくと、就職の際に良いアピール材料になります。挑戦できる分野も広がるため、積極的に興味の持てる資格は取得しておいて損はないはずです。
まとめ
大卒でフリーターになる人は意外と多いです。その理由はさまざまですが、そのままフリーターを何年も続けてしまうことだけはやはり避けたいところです。フリーターは就職の際に苦労することが多く、それは大卒という経歴があったとしても、です。
手遅れになる前に、就職については本気で向き合うことをおすすめします。年齢を重ねてから就職するのは予想以上に大変なことなので、できれば20代のうちにフリーターは卒業したいところでしょう。ぜひ就職支援を利用したり資格取得を考えたりしながら、自分に合った就職先を見つけていきましょう。